エンディングを考えよう|ドクター國陶ゆかりの終活コラム9

 03/11/2020

Dr.Yukari Kunisue_Nikkan San

 ホノルル市内の幹線カピオラニ通りに面したところに、こじんまりとしたお墓があります。私の住む場所から近いので、ときどき散策などに行く、ビルに囲まれた墓地です。日英の看板には「モイリイリ日本人墓地」と書かれています。

 

 この付近がまだ湿地で、家や住む人もまばらであった1900年の初頭、近くのモイリイリ本願寺によって共同墓地として日本人墓地を建造しました。日本人住職のいるお寺に加え、そばに日本人学校があったこともあり、モイリイリは次第に日本人住人が増え、1930年代までには、日本を離れ、祖国に戻る夢を果たせなかった移民1800人がこの地を最期の地に選びました。いまでは墓石2000基、1万人がこの地に葬られているそうです。

 

 古びた墓石につづられた名前や生没年を見ていると、墓地に眠る人々の歴史と生涯が想像されます。大きな同胞先亡慰霊塔、ホノルルで腸チフスが蔓延した頃に没年した3歳児、廣嶋県○○村と故郷が記されている墓石、数人の奥様の名前がある墓石など。

 

 ホノルル市内だけでなく、ハワイ州にはこうした移民の眠る墓地が沢山あります。忘れられ、草ぼうぼうになったところもあれば、いまでも子孫が墓参りを欠かさない墓地もあります。お墓は各人の歴史を刻み、家族一門の終の棲家であるとともに、沖縄の亀甲墓に見られるように、そこから来てそこに戻るという象徴的な意味を持つものでもあるようです。ハワイの日本人移民の歴史を紐解きつつ、散策するのも一興、見捨てられた墓地をボランティアで清掃し、先人の足跡に想いを馳せるのも一興、お墓を大切にすることは祖先と自分たちの歴史を大切にすることにつながります。

 

【プロフィール】

Institute of Transpersonal Psychology 博士号修了。ハワイのWEBテレビ放送局、THINKTECH HAWAIIで日本人コミュニティで活躍する人々を紹介する番組「Konnichiwa Hawaii」でパーソナリティーを務める。本業はライフコーチ・催眠療法士。

 電話(808)286-2085 メール Dr.yukari@gmail.com

WEBサイト:http://www.yukari-kunisue-coaching.com


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