弔いと死にゆく者の役目|ドクター國陶ゆかりの終活コラム6

 11/04/2019

Dr.Yukari Kunisue_Nikkan San

日死んだ方を供養する弔いは、一人の人の死にまつわる宗教的、精神的、さらに社会的行事であるとともに、死者と生者を結び付ける行事であることに気付かされます。

 

喪服を着て厳粛に行われる日本の仏式葬儀もあれば、フラとアロハ、花々に囲まれたカラフルなハワイ風の葬儀もありますね。仏教の火葬もあれば、キリスト教の土葬あり、また文化が違うとチベットの鳥葬や、今もインドに残る遺体をそのまま海に流す水葬、今回の特集でも取り上げられている海での散骨、また、古代エジプトのように肉体に霊魂が戻ってくることを頑強に信じてミイラづくりに励んだ文化もありました。

 

形式やスタイルの違いはあっても、死者を偲び、哀悼を示す葬儀や供養の儀式は、死者への鎮魂とともに、死者と生者をつなげる大切な行事です。葬儀に関して言えば、遺族、看病をした人、看取った人、往生を支援してくれた血縁、地縁の生者や弔問者も結びつける行事とも言えます。また、墓地など記念物は、生前を知らない後世にも死者との結びつきを与えてくれます。弔いの儀式や作法は、生者と死者との関係を取り持つ共同作業と言えるだけに、残された遺族や人間たちが、死の事実性と絶対性に向き合う機会を与え、死者との区切りをつけ、また、死者の生前の記憶と自分の中の記憶を再確認する作業としても大切であることが分かります。

「死んでしまったらその後はどうにでも」とおっしゃる方もいるかもしれませんが、死にゆく者、死者にもきちんとした役割があると考える宗教も多いのは、興味深いことです。例えば、老いていく様や死に様を見せる役目、肉体を持たなくなっても、次に来る死者の「新入生」を迎える役目などがあると考えるようです。家族や親類、親しい人と弔いや死者の役目について話し合ってみるのも、終活の大切なプロセスかもしれません。

 

【プロフィール】

Institute of Transpersonal Psychology 博士号修了。ハワイのWEBテレビ放送局、THINKTECH HAWAIIで日本人コミュニティで活躍する人々を紹介する番組「Konnichiwa Hawaii」でパーソナリティーを務める。本業はライフコーチ・催眠療法士。

 電話(808)286-2085 メール Dr.yukari@gmail.com

WEBサイト:http://www.yukari-kunisue-coaching.com


関連記事







その他の記事