日刊サンWEB|ニュース・求人・不動産・美容・健康・教育まで、ハワイで役立つ最新情報がいつでも読めます

ハワイに住む人の情報源といえば日刊サン。ハワイで暮らす方に役立つ情報が満載の情報サイト。ニュース、求人・仕事探し、住まい、子どもの教育、毎日の行事・イベント、美容・健康、車、終活のことまで幅広く網羅しています。

デジタル版・新聞

インタビュー

医師 日高恒彦さん

日高さんは鹿児島市で25年間に渡り病院を経営してきましたが、病気を期に引退を決意し、第二の人生をフィリピンやハワイなど南の国で有意義に過こしています。物価の安い東南アジアで長期滞在することは、介護問題の解決法になり得ると日高さんは考え現地での受け皿作りにも取り組み、ポランティア活動にも携わっています。リタイア後の生活はフィリピンとハワイでどちらが過こしやすいでしょうかが南国暮らしの会」についても詳しくお話しを伺いました。

ライター :相原光

 

 

人間としての豊かさの指標は収入ではないと肌で感じる

 

 

のんびりボランティアをしながらの東南アジア長期滞在

僕は鹿児島生まれの鹿児島育ち、大学も鹿児島大学で、33歳で整形外科医として病院を開業しました。ずっと医師としてや ってきたのですが、57歳の時に心筋梗塞になり 「ああ、これは仕事を辞め時だ」と思 ぃ、思い切ってリタイアしました。

 

僕は独身なので、家庭がないのですっぱり辞められたんです。普通はね、家族のために仕事を続ける人が多いんですよ。辞めたくても辞められないというのが実情なんです。僕の場合はそういうしがらみがなかったので辞めることができました。

 

辞めるには病院を売却する方法があると聞きまして、たまたま上手く売却先が見つかりましでそれですっぱり辞められたということです。そして 「辞めてどうするか?」となった時に、まだ老後というわけでもないので、世界を旅して回ろうかと思いあちこち行ってみました。

 

短期旅行はあまり面白くないので長期滞在を考えたところ、僕の友人で海外に長期滞在をしている人は東南アジアが多いんです。長期滞在といっても言葉が通じないと面白くない。英語圏となると限られてきて、東南アジアではフィリピンしかないんですね。

 

タイやマレーシアは言葉が分からないのでなかなか友達も作りにくい。たまたまフィリピンのミンダナオ島のダバオで老人ホームを経営している友人がいましてね、手伝いをすることになりました。 手伝いといっても、医療行為は国が違うとできませんから、主にコンサルティングですね。

 

フィリピンに滞在している日本人の 相談です。お金がなくて病院に行けない人や世話をしてくれる人がいない人がたくさんいますからね。 ダバオというのはフィリピン第二の都市で、日本からの移民が多い街なんですよ。マ 二ラ麻やココナツオイル(コプラ)などのプ ランテーションがありましたから。

 

1910年代の日本は新天地を求めて色んな国に出ていってますよね、フィリピンもそのひとっ です。ダバオには最盛期は日本人が2万人以上いて、日本人街もありました。今は日本人は1000人くらいしかいませんが名残はありますよ。対日感情は非常に良いです。

 

僕は1~2ヶ月の滞在を年に3回位しています。一年の半分くらいはダバオにいますね。もうその生活を4年くらい続けているんじゃないかな。観光ビザは3週間ですが、お金を払えばいくらでも延長できます。延長、延長で1年くらいは滞在できると思います。ハワイは年間2ヶ月くらいで、残りは日本にいますが、日本にいてもリタイアしているのでやることがない(笑)。

 

まわりは皆仕事をしてますからね。 ボランティアといってもいろんなやり方があると思いますが、僕の場合は大げさではなく楽しみながら長続きするようにという形です。身を削ってというわけではないですよ。 フィリピンでの生活は、隣近所みんな英語を話しますのでコミュニケーションがとれて楽しいです。

 

国全体は貧困層が多いですけれどね。世界の基準ですと、1日2ドルの生活を 「貧困」というそうですから、フ ィリピンの場合人口の50%が貧困層かもしれませんね。もちろん冨裕屈もた<さんいます。人口約 1億人として、半分の5000万人が貧困層だとしても、2000万人くらいは富裕層がいるわけですから、全員が貧困層というわけではない。

 

でもね、「幸せ度」というのは収入だけで決まるわけではない。フィリピンにいると 「貧困だからといって不幸とは限らない」ということを実感しますね。貧しいもの同士肩を寄せ合って、笑ったり楽しんだりしている。喜びも悲しみも分かち合ってね、楽しくやっていますよ。それを見ていると貧困だから不幸だとは思わない。人間としての豊かさの指標は収入ではない。そういうことを肌で感じます。

 

 

安全・快適・ダバオの生活

 

僕がたまたま今借りているところはプー ル付きのコンドミニアムで2ベッドで月6万円です。月1万円でメイドを雇えます。掃除・洗濯・食事と全部やってくれますが、僕は実際には通いのメイドを雇っています。日本並みの日常生活をしようとするとそれなりのお金がかかりますが、フィリピンのレベルの生活でしたら日本の5分の1くらいの生活費ですみます。

 

富裕層と貧困層の生活はだいぶ違いますが。 食事も作ってくれますが、日本人の味覚にあまり合わないので、僕は自分で作ったりしています。日本の食材は売っていますから、自分でこ飯を炊いて作る分には全然困らない。

 

昔はスペインの統治でしたからヨーロッパ系の人もたくさんいますし、中国・韓国系もたくさんいます。アメリカ人も多いし、ハワイと同じような感じですね。僕の住んでいるコンドミニアムの住人は外国人が多いです。

 

フィリピンの良さは日本から近いこと。言葉が通じること。キリスト教国なので安心 感もある。東南アジアはキリスト教国って案外少ないんですよ。タイは仏教国、マレ一シ アやインドネシアはイスラム教、インドは ヒ ンズ一教ですからね。

 

フィリピンも元々は イ スラム教国だったのですが、 1500年代にスペインが入ってきてからキリスト教国家に変わったんです。1800年代後半から ア メリカの統治が続いたのでアメリカの影響も強い。小学校から学校は英語ですし、英語は公用語にもなっています。

 

アメリ力 やヨーロッパに留学するよりも安いので、最近は韓国や中国から英語の勉強に来る人が増えているんですよ。それから、僕は飲み屋なんかにも行きますが、フィリピンでは1度もボラれたことはない です。もちろんどこの国も泥棒はいますよ。

 

貧困国の特徴として、貧しい故に人のものを盗む人はいると思います。食べ物を買うお金がなければ人のものを取りますからね。そういう人もいるけれど、一般的にいってフィリピンではそういうことは少ないと思います。

 

マ ニラなど治安が悪いところもたくさんありますが、僕は治安の良いところを選んでいます。ダバオは非常に治安の良いところで、なぜかというとダバオ市のドテルテ市長は非常にユニ一クな方で、ニックネームは 「ダーティ ・ ハリー」。拳銃を両脇にさして、街中をハーレーダビッドソンで走りまわ っているんです。

 

▲ ダパオ現副市長Rodrigo Duterte氏

 

専用の暗殺部隊を持っていて、悪い奴はパンパン殺していく。特に麻薬関連には厳しくて、誰も気づかないうちに死んでいると言われています。人気が高くて、選挙の支持率は80パ一セントもあるんですよ。けっこう有名な人で、色んな所で報道されています。ドテルテ氏が市長にな ってから非常に治安が良くなりました。

 

ダバオの気候は、4·5月が一番暑い。暑いといっても35度くらいです。でも海洋性気候なので、夜は24度くらいに下がります。夜はエアコンがいらないくらいです。ま ぁ、熱帯だから高温多湿ですよ。ただ、熱帯の中では比較的過ごしやすい。夕方のスコ ールは年間を通して多いです。

 

返信する

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Social media & sharing icons powered by UltimatelySocial
Twitter
Visit Us
Instagram