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デジタル版・新聞

インタビュー

振付師/舞台芸術演出家/ ダンサー  Keiko Fujiiさん

 

スタジオK及びケイコフジイダンスカンパニーの主催者。振付師・舞台芸術 演出家・ダンサーとしてのみならず、ダンスインストラクターとしても国内及び、米国内、主にニューヨーク・ハワイ・ロスアンゼルス・シカゴなどで振付師、 ダンサーとして公演活動を繰り広げている。17年前の阪神、淡路大震災の被災者でもありながら、チャリティーダンス公演屯eing」を主催し、全収益金を 被災地に寄付する。昨年の10月、東日本大震災の第一回チャリティーダンス公演 屯eing II」 を開催し、 全ての収益金を被災地へ送る。そして今年l l 月18日、日本領事館、日米協会、ハワイシアター後援にによる、東日本大震災チ ャリティーコンサート「Being II ーハワイスタイル」がハワイシアターで開催さ れ、プロデューサー及びケイコフジイダンスカンバニーの振付師兼ダンサーとして参加する。

ライター :ケイコ ・ ジョンソン

 

 

ダンスは自分自身 

舞台を通してメッセージを送ることが私の使命

 

 

ハワイでプロになることを決意

私の母が日本舞踊の花柳流の名取で、 年にー、二回舞台をしたりして、自宅で日本 舞踊を教えていました。私が3オの時に、他の生徒さんたちと一緒に稽古場に正座をして、9時間近く他の生徒さんのお稽古を見ていなきゃいけなかったんです。

 

でもまだ私は3才で、しっかり座っていられなくて、 「動いちゃダメ」って言われ、毎日毎日しかられてばかりいたんです。お稽古の時は浴衣を着ていたんですが、座っていてもクネク ネ動いてしまうものですから、帯のところにかまぼこの板を入れられたりもしました。

 

毎日しかられていたものですから、お稽古イコールしかられるという反射的な感情がありまして、それがどんどん日本舞踊が嫌って言う気持ちに移っていたんですね。たぶん日本舞踊自体は好きだったんですが、しかられるのが嫌だったんでしょうね。

 

そのうち母がもうだめだと思ったらしく、私に見切りをつけまして、でも踊ることが好きだということは分かっていて何かさせたかったようで、4歳の時にモダンバレエの教室に連れて行かれました。 モダンバレエの教室に行った私は、広いレッスン場で一人で飛び跳ねて、まるで水を得た魚のような心境でした。開放感と幸福感に満たされて、とっても嬉しかったことを良く覚えています。

 

そのまま中学になるまで、そこでモダンバレエをしていました。その後ダンス仲間と一緒に他のお稽古を色々さがして、モダンダンスのレッスンを受け始めました。中学3年生の時に、マーサグ ラハムのワークショップに行ったのがきっかけで、モダンダンスを追及していき始め ました。

 

そのころ見た映画“ウェストサイドストーリー”にも大きく影響され、ジャズダンスも始めました。とにかくダンスを作るのが好きで、小学 校の5年生のころから振り付けをはじめて、知り合いのダンススクールの発表会など、チャンスがあれば披露させてもらっていました。

 

今考えると生意気な子供だったんですよね(笑)でもそのころはプロになる気持ちはなかったんです。ただお稽古をして、振 り付けしたりして、どこかでそれを披露していただけでした。 そのままずっとダンスは続けていたんですが、大学は教育学部で、その後、公立の 学校で先生をしていた時代がありました。

 

実は私、熱血教師だったんですよ。徹夜で指導案を練ったりもしていました。今でもそのころの生徒が、ダンス教室に自分の子供を連れてきたりして、先生って呼ばれるんです。2年半ほど学校の先生をしたのですが、小学校の6年生を担当した年でした。

 

卒業式をすますと他の学年の先生より早く休みがもらえたんですね、それで前から行きたかったハワイ旅行に一人で行ったんです。4泊 6日のツアーだったのですが、初日はワイキキのビーチに行って楽しんだんですが、2日目には体がなまってしまったので、ホテルのフロントでダンススクールがないか聞いて、ジョ一ンズ・ルデインダンス センターにレッスンを受けに行ったんです。

 

そこでモダンダンスの上級クラスを受けたのですが、それにはまっちゃいましてね、もうビーチには行かず、毎日ダンススクールに通ってました。でもすぐに帰らなきゃいけなくって、アメリカンモダンダンスのパイオ ニアの一人であるBetty Jones師に、 「仕事があるから日本に帰らなきゃいけないけど、またすぐに戻って来たい」って言ったら、そのダンススクールには留学制度が あって、プロのダンサーも要請していると言われました。

 

予定では、日本に帰ったら、次は小学校の1年生を担当することになっていたんですが、今から何年か教師の仕事を続けた後 に、時間を見つけて留学が出来るのか?今 しなくていつす るのか?って自分の中で色々考えたうえで、学校や教育委員会に事 情を税明して、退職させていただきました。その後すぐに留学の手続きをして、ハワイ に戻ってきました。

 

 

舞台を続けられることに日々感謝

ハワイのジョーンズ・ルディンダンスセンターのクラスで、最も興味があったのは、身体組織学の勉強ができることでした。その頃身体組織学のクラスがあるのは、ジュリアードしかなく、そのジュリアードで教えている先生がジョーンズ・ルディンダンスセンターでも教えていたんです。

 

ダンスって言うのは普通の動きではないですからね。普段とは違う動きをしますから、体の筋肉をいかに合理的に使えるか、どの筋肉を使うのが身体に親切なのかを知ることが、ダンサーになるためには大切なんです。それにダンスを人に教える時は人の身体を動かすので責任がありますからね。

 

たとえば、基本エクササイズでひざを曲げるプリエという動きがあります。脚をターンアウトする時に、股関節を外側に回すのですが、股関節がどこにあるかというのをちゃんと分かってないと、自分でも出来ないですし、人に教えられないですからね。

 

そういうことを知らなくつて、つま先ばかりを外側に向けてしまう人もいるんですが、そのまま続けてしまうと、故障の原因になってしまうんです。 そういった身体に関しての基礎知識をし っかり勉強したかったということが、留学を決意した大きな理由の一つでした。

 

ハワイではそのままl年半ほどダンスの勉強をし、その間に米国で年に一回開催さ れる最も大規模なアメリカンダンスフェス ティバルでホセ・リモンのレパートリ一を披露させていただきました。その後日本に帰 国し、大阪で 「スタジオK」というダンスス夕 ジオを設立しました。

 

そのころちょうどジャ ズダンスがはやっていた時で、ジャズダンス ブームのおかげで、ダンススタジオの経営が早く軌道に乗ったんだと思います。 初めのころは、ジャズダンス、モダンダン ス、モダンバレエを基本にスタジオのカリキュラムを組み、ダンスの指導に当たっていました。おかげさまで、それから28年続いています。

 

自分ではそんなに続くとは思っていませんでしたが、今では大勢の講師と共に、たくさんのカリキュラムを行っています。スタジオKとほとんど同時期に設立した、ケイコフジイダンスカンパニーという、 プロレベルの舞台を作るためのダンスチー ムがあるのですが、カリキュラムの空き時 間は、このカンパニーのリハーサルを行ったりもしています。

 

スタジオKを設立してからは、毎日が大変なことの連続でしたが、毎日が感謝の日々で もありました。毎回 の舞台のたびに大変で、最後に緞帳が下りるまでは何が起こるかわからないんです。ステージの前にダン サーのアキレス腱が切れてしまい、徹夜で代役を仕込んで舞台 に立たせたこともありました。

 

海外公演でダンサーが病気になってしまったこともあったりで、限られた時間の中でやらなければならないことがた<さんあっで過去のハプニングを話し始めたら、きっと明日の朝になってしまうくらいいっばいあります(笑)そんなことがあっても、今まで舞台を続けさせていただいていることに感謝しています。

 

中でも嬉しいのは、生徒が育っていってくれることですね。今回一緒に 「Being II­ハワイスタイル」に出演した29歳のダンサ ーがいるんですが、彼女は中学1年生の時 から、スタジオkに通い始めました。最初は右も左も分からないような子で、私より身長も小さかったのに、今では身長も抜かれて、まだまだではあるけれども、いい踊りをするようになってきたんですよ。

 

まるで親のようなんですが、成長しているのを見ると嬉しくなりますね。その分自分が年をとってるのも実感するんですけれどもね(笑)そんな生徒たちからは、鬼といわれています。徹底的にしごきますからね。それでも生徒たちは辞めないんですよね、ダンスの好きな人だけが集まつて来ていて、純粋に踊りがしたいって人だけが残っていくんです。

 

今回の「Being IIーハワイスタイル」に出演するのも、ケイコフジイダンスカンパニ一 のメンバーの中から8名のダンサーが私と 一緒にパフォーマンスを行いました。

 

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