Study in Hawaii|ハワイで学ぶ vol.2 -日本をルーツとするハワイ生まれの子どもたちの『バイリンガル』教育-

 03/19/2019

Study in Hawaii|ハワイで学ぶ

Vol.2 日本をルーツとするハワイ生まれの子どもたちの『バイリンガル』教育

 

お子さんをハワイの学校に通わせている、ヨガやロミロミの資格取得をめざしている……小中学校から大学、専門学校と、ハワイの教育機関は実に多彩。 日刊サンではバイリンガル教育をはじめとする“学び”の特集をしています。

 

 

里帰りのたび、日本の公立校にも通わせています

サトエさんの夫は、造園会社を営むハワイのローカルサーファー。サトエさんは日本では、モデルエージェンシーの通訳の仕事をしていました。ハワイ在住は19年。 「長男のケンが生まれた時、日本の母国語も話せるようになって欲しいと、赤ちゃんの時から私はなるべく日本語で話しかけていました」

 

2歳を過ぎた頃から、ミリラニにある『さくら日本語幼児教室』にも通った。 「教育ママじゃないんですが(笑)、当時私は仕事をしていて、ケンはデイケアにもプリスクールにも行き、英語に触れる時間の方が長かったので、日本語を補足した方が良いだろうと判断したんです。私自身、どう教えていいのかわからなかったので、プロにサポートして欲しいとも思いました」

 

日本に帰るたび、実家の近くの公立幼稚園にも通わせた。 「区役所で申請し、幼稚園の園長先生にも会いに行って受け入れてもらいました。2週間でも3週間でも、滞在中は通っていました。はじめは少し緊張しているみたいだったけど、すぐ馴染んで。その後、小学校に上がってからも子ども連れで日本に帰る時は必ず、日本の公立小学校に通っています」

 

日本に滞在中は、日本語の会話力がグンと伸びるんだそう。 「祖父母との会話も、テレビをつけても、学校でもぜんぶ日本語漬けだから、効果テキメンです。あと、ママの私が話しかけると英語で返事をしたりするんですが、日本語しか通じない環境だと、自ずと話すようになりました。でもね、ハワイに帰ると使用頻度が減るので、しばらく経つと忘れてしまう、それの繰り返しなんですよね(笑)」

 

それでも日本で友達もできて、ケンくんは小学校から帰ってくると「ただいま!」とランドセルを置いてすぐ、友達と遊びに行ってしまうほどエンジョイしているという。

 

「宿題をしている時は、「あー間違えちゃった」とか、「あれーダメダメ」なんて日本語でブツブツ言いながら勉強しています」

 

レインボー学園のドリル

 

 

 

妹のニナの方が、日本語の上達が早かったけど……

ニナちゃんが生まれてからしばらく、サトエさんは仕事をしていなかった。 「ケンの時より娘と二人でいる時間がずっと長かったから、私の日本語に触れる機会も多かった。なのでニナの方が幼少期は日本語を上手く話していました。でもローカルの学校に通うようになったら、だんだん日本語を話さなくなっちゃって。私が言っていることはわかっているけど、日本語を使おうとしないんです。それでケンが年長でレインボー学園の幼稚部に入学した時、ニナも年少の組に入りました」

 

レインボー学園は、ホノルルにある補習授業校だ。入学は面接とテストを受けた合格者で、幼稚部から小学部、中学部まで600名以上の生徒が在籍。毎週土曜日に国語・算数(数学)・社会の授業を行っている。また、運動会やひな祭り、七夕などの行事を通して、日本文化を体験することができる。

 

ノースからだと、送り迎えも大変でしょう。 「毎週土曜日の朝7時前には出発です。一緒に通う6人の子どもをバンで送迎しています。親たちは交代で送迎するので、私は月に1回か2回の担当です」  ローカルの学校とレインボーの両立は今のところ順調。 「レインボーの授業はベテランの先生が上手に教えてくれます。ただ宿題が多いので、子どもも私も大変です(笑)。お兄ちゃんのケンは1週間分の宿題プランを考えるよう指導してもらって、今日は漢字のドリル、明日は算数などと計画を立てていますが、ニナはまだ無理。私がつきっきりで宿題をしています」

 

1日30分、週5日ホームワークすれば良いよう、先生方が工夫している。 「いずれ日本に帰国して、日本の学校に編入する子にとってはそのくらいしっかり勉強させてもらった方がいいですよね」  ミドルスクールの通うようになったら、自主性を身につけて欲しいから、サトエさんはケン君に「レインボーの中学には進学したい?」と聞いてみた。 「行きたいかな、どうしようかなあ〜と、まだあまり実感がないようです」

 

ミドルスクールになると、生徒の自主性や個性を伸ばすカリキュラムが提供される。小学校との最も大きな違いは、授業が学級担任制から教科担任制に変わることだ。生徒が時間割に応じて自主的に教室を移動し、始業時間に席についていなければ遅刻とみなされる。“自己管理”トレーニングの始まりだ。 「ミドルスクールではクラブ活動なども出てくるので、毎週土曜日にレインボーの時間を確保できるのか……、ケンがどんな中学生活を送りたいか、これから1年をかけて様子を見るつもりです。日本のことや日本語をもっと知りたいと欲が出てきたら、バイリンガルになれるようサポートするつもりですが、今のところ、本人の“やる気”待ちですね!」(取材・文 奥山夏実)

 

写真向かって左から3人目がケンくん、右から2人目がニナちゃん

 

 

(日刊サン 2019.03.15)


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