施設は今や姥捨山ではない!?|医師 松嶋大の終活コラム4

 12/23/2019

Vol.4  施設は今や姥捨山ではない!?

 

アロハ、日本から松嶋大です!

今回は、シニア向けの施設や住まいについてご説明いたします。

今回も、まずはとあるエピソードから。

 80代後半独居男性。難病を患い歩行は不安定。自宅生活が難しい状況でしたが、自宅にこだわり施設利用は拒んでいました。ご家族やヘルパーが頻回に自宅訪問し自宅生活を維持するも、あるとき転倒し打撲で歩けなくなりました。本人は嫌々ながらも、動けないので仕方なく短期入所施設に一時的に泊まることになりました。

 

 施設に私が出向き、「良くなったら自宅に帰りましょうね」と伝えると、ご本人の口から衝撃の一言!「もう自宅には帰らない」と。一瞬耳を疑いました。理由を伺うと、「施設がこんなに楽でイイところとは思ってなかった」とすっかり施設がお気に入りになった模様。施設のことを食わず嫌いだったようですね。この方、今や、自宅の時よりもずっと元気に毎日を過ごされています。不幸中の幸いとはこのことですね。

 

 ところで、みなさま、「姥捨山」をご存知ですか?日本では、介護施設というと、姥捨山のように感じているシニアの方々が少なくありません。上記の方もそう思っていたのかもしれません。自宅が積極的に良いというより、もしかすると施設は姥捨山だから多少不便でも自宅のほうがマシだと。しかし今の施設は決してそんなことはないと思います。

 

 現在の日本では、シニア向け施設として主に以下のようなものがあります。  

・有料老人ホーム  

・グループホーム  

・特別養護老人ホーム(特養)  

・軽費老人ホーム・ケアハウス  

・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

 

 それぞれ簡単に説明します。

 有料老人ホームは、元気な方から介護が必要な方まで広く入所できます。費用的には様々ですが、前述の施設の中では比較的高め。

 グループホームは、認知症を患う方々が少人数で集団生活するための施設。

 特養は、重度の介護状態の方が入所する場で、最後の砦的な施設。

 軽費老人ホームは、福祉施設。家族介護が乏しい、経済的に厳しいなど自宅生活が困難な方を対象。

 サ高住は、位置づけ的には「住まい」。最近はもっぱら施設化し、自立した方よりも介護が重い方が少なくない印象です。

 

 お金のお話を少々。安い施設でも最低月額10万円は覚悟しなければいけません。15〜20万円ほどを準備しておくと、たいていの施設で入所可能です。ただし医療や介護の必要度が高いと20万円を超えることもしばしばです。東京など大都市圏では、20万円を超える施設も少なくありません。

 

 日本での施設の位置づけは、寝たきりなど介護が必要になったら入るところと思っている方が少なくありません。元気なときから入る場ではないと。

 

 しかし、今後は変わるかもしれません。というのも、アメリカ発の概念であるCCRC(Continuing Care Retirement Community)が、日本にも導入されつつあるからです。元気なうちから移り住み(入所し)、生涯活躍で暮らそうという方向に、今後の日本もなっていきそうです。

 

 私が運営してしているオークフィールド八幡平(サ高住)というシニア向け住宅は、日本版CCRCとして、多少は知られる存在になりました。元気な方はもちろん、介護が必要な方までどなたでも入居でき、希望があれば最期まで暮らせます。できることをしながら生涯現役で豊かに暮らすことを目指しています。オークのようなあり方のシニア向け住宅は、日本ではまだまだ少ないですが、きっと今後増えていくと思います。ご興味がある方はネットで検索してみて下さい。

 

 今回はこのくらいで。次回は、多くの人がとっても気にしている「認知症」についてお話しようと思います。

 

【プロフィール】

1974年、岩手県生まれ。医師、医学博士。なないろのとびら診療所所長。ことのはグループ代表。日本CCRC協会会長。専門は総合診療で認知症と在宅医療を得意とし積極的に取り組む。現在、診療所のほか、担当患者さんの幸せを願い介護事業、飲食業、農業、住まいなどの事業を展開。信念は「目の前の人に最善を尽くす」。

【連絡先】matsushima@kotonoha-group.co.jp

WEBサイト:https://kotonoha-group.co.jp/


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