ハワイの教育コラム|カリスマ音楽教師リネー先生の人生が決まる!? 大切な幼児教育 vol.15

 09/06/2019

ストリートからカーネギーホールへの道 by Shige

 

2011年の冬、日本からNYに渡った私は、地下鉄の駅で歌う生活をしていました。「42nd St Times Square」駅が好きで毎日のように通って歌っていたある日のこと、生涯忘れないだろう出来事がありました。

 

その日は、少しのんびりとお昼過ぎから歌い始めました。 歌い始めると同時に、かわいい黒人の3兄弟が話しかけて来て、ギターを少し教えたりしながら、ワイワイとストリートパフォーマンスを楽しんでいました。

 

そんな和やかな、なんだかいい雰囲気で始まった日でしたが、1時間くらい歌った頃、「はいどうも~、ここで音楽しちゃダメ!さっさと移動しなさい」と2名の警官が現れました。「Yes!!」と言いつつも当時日本から来たばかりの私は、完全に警察を甘く見ていました。彼らがいなくなり、少し経ってからまたシレーっと演奏を始めてしまいました。

 

イースターも近い週末とあって、オーディエンスも気前が良く、たくさんチップが入っていました。短い時間で沢山稼げたので、さてそろそろ最後の曲にしよう、と演奏を始めた時、先ほどの警官が戻ってきたのです!「しまった!!」そう思った時にはもう手遅れ、逃げ場はありません。

 

Police:「パスポートみせて」 私:「家にあります」 Police:「今から逮捕します」 私:「はいはい!!逮捕ね!!OK!!あれ…、え!?ええ!!??タ、、タタタイホ!!!!????」 ビックリしすぎて頭がパニック。

 

今までのNY生活が走馬灯の様に蘇りました。短かったけれど素晴らしい日々、楽しかったなーもう強制送還か。悲しい感情よりも日本に帰って何をしようかな??と、そんなことをもう心配し始めていました。田舎に土地でも買ってのんびり暮らそうか。

 

すると、さっきまで音楽を聴いてくれていた2人の若いお姉さんが「ちょっと!!なんでそんな事するのよ!凄い感じ悪いわねあんた達!彼は歌っているだけよ!」と警官に食ってかかり始めるじゃありませんか!!なんてかっこいい。すると警官も「俺たちだって、やりたくてやっているんじゃない!!」なぜか私は“二人とも私の為に喧嘩は止めてーー!”と言う気持ちでした笑。

 

それから色々と質問され、結局最後には「今日は金曜日だし捕まりたくないだろ?早く帰って」ということになりました。心の底から、嬉しかったです。恐怖の強制送還なし!!しかしNYの警察は怖かったし、かなり落ち込みました。

 

「いいんだよ、いいんだよ…、どうせおれなんて」ブツブツ言いながら、しょぼしょぼと後片付けを始めました。 とその時、さっきのお姉さんが周りの人たちからお金を集めて「元気出してね!素敵な音楽をありがとう」とチップを渡してくれたのです。あまりの優しさに、またまた呆然としてしまいました。

 

「一度注意されたら、場所を変えれば大丈夫だから」と去り際に意味不明のルールを警官が言っていたけど、来週からまたここに来る度胸があるのか。自分の根性が試された気持ちでした。 NYへ渡ったときに、心に決めたのは後悔のない人生を送ること。その初心を思い出し僕はギターを抱えその次の週も、またその次の週も地下鉄の駅で歌ったのでした。つづく。

 

 

(文=中野成将)

 

 


Renee’s Music Studio

ドンキホーテそばのハワイの音楽教室。リトミック教室から音大受験コースまで幅広いコースが選択可能。日本語・英語どちらでも対応。ピアノ、ウクレレ、ドラム、ギター、歌など趣味で音楽を嗜みたい人もウエルカム。トライアルレッスンも可。


 

 

 

(日刊サン 2019.09.06


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