若葉ネットワーク新年1月勉強会 : 見逃していませんか? 糖尿病の危険なサインと合併症
01/19/2018

柔和な笑顔で講演する、糖尿病が専門の小川昌三医師
日系人やハワイに住む日本人をサポートするNPO“若葉ネットワーク”は、新年初の勉強会を1月9日に開催。聖ルカ病院の糖尿病専門内科の小川昌三医師を招き、『糖尿病の危険なサインと合併症』についてレクチャーした。
「アメリカで糖尿病は国を挙げての社会問題です。成人の4人に1人は糖尿病予備軍で、子どもの糖尿病患者も20万人以上おります。日本でも糖尿病患者が昨年初めて1千万人を超えました。国際的にはもっと深刻で、11人のうち1人が糖尿病患者で、2人に1人はその予備軍だという調査結果もあります」と小川医師。
糖尿病は、飽食の時代の地球規模の流行病
「糖尿病は紀元前からある病気で、エジプトの古文書にも残っています。おしっこにアリがたかるのを見て、糖尿病に対する近代医学の研究がスタートしました。自覚症状が少ないから現代でも発見が遅れることが多々あります」
そもそも糖尿病とは? 甘いものや炭水化物の中に含まれているブドウ糖(グルコース)は、血液中に存在し、私たちのエネルギー源として働いてくれる。だが食事や生活習慣などの影響で、血液中のブドウ糖(血糖)が多くなり過ぎると高血糖が続き、糖尿病を発症しやすくなるのだ。 「糖尿病には大きく分けて、タイプ1とタイプ2があり、タイプ1は、インスリンが分泌できなくなる糖尿病で子どもに多く、日本では糖尿病の人の95%以上がタイプ2です」
タイプ2の場合、ある日突然血糖値が高くなるのではなく、何年もかかって血糖値が高くなり糖尿病に至る。また糖尿病と診断されるほど高くはないけれど、正常より血糖値が高い状態を、糖尿病予備軍などという。
空腹時の血糖値の診断基準
◦血糖値100〜109mg/dl・・・正常
◦血糖値110〜125mg/dl・・・糖尿病予備軍
◦血糖値126mg/dl・・・・・・・・・糖尿病
*糖尿病が疑われる場合は、ブドウ糖を用いた検査や赤血球のヘモグロビン検査を併用して診断する。
ただ人間の体質として、血糖値そのものは上がりやすいようにできている。最近は“血糖値スパイク”といって、食後の短時間だけ血糖値140mg/dl以上に急上昇する体質の人がいることも分かってきた。
カラダは飢餓対応型、血糖値を下げるのは苦手
私たちの体内には100種類以上のホルモンがあり、体の様々なバランスをとるために分泌されている。インスリンもその一つで、食べ物などの糖が入ってくると、膵臓からインスリンホルモンが分泌されて、血糖値を上げ過ぎないように働いている。しかし、数多い体内ホルモンの中で血糖値を上げるホルモンは多いが、血糖値を抑えられるのはインスリンだけだ。飢餓の時代が圧倒的に長かった人類の歴史の中で、糖質は稀少で大切な栄養源。私たちの体質は、現代のような飽食の時代に対応するようには造られていないのだ。
糖尿病で怖いのは合併症
サイレントキラーといわれる糖尿病は、合併症が怖い。
「糖尿病は血管の病気です。だから全身に悪影響をもたらします。末梢血管が細く悪くなるので、白内障、緑内障、網膜症など目の病気になりやすくなります」
心臓から遠い足も、血液の循環障害や神経障害が出やすくなる。
「太い血管がやられると、心筋梗塞や脳梗塞を起こすリスクも高まります。ガンや認知症になる確率も上がるので、早期発見、早期改善がとても大切です」
糖尿病セルフチェック
□ この頃太ってきた
□ 食べても痩せる
□ 食欲があり過ぎていくらでも食べられる
□ おしっこの回数が増えて、量も多い
□ 尿に匂いが気になる
□ 全身がだるい
□ 疲れやすい
□ 肌がかゆい、かさつく
□ 下腹部がかゆい
□ 手足がしびれたり、ピリピリする
□ 視力が落ちた気がする
□ 立ちくらみがある
□ 甘いものが急に欲しくなる
□ ちょっとしたやけどや傷の痛みを感じない
□ おしっこが出にくく、出ても残った感じがある
□ 足がむくむ、重くなる
出典:厚生労働省
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