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デジタル版・新聞

インタビュー

公益財団法人天風会 評議員/教務主任  南方哲也さん|天風会理事/東京賛助会副代表 村里泰由さん

人間は宇宙例の一部である

天風哲学とは何でしょう。

世間の人々は、人間は身体であると考え、死んで身体がなくなれば、すべてがお終いだと考えます。 天風哲学は、人間というのは霊魂だから、霊魂がこの世で生きるために心と身体を使っていると考えます。霊魂は不滅です から、滅びることがないのです。霊魂は神の一部です。

 

天風会では神のことを宇宙霊といっていますが、神が宇宙を進化向上させるために人間の霊魂にそれを行わせているのです。いつも進化し向上しようと努力を続けていれば、神の意向にあっているわけですから、そうい う人間が幸せに生きられるようにつくられて いる。

 

消極観念とか、逆のことをやっている人 達は、神から抹消されていくという哲学が根本にあるんです。この神、すなわち宇宙霊は、造物主といわれ、宇宙をつくったもとなので す。人が死んだときは、霊魂はもともと宇宙霊一部ですから、滅びることはありません。

 

とても宗教的に響きますが。

天風の教義は実践哲学であって、この世の生き方を科学的に税く教えなのです。で も、宗教ではないのです。 宗教になるとあまりよくないのです。日本の宗教の多くは金儲けです。西洋の宗教の多くは支配欲ですよ。だから、天風会は宗教 法人ではなく、財団法人にしてある。

 

宗教よ りも深いものをもっています。そのために金をとったり、お祈りしなさいということは一切ないのです。自分で無我の境地になることによって宇宙霊、神と一体化するのです。

 

どういう意昧でしょう?

真善美すなわち、愛と誠と調和の心をも って生活することです。そして、いつも感謝と歓喜の気持で生きます。こういう状態になった時は、人は神と一体化しています。

 

ところがお金が欲しい、おいしいものを食べたい、いい女性、あるいはいい男性と付き合いたい、お酒を飲みたいなどという 欲望を持っているとき、もっと悪いのは消極的な考え方、怒りとか、恐れ、哀しみ、嫉妬、復讐心とか、そういう心を持っているときは神から離れているのですから、宇宙霊の力は入って来ない。だから病気になったり、運命が悪くなるのです。

 

そういうふうに物質界は作られているんですね。 それを知らないものだから、みんな悩み、苦しみ、自分で不幸を招いている。病気になるもとは消極的な考えですね。病気になると心配するけれど、心配するというのは消極的な考え方だから、さらに悪くしている。

 

だから病気になった時は、神は自分の生き方が間違っているという警告を下さったのだと思って感謝しないといけない。 そして、どこが間違っていたかなと思って謙虚に修正すればいいのです。

 

運命でもそ うです。悪いことがあったら、会社が倒産したら、これは自分が経営を間違ったという 警告だととらえて、有り難いと思わないといけない。そこから立ち直るんですよ。そこで 「どうして神はこんなことをするんだ」と恨み出したら、終わりですよ。

 

 

 

ハワイの人に元気で幸せになる方法を学んでほしい

ハ ワイ島での活動はどうされているの ですか。

ハ ワイ島では、毎朝、天風体操をしています。別に普及活動をしていたわけではないのですが、毎朝、家で体操をしていたら、自然に一人、二人と集まって来られまして。今は毎朝7時から、サッカー ・グラウンドに10人ぐらいが集まって、40分ほど体操をしています。

 

私がハワイ島に毎年、夏と冬と2 カ月ずつ滞在しています。その間は日曜毎 に日曜行修会 (8-12時)をやっています。ホ ノルルの行修会はどういうきっかけで始められたのでしょう。 ホ ノルルの行修会は、天風会の尾身幸次理事長がハワイでの開催を希望したのが きっかけです。

 

もともと天風会では、中村天風先生の心身統ー法を将来は世界に広めたいと考えていたのです。昨年の9月に第1回の行修会を開催し、継続的にやってほしいとの声を頂いたので、今年も既に2回開催し、この次が4回目になります。 行修会では、すべての人が幸せになるた めの方法を具体的に学んでもらっていま す。

 

世界には幸せを追求するために様々な宗教や哲学がありますが、天風会の特徴は、お金を払ったり、お祈りをしたりしなくても、誰もが日常的に簡単に自分で実践で きることなのです。 毎回来られる方もおられますが、いつも基本から始めていますので、初めての方も気楽に参加することができます。

 

この行修会を通して、ハワイに住んでおられる少しでも多くの方に、幸せになるための 方法を学んでいただきたいと思っています。

 

 


 

公益財団法人 天風会理事/東京賛助会副代表
(一級建築士、元飯能市市議会議長、NPO西川森の市場設立)村里泰由さん 

 

命の豊かさを伝えたい

 

住宅づくりと政治活動、そしてNPO設立

生い立ちを教えて下さい。

昭和26年に、埼玉県の飯能で生まれました。川越高校を卒業後、東海大学の建築に進みまして、卒業後は3年ほど設計事務所に勤めていました。その後は、もともと父が材木を扱っていたので、そこに戻って、建築部 門を担当していました。

 

30才になった時に、経営を引き継ぐことにしましたので、実際には30オが経営者としての私のスタートです。 会社は今年で50周年ですが、 「設計と施行のできる工務店」という発想でやっていま す。当初はプレハブメーカーの下請けをやっていたのですが、今ではお客様のオーダーメードしかやりません。お客様に会えない仕事はしないというのが当社の方針です。

 

主に住宅を手がけておられるのですね。

木造住宅では、国交省から「日本の29社」に選ばれたり、福田総理の時の政策であった「200年住宅」にも応募して選ばれて、補助金をいただいたりしました。

 

純粋な木造住宅 ですが、一番特徴的なのは、埼玉県の地元の山の木を使って家を建てようという運動で す。お客様と一緒に山に行って、梱齢80年から100年ぐらいの木を選んでいただき、それを大黒柱にするという活動をしています。

 

もちろん、鉄筋コンクリートの家もいいのでしょうが、いのちで家を作りたいと、木というのはいのちですから、それに触れな がら生活するというのは、心豊かになれることなのです。木は、草が大きくなって堅くなったものです。畳は植物で、とても気持ちいいですね。その中にいるというのはとても幸せなんです。 もちろん耐震建築で、木造でも強いとい うことは、実証もできています。

 

市議会議員もされていたと伺いましたが。

42才の時から、市議会議員を3期務め ました。政治の世界というのは、どろどろしていて、あまり私には合わないと思ったの ですが、地域から推されて立候補したので す。3期終わって54才になったときに、そこは私の居場所ではないと思ってやめました。

 

当落は問題なかったのですが、いのちの時間を大切にしたいと思ったのです。 それからNPOを作り、その後、60才になる前に徒歩で日本縦断をやりました。それ が契機になって、番頭さんにビジネスを譲りました。半年も留守にするのに社長でいてはいけないと思ったのです。 そこで定款も変えて、実質的には彼が後継者としてやってくれています。私は午前中だけ行って、大きなことでは相談を受けま すけど、いちいち決裁はしません。

 

 

疑いから始まった天風会とのかかわり

天風会との出会いはどういうきっかけ ですか。

天風会との出会いは、35才の時です。当 時ノィローゼ気味で、自立神経失調症、今 でいうとパニック障害ですね。たまたま当社に飯能市の公害係が来まして、うちの焼却炉の煙が近所に迷惑をかけているらしいとのことで、寸法を測りに来たのです。床 面積が3平米以上は届け出をしなくちゃいけないのですが、それよりも小さいものを使っていたので、問題はなかったのです。

 

で も、迷惑をかけているのがとてもいやで、ふらっとし始めて、過呼吸でその後2年ぐらいおかしかったんです。 病院に行ってもわからなくて、あらゆる医者を回ったんですが、結局心を病んでいると言われました。

 

その頃、たまたま川越の人で天風会の誦句集を持っていらっしゃる 方がいて、その中に色々な言葉があって、これをみてびっくりした。書いた人は勘違いしていると思ったんです。どちらかというと疑念です。こういうことができるんだろうかと思い、ちよっと貸して下さいと言って、う ちでコピーして、それを手帳に貼り付けて、胸に入れて持っていました。

 

今から思うと、これが、中村天風の言霊(ことだま)で、そ の瞬間がご縁だったんでしょうね。

 

疑念があったけど気になった?

読んでみると宇宙霊などという言葉が出てくる。 「おかしいじゃないか」と思いながらも、どうも気になるので、天風会に電話してみました。場所を伺ったら護国寺だという んです。それでまた、「やっぱり宗教じゃないか、おかしい」と思ったんです。

 

天風会は護国寺を借りていたんですね。 それでもそこに出かけて、天風会の本を3冊購入して自宅に持ち帰って読み始めているうちに、まさに目からウロコだったんです。

 

それで天風会にかかわるようになられ たのですね。

そのときはまだ疑っていたんです。天風会は夏の修練会というのをやっているのですが、それで翌年、もう一回確認しようと思 って、神戸、関西地区、東京都の修練会に3つに続けて出てみたんですね。これは本物であると確信したのはその頃です。昭和61年、26年前です。

 

パニック発作はそれで治られたのですか。

パニック発作は、入ったらすぐに治ったわけではなかったですね。2年ぐらいかかったと思います。ある時、 「私は治るのではなく、変わっていくんだ、薄紙をはがすように、一枚一枚変わっていくんだ」と決めたんです。そ れを決めた瞬間から治り始めました。その時 には心が変わったのが、意識できました。

 

その後はずっと天風会に関わっておら れるのですね。

天風哲学は、普通は3年ぐらいで理論上はわかって、理解した人はそれでゴールになるんです。確証は、そこからスタートするんですけど。私も3年ぐらいたった時に、も うあまり頑張らないでいいかなと思った時 期があったのです。

 

ところがちょうどその頃に、輔導というのをやりなさいと、役目を頂いたんです。その後は主任輔導となって、 300人ぐらいの方々の夏のイベントの現場 リーダーを何年かやらせていただいて、そ の後は講師となりました。多分私はまだ足りないからもっとやってこらんというサインだったのだろうと思います。

 

どんな活動をされているのですか。

私は東京賛助会の副代表ですが、毎週日曜日に朝8時から日曜修練会というのをやっています。これには100名ちよっとが集まって、体操呼吸法、座禅を組んでリーダ ーのお話を伺ったりしています。また、東京 では毎月講習会もしています。ここは自力を教えるところですが、悩んでいる方は、40代から50代の男性が圧倒的に多いです。

 

天風会は、学びの場ではあるけど、理解す る場所ではないと思います。学歴の高い方 が多くて、質問も高度なんですけど、すぐに答えを欲しがる方が多い。でも、私たちは、とにかくやってみましょうと言うのです。

 

 

天風哲学を試すために徒歩で日本縦断を決行

日本縦断についてお聞かせ下さい。

一昨年の5月から11月まで、日本列島を 縦断しました。埼玉から青森、函館から宗谷岬。沖縄本島、鹿児島から門司、下関から山 陽道、近畿、そして東海道を帰ってきました。厳密にいうと九州が終わってから沖縄を歩きました。

 

沖縄で天風会の代表をしている人と約束していて、彼女は車椅子に乗っていたのですが、絶対に先生と歩きますというので、準備ができるのを待っていたのです。それで、門司まで終わってから沖縄まで行って一緒に歩きました。彼女は5000歩も歩きました。お互いに約束を守れて、よかったです。

 

きっかけは何だったのでしょう。

単純なきっかけは、私が市議会議員をしていた時に、石川文洋さんという写真家 が、北海道から沖縄まで歩くとおっしゃったのを聞いたことです。それが心に残って、いつの間にか60才になる前に、こういうことをやってみたいと思うようになったんで す。

 

もうひとつは、天風会の3つの密法を試したかったんです。具体的には、クンバハカという体勢で歩くこと、安定打座で歩く心持ち、それと活力吸収法の3つですね。そして、この日本を足だけで歩いたら、何を感じるだろうという思いもありました。

 

縦断を終えられて、どう感じられましたか

終わった時には、よかったなと思いました。147日かけて、3300キロ歩きましたが、着いた時には、すごい感動を覚えるわけで はなかった。歩くことが、もう生活になっていたんです。もう明日は歩かなくていいんだとは思ったけれど、感涙にむせぶということはありませんでした。楽しかったから。

 

それは修行としてされたのですか。

修行というよりも実験的な動機ですね。私は天風会の理論にも常にクエスチョンを持ち続けているから、そう言う意味でも宗教とは違います。苦行じゃないから、だめだと思ったこともありませんでした。雨がふって歩きたくないことはありましたけど。大体毎日25キロ歩いて泊まる。誦句を読みな がら歩いたんです。実はまだ足がしびれて います。

 

でも、全行程の4割ちよっとは、現地に誰かが応援に来てくれたんです。一緒に歩いたり、夜一緒に飲んだり。こっちも嬉しいですからね。だから楽しくて、つらいということはなかったですね。

 

 

本物の豊かさは何なのかを伝えたい

ハワイの行修会に来られたのは何度目?

実は、初めてなんです。ハワイはすごいところですね。この場所自体がエネルギ一を持っていて、気があるんでしょうね。それに、差別がないのが素晴らしい。昨日お会いした運転手の人からも、全く人種差別がないと聞きました。

 

日本は今大変ですね。

日本は今、試練を迎えています。震災後は政治も不安定で、明らかに過渡期なんで すけど、世界で一番はじめに、右肩下がり でも豊かになれる方法を模索しているのだと思います。日本は、それを通して学んだことを世界に発信するべきで、そういう国民 性を持っていると思うんです。

 

右肩下がりで豊かになれる?

豊かさとは何かというのは、それをどうつ かまえるかなのです。電気がなくちゃいけないのではなくて、不便でも豊かさにつながるということ。便利さは、必ずしも豊かさではない。気をどうつかまえるかなんです。生きている時間はほんの短い間です。3泊4日の旅行に来て、誰もけんかはしないですよ。

 

私たち は地球に観光に来ていると考えると、いずれは帰るんだから、地球にいる間はお互いに幸 せに過ごしたい。ここにいる間に、もっと豊か でわくわくするような時間を過ごすにはどう したらいいかを考えないといけない。お金じ ゃない何かがあるんだと思います。

 

ですから、これからどうしたらいいのかというのは、日本 が一番先に気付くんじゃないかと思います。大切なのは、この中で何を築くかなんです。

 

そのために何かされているのですか。

川上から川下まで、山を持っている人、伐採する人、工務店、市場、材木店や、設計士、工務店、これでNPOをつくったんです。地元の木で家を作る運動です。森の中にご案内して、この木で、家ができるんですよと説明 する。山の中にいると何故気持ちがいいかも説明する。それが豊かさにつながつていくんです。

 

今まだ模索中ですが、それを通して、皆さんに本物の豊かさは何なのかを伝えたいと思っています。それは天風会の教えとも一致しています。天風会の目的は、元気に幸せに生きるための方法を学ぶことです。極端にいうと、心を通わせることですから、世界平和なのです。ですから、天風会の教えを、海外にも広めたいと思っています。

 

 

(日刊サン 2012.12.22)

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