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デジタル版・新聞

インタビュー

【インタビュー輝く人】ソムリエ 田崎真也さん

世界の頂点に立っても、コンクールは通過点

ソムリエの世界コンクールで優勝しても、コンクールは仕事や人生の上でのプロセスなので、それが終わりではありません。 特に仕事の上ではそれをどう生かすかということです。2位と1位では、その後の仕事のポジションが全く違うので、それをどう利用するかということで、独立をしました。そして、自分のポジションを自分が客観的に見て、初めて日本人で優勝したソムリエを使うとしたらどういう使い道があるかを考えていろいろなことを始めました。

 

居酒屋やワインバーを経営したり、輸入業をしたり、ワインの販売や通信販売をしたり、輸入や物流、小売、ワインスクールの運営などワインに関わることをすべて行いました。そしてワイン雑誌を監修しました。その時一番やりたかったのは雑誌だったので、すべてのことはその情報収集のためでした。日本におけるワインにからむ情報を集めて、それを発信する媒体として雑誌を 監修するというイメー ジを立て、それを全部実現させていったんです。

 

それまでの雑誌は、フランスに行って、有名なワイナリーで社長の話を聞いたり、誰かにテイスティングをしてもらって、そのコメントを記載したりするものばかりでした。つまり既存の情報を話してもらい、まとめて別の形にして、直接聞けない人に提供する仲介的なものがほとんどでした。

 

そうではなくて、雑誌そのものが情報を作る、情報源になる、ということも雑誌の役割ではないかと思ったのです。そこで、日本におけるワインを通してのライフスタイルを雑誌で提案していこうと日本経済新聞社で 「田 崎真也のワインライフ」を出しました。

 

当時、雑誌という媒体でタイトルに個人名がつくことは他にありませんでした。フランス料理でのマナーやワインの楽し み方、赤ワインは肉料理で白ワインは魚料理というような、それ以前に雑誌が載せていた情報では日本にワインは定着しないと思いました。

 

日本の酒文化はフレンチからでもなく、料亭からでもなく、居酒屋という 特殊な業態から発信されているんです。居酒屋は他の国にはあまりない業態で、その 特殊な業態が日本の酒文化の底辺であり、頂点です。 自分が情報発信源となって、日本にワイ ンを楽しむものとして定着させるためには、居酒屋にいるソムリエのようなポジションになろうと思いました。

 

居酒屋を経営したり、ワインを置いている居酒屋を回って、雑誌で取り上げてみたり、居酒屋で食べているようなものとのワインの相性を考えてみたりしました。ワインのイメー ジをもっと崩して、お新香に合わせてワインを湯呑み茶碗に入れて飲むところから始めれば、日本にワインが定着するのではないかなどと考えたりしながら、この雑誌を3年半続けました。

 

 

仕事中がオフで休みがオン

私にとって、1日で考えると仕事中がオフで仕事が終わったらオン。年間を通しても仕事をしている時がオフで、バカンスがオンです。つまり、オンのためにいかに充電するかが大切で、充電を効率良くした方がオンを有意義に過ごせますよね。大容量を充電しておいた方がいっぱいオンに活躍できるので、そのためにはいい仕事を効率的にたくさんする必要があります。

 

1日の中で最も楽しい、幸せな瞬間は仕事の後のビール 1杯で、そのために仕事をしているんです。 サ ービス業の醍醐味は、嫌いそうなタイプの人に笑顔で接しなくてはいけないとこ ろです。一般的には仕事が関係なけ れば、そういうタイプの人がたまたま隣りにすわ っても話しませんよね。

 

サービス業はそのようなお客様に接する職業です。その時に大事なことは瞬間的に 「あ、この人感じ良さそうな人」とお客様に思っていただくこ と。そうでないと職業的に成り立たないんです。こちらが好きになることはどうでもいいことで、好きになっていただかなくてはいけない。

 

お客様に楽しんでいただいて、心地よくお金を払っていただくのが仕事です。何気なくいい感じだと思 っていただくためにはどうすればいいかを考えるのが難しいところであり、おもしろいところです。疲れますが、だからこそ仕事の後のビールが美味しいんです。お酒を楽しむには、メリハリをつけることが大切です。オンとオフをはっきりさせるこ とです。

 

仕事の後の1杯のお酒を楽しむために、それまでの時間はより自分を辛い状態に追い込んでいた方がメリハリがはっきりします。そのためにも一生懸命にやることです。ハワイの環境やシチュエーションに合わせた楽しみ方はいくらでも想像できるので、慣習に従わずに思いきり楽しめばいいんです。必ず楽しむ努力をした方がいいですよ。

 

例えばハワイで買えるキハダマグロの赤身があったら、すぐにポキにするのではなくて、どうすればもっと美味しく食べられるかを考える。楽しませる人はどうやったら楽しんでくれるかを常に考えてクリエイ卜することです。それを一緒に楽しむ人は、どうすれば楽しいということを表現できるかを考えるんです。全員がそういうことを考えて食卓につくといつも楽しくなりますよ。

 

食事時間は大切ですから、ぜひみなさんで心掛けてみてください。

 

 


田崎真也(たさきしんや)

1958年東京都渋谷区生まれ。19歳の時 にフランスに渡り、ワインスクールのソムリ 工科で就学。帰国後、1983年に25歳で 第3回全国ソムリエ最高技術賞コンクー ル優勝。1995年には第8回世界最優秀ソ ムリ工コンクールで日本人として初優勝す る。その後、日本ヘワインの楽しみ方を発 信すべく、株式会社サンティール代表取締 役会長、ワイン雑誌「ヴィノテーク」代表取 締役社長を務める。居酒屋やレストランな どを経営する他、チーズ&ワインスクール 田崎真也ワインサロン主宰。2010年11 月に国際ソムリエ協会の会長に就任する。

 

ソムリエ田崎真也オフィシャルサイト
http://www.tasaki-shinya.com/
円崎真也 facebookページ
http://www.facebook.com/shinya.tasaki.54/


 

 

 

(日刊サン 2013.07.13)

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