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デジタル版・新聞

インタビュー

未来へ羽ばたく若者たち<子どもを教え、育てることが生きがいです>

高島はるかさん 29歳  カピオラニ・コミュニティ・カレッジ  専攻:リベラル・アーツ

(2014年6月)

 

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子どもを教え、育てることが生きがいです

現在、カピオラニ・コミュニティ・カレッジ(KCC)で教育について学んでいる高島はるかさん。彼女は日本で大学を卒業した後、4年間教員をしていました。「教職以外の世界を知りたい」という思いから、一大決心をして教員を辞めてハワイに来たのが2011年。1年間日本語ツアーガイドの仕事をして思ったことは「自分が本当にやりたいことは教職だ」ということでした。一旦帰国をして貯金を作り、2013年にハワイへ留学。「目標は教育。ブレません」と言う彼女は、何を学び、何を目標としているのかをインタビューしました。

 

(インタビュアー:大沢陽子)

 

日本の特別支援学級の 教育制度を整えたい

今、私はKCCで特殊教育と小学校教育を学んでいます。日本では大学卒業後に中学校で2年間特別支援学級の補助をしていたこともあり、特に特殊教育の勉強をしていきたいと思っています。  

 

私の兄は障害を持っていて、小さい頃から母は施設などでボランティアをしていました。いつも母に付いて行っていたので、私にとっ てハンディキャップの子どもたちと一緒に過ごし、彼らをサポートすることは自然なことでした。  

 

中学校の特別支援学級で働いていたときに、日本の障害児教育は遅れていて、アメリカの教育制度は進んでいるという話を聞き、そ れならアメリカで勉強して、いつ か日本の特別支援学級の教育制度を整えたいと思うようになりました。

 

実際にハワイの教育現場の先生方と話をしてみて感じるのは、日本とアメリカの教育制度に大きな違いがあるということです。日本は特別支援学級などのように特別な環境を作って教育をするのが基本ですが、アメリカでは特別支援学級が普通学級に含まれています。全員が同じ教室にいて、必要なときだけクラスから抜けてスペシャルエデュケーションを受けて、 またクラスへ戻るというシステムです。このシステムでは、少しでも何かができないとすぐにスペシャルエデュケーションへ、と言われてしまうことが問題とされていることを知りました。

 

小学校教育でも大きな違いがあるんです。教育現場を見たいと思い、マノア・エレメンタリー・スクールでボランティアとして1年生の学級で先生のサポートをしているのですが、日本の小学校とまったく違います。机とイスがあるのに、生徒を床に座らせて授業をしていたり、休み時間にはおやつを食べ たり。日本では考えられないことばかりで、興味深いです。

 

日本とアメリカ、どちらがより良い教育システムなのかはまだわかりませんが、それぞれ良い点と悪い点があると思うんです。こうした日本との違いを比較できるのも勉強になっています。

@PIXTA

 

教職の魅力はいつか必ず結果が出るということ

日本で大学を卒業して、中学校で特別支援学級の補助をしたあとに、東京にある上野学園という高校の採用試験に受かって、初年度から高校1年生のクラスを担任していました。そのクラスの中で、何 に対しても無気力の女子生徒がいました。家庭の事情もあったのですが、彼女は朝ごはんを食べないで学校に来て毎日お菓子を食べていました。注意をしても聞かない ので「部活をやりなさい」と言っ て、私が担当していたバトン部に入れたんです。私は大学時代にチアリーディング部で活動をしていたこともあり、この高校でバトン部を任されてチアリーディングを教えていたので、この生徒をバトン部に入れれば授業以外の時間も面倒を見られると思ったからです。 彼女は入部した当初は嫌がっていましたが、すごく頑張るようになり、周りに教えるようにまでなっていきました。そして1年後には「将来は体育の先生になりたい」と言ったんです。そのとき、先生をしていて本当によかった! と思いました。

 

教職というのはすぐに成果が出ない仕事で大変ですが、必ずいつかは結果が出るんです。私にとって人に教えること、子どもを育て ることが生きがいです。花が咲くところは見えないかもしれないけれど、ベースを作ってあげたい。この先も目標は教育。これはブレません。

 

来年はハワイ大学に進学してスペシャルエデュケーションを集中的に学ぶ予定です。目標は、アメリカと日本の教育制度の良いところを混ぜて、日本の教育をより良く していくことです。教育は「これが 正しい」と断定することは難しいと 思うんです。1人1人の子どもがそれぞれのペースで学び、成長して いくことが重要だと思っています。 子どもたちがのびのびと学べる環 境を作れたらいいなと考えていま す。そのために、自分自身がアメリカの教育制度の中で学びながら、 日本とアメリカそれぞれの長所と短所を冷静に比較できる視野を養っていきたいと思っています。

 

(日刊サン 2014.6.7)

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