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デジタル版・新聞

コラム マスコミ系働き女子のひとりごと

コロナショックと日本の働き方改革

▲外出できず家に缶詰めの状態の娘と、プリンを手作り。たまにはこんな時間も良いものです

 

 世界中で新型コロナウィルスが猛威を振るっています。日本は政府の要請で3月2日から小中高校が臨時休校に突入。娘の通う私立中学も、学年末テストを2日前にして、慌ただしく休校となりました。校内放送で校長先生から休校が発表されると、女子中学生の歓声が廊下に響き渡ったそうですが、前代未聞の緊急事態に日本全体が緊張し、パニック気味になっています。

 

 

 

5000人が出社停止に

 

 東京で働く一会社員の私が、空気の変化を感じたのは2月末。取引先でもある広告代理店の電通が一斉に在宅勤務となった日でした。ほぼ毎日メールや電話でやりとりする社員さんが、当日の夕方から一斉に帰宅。直後に電通の50代社員が新型コロナに感染し、5000人の社員が在宅勤務になるとの報道が流れました。1人の感染者の前に、汐留の48階建ての超巨大本社ビルが封鎖され、立ち入り禁止となる事態に、呆然となりました。

 私の会社も通勤ラッシュを避けるため、2月2週目から始業が10時に変更されていました。ただ他の会社のコロナ対策はずっと進んでいました。道を挟んで向かいにある、ママ友が勤務する大手町の通信会社は、2月の半ばから家でパソコン作業やオンライン会議をする在宅ワークとなり社員はほとんど出社していないそう。ご主人も在宅勤務となり、「だんなと二人家にいるのは落ち着かない…」と慣れない日々をボヤいていました。

 

 

イベントも続々と中止に…

 

 その後、開幕したばかりのJリーグが中断し、プロ野球のオープン戦や大相撲の無観客試合、さらに卒業式や入学式の縮小など異常な事態となり、外出を控えざるを得ない状態が続いています。

 ただ、日本の通信網や流通網は進んでおりその気になれば、在宅でも仕事や生活は可能です。アマゾンで前の日の夜7時半に注文したシャンプーが、翌朝10時には家のポストに届く日本です。働いている人に感謝しながらですが、買い物はネットで注文できる近所の西友の宅配サービスを利用し、娘はパソコンで毎朝先生に「起床報告」のメッセージを送り、課題もネットで提出し…と在宅しながら何とか日常生活をやりくりしています。

▲近所の薬局に貼り出された「マスク完売」のお知らせ。

マスクやトイレットペーパー、生理用品を求め朝から店の前に行列する光景は今も続いています

 

 

迫られる日本社会の変化

 

 そして企業が今一番恐れているのは、社員が感染し業務が一斉に2週間近く止まってしまうこと。マスコミ系で古いタイプの我が社でも、今週からは在宅ワークが認められました。社内の機械を使わないとできない仕事もあり限定的ですが、日本企業が推し進めようとする柔軟な勤務形態を認め、プライベートな時間も充実させる「働き方改革」を一気に迫られているのを実感します。

 まさに感染のピークを迎えつつある今、日本中が未知のウィルスと闘いながら、新しい社会に脱皮しようと、もがいてるようです。

 

 


竹下聖(たけしたひじり)

東京生まれ。大学卒業後、東京の某新聞社でスポーツ記者、広告営業として15年間勤務後、2012年〜2014年末まで約3年間ハワイに滞在。帰国後は2016年より、大手町のマスコミ系企業に勤務。趣味はヨガと銭湯巡り。夫と中学生の娘、トイプードルと都内在住。


 

 

(日刊サン 2020.3.14)

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