壮絶な命の花を見つめて

 08/03/2015

 

 

 

 

壮絶な命の花を見つめてきた雑誌「メッセンジャー」

僕はがんを克服した人に会いに行ったり、勇気をもらいながら、がんを克服してきたのです。そうした出会いから力をいっぱいもらったので、それをみなさんにも紹介していきたいと思い、雑誌『メッセンジャー』を創刊しました。始めた時は、自分はまだ元気じゃなかったので、自分のことは伝えられない。でも人のことは伝えられる。言葉にして、雑誌にして元気になった人のことを伝えていこう。そして雑誌をつくることで、さらに様々な人と出会い、みんなの生きる力をもらいながら自分も元気になっていきました。本当に多くの出会い、多くの命の輝きをこの「メッセンジャー」という雑誌は見つめてきたのです。そして、ホノルルマラソンを走った先にある景色をがんと闘う人たちに見せてあげたい。その想いが形となったが、2010年に立ち上げた「がんサバイバー ホノルルマラソンツアー」です。今年で5回目となるこのツアーもサポーターも含めて250人が走り、様々な出会いを生み出してくれました。

 

2010年がんサバイバーホノルルマラソンw

 

「死ぬ支度をしていたけど、今日、もう一回生きたいと思った」

中でも特に印象的だったのは、乳がんでの闘病中に膵臓がんが発覚したという65歳の女性との出会いです。乳がんとの長い闘病生活。抗がん剤の投与など辛い治療に耐え、やっとこれからと思っていた矢先に膵臓がんで余命3ヶ月と宣告されてしまった。その方の娘さんは遠いメキシコに住んでいたのですがお母さんから告白を伝えられて衝撃を受けていたところに目についたのが『28歳で2年後生存確率0%宣告男性。イメージ療法で42歳現在元気』と僕のことを報じたYahoo ニュース。藁をもつかむ思いでそのニュースを読み、すぐに「メッセンジャー」を日本にいる母に届けてほしいとメールを送ってくれたんです。届け先の住所を見たら兵庫県の加古川市。偶然にも僕はその日ライブ活動のために加古川市にいたのです。ライブがあるからお母さんに知らせてほしいと夢中でメールを返信しました。メキシコとの時差を考えると、間に合わないかもと不安だったのですが、ライブ終了後に「娘から…メキシコにいる娘から聞きました」と女性が現れたんです。「私は膵臓がんが発覚して、死ぬ支度をしていたけど、今日、もう一回生きたいと思った」と泣きながら言ってくれました。「杉浦さんの話を聞いて涙が止まらなくて。私、治っていいんですね。自分で自分の可能性を閉ざしていたと思う。もう治らないって決めていた。でも、もう一回生きたい。私、治るって決めました」。その時はとても痩せていたのに、2か月後、神戸で行われた僕のライブに来てくれた時には別人のように元気になっていて驚きました。聞けばあれから毎日1万歩歩いていて、医者がビックリするぐらい血液の数値もよくなっている。そしてホノルルマラソンにも参加したいと言って、そこで娘さんと再会し、一緒に10kmコースを完走しました。実は、10kmでは物足りなくてジグザクに歩いたと告白してくれました。

 

 

 

がんと闘っている人たちに力をくれるホノルルマラソン

これまで僕たちのチームでホノルルマラソンに参加した全てのがんサバイバーの方が完走しています。2013年のツアーでは、チームメッセンジャーのメンバーが、足を痛めてリタイアしようとしていた一般参加のがんサバイバーのお二人と出会い、テーピングやマッサージなどのサポートをしながら、なんと19時間56分でゴールするというドラマもありました。その際、ハワイの方々からの声援、差し入れ、助言も多く、協会の人からも「間もなく日没となるが、慌てず、焦らず自分たちのペースで行きなさい。フォローしていくから」と優しい言葉をいただきました。僕が「がんサバイバーのマラソンツアー」にホノルルマラソンを選ぶのは、このアロハスピリッツのため。どんなに遅くなっても最終ランナーを待っていてくれるホノルルマラソンは、優しいマラソンなんです。2008 年に結婚の夢を叶えた時に、ともに参加した方の言葉も印象的です。「自分があきらめたら、次に続こうとする人も夢をあきらめてしまう。だから頑張るんだ。」ハワイの地にエネルギーをもらい、ハワイの人々のあたたかさに触れ、命の輝きを実感したのです。僕の想いはこうです。「命はそんなにやわじゃない」そして、ホノルルマラソンを「走れるほど元気になったわけではなくて、走ったから元気になったんだ」。

 

2014年がんサバイバーホノルルマラソンw

 

 

 

 

 

僕は今幸せです。多くの方に助けてもらい、支えてもらいながら、自分の力を信じてここまでくることができました。夢を描き、どんな逆境も楽しみながら、未来の幸せを引き寄せたのです。どうか希望を捨てないでください。僕が特別なのではなく、すべての方に無限の可能性があると信じています。そして、人間の持っている力の凄さをどうか信じてください。

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