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デジタル版・新聞

インタビュー

株式会社山豊社長 山本千曲さん

よそにはない商品作り

ささやかな感動が与えられるような商品作りをしていきたいと思っています。そういう商品がよそにはないものって言うんでし ょうね。まずは商品に手間をかけることを惜しまないことでしょうか。漬物を作る工程は1年掛かりですからね。

 

まずは広島菜を育てるのに半年、そしてそれを半年かけて熟成させるんです。じっくり時間をかけて熟成させたお漬物を粗末に扱うことは出来ませんからね。そうやって時間をかけて作ったお漬物を、人の手でひとつづつ加工していきます。

 

機械で大量生産できないかとも思ったのですが、それは絶対に無理でした。大置生産して儲けようって言うのではなく、山豊らしさを出していこうと思ったら、今のように一つ一つ手で作るというかたちになりました。それと同時に、昔ながらの漬物を守り継続して、次の世代に広めていくのも我々の仕事だとおもっています。

 

 

会社の経営理念は?

父の代から感謝と謙虚の心です。私の代になってからアレンジはしましたが、基本理念は昔から変わっていません。感謝というのは、まずはお客様への感謝、生産者への感謝、そして原料広島菜への感謝です。

 

謙虚というのは、立派な賞をいただいたからもうこれでいいんだ、うちはすごいんだって言うことではなくて、謙虚な心と真摯な態度で物作りをしていくことだと思っています。後は、従業員のみんなを大切にすることだと思います。

 

今から20年位前に工場の移転の話があったのですが、水を変えたくなかったことと、熟練した社員を手放したくなかったこともあり、結局すぐ近くに移動しました。古くからのものには歴史と伝統というもがありますからね、でもそういったものにあぐらを組むことなく、常に新たなものにもチャレンジしていく精神も大切だと思 っています。

 

多くの老舗企業さんたちも、常に革新してきたからこそ今でも続いているんだと思います。これでいいって思った地点で終わりじゃないでしょうか。それから地域に貢献することも大切だと思っています。地域にあてにされるような関係になり、その地域になくてはならない会社になるのが目標です。

 

 

食卓に毎日お漬物を

若いころはあまり漬物は食べませんでしたね。30代後半くらいから40代にかけて漬物が食べたくなって来ました。今では毎日漬物を食べています。多くの日本人がそうなんじゃないでしょうか、ですからおかげさまでわれわれの業界も成り立っていくんです。

 

そうは言っても韓国ですら、若者のキムチ離れが進んでいるって聞きますから、食べ物の多様化がそうさせているんじゃないでしょうか。地域貢献の一環として、毎年5~600人くらいの小学校3年生の見学者が来るのですが、漬物を食べられない、又は食べたことのない子供たちがたくさんいるのには驚かされます。若い世代の方が漬物を食べて育っていないと、家庭を持ったときに家で漬物を食べないんでしょうね。

 

子供たちが工場を見学した後に漬物の試食をしてもらうのですが、今まで漬物を食べたことのなかった子供たちが、「食べられた」「美味しかった」と言ってくれるんです。今までに漬物を食べる機会が少なかったんでしょうし、本当に美味しい漬物を食べたことがなかったんでしょうね。

 

昔は日本でも各家庭でお漬物をつけていましたが、今では家庭で漬けているところは少ないんじゃないんでしょうか。昔はお漬物を樽で購入する家庭があったんですが、最近では行政からの指導やお客様の目も厳しくなってきていて、賞味期限をつけなければならないので、一般家庭の樽での購入は激減しました。

 

お漬物が古くなって食べられないってことはないし、年配の方は古漬けの方がおいしいっていう方もいるんですがね、売る側としては行政からの指導をきちんと守らなければなりませんからね。ただ、広島菜は白菜より繊維が強いので冷凍保存が出来ます。大量に購入しても冷凍していただいて自然解凍していただければいつでも食べることが出来ます。

 

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