千葉県認定こども園かしの木 園長 七海順子さん

 01/28/2011

虹の丘ワールド・ケア・ファミリー
特定非営利活動法人「子育て支援NPO」

 

 

七海順子さんは、「千葉県認定子ども園かしの木」の園長先生です。芸術やボラン ティアを取り入れたユニ一クなカリキュラムで、子どもの能力と可能性を最大限 に引き出し、世界に羽ばたく子どもを育てることを目的としています。 カ リキュラムの一環として、今回5人の子どもたちが卒業旅行でボランティアを兼ねてハワイを訪れました。なんとこの旅行は、父兄同伴ではありません。子ども たちは親元を離れてハワイにやってきて、様々な体験をしました。 とっても明るく前向きで、笑顔が素敵な七海先生に、教育について色々お話しを伺いました。

ライター :相原光

 

 

芸術やボランティアを通じて、心の豊かな子供を育成したい

 

認定こども園とは?

2006年12月から日本で 「認定こども園 制度」がスタートしました。 これまでは保育所と幼稚園は保護者の就労の有無で利用できる施設が限定されていました。また、どちらの施設も利用せず、家庭で子供を育てている保護者の支援が不足して いることも、問題として指摘されていました。

 

このような状況を踏まえ、保育所の持つ 「保育」機能と、幼稚園の持つ 「教育」機能 を一体化したのが「認定こども園制度」です。認定こども菌では、保護者の就労の有無に関係なく入園が可能で、3歳以上の児童に対し保育と教育を一体的に実施します。

 

さらに、子育て相談や親子が集える場も提供しています。教育委員会との密なる連携により、小学校への心配もありません。 このように、それぞれの良い部分を生かしながら、子育て家庭の多様なニーズに応 え、全ての子育て家庭を対象とした支援を 行っています。 2009年4月 l日現在で認定された件数は、公立・私立合わせて532件となっています。

 

 

必要なのは心を伝えていくこと

認定こども園制度というのは、幼保一元 化(幼稚園と保育園の一体化を図る)を目的として始りました。認定こども園にはいく つかのタイプがあるのですが、かしの木は 地方裁量型といって民間です。

 

ですから助成金が得られないとか、問題を抱えている のですが、反対に自由な教育を入れることができます。英語、バレエ、ピアノをはじめ、卒園旅行でこうしてボランティアも兼ねてハワイに来ることもできるんですね。

 

かしの木では「ハワイのお歌」というプログラムもありまして、先生がボランティアで子どもたちにハワイ語で歌を教えに来てくださるんですね。それで、 「私たちがハワイ に行く時は、ハワイでボランティアができる といいね」と話していたんです。

 

そこからハワイでの卒園旅行が実現しました。小さい時からボランティアって必要じゃないですか。でも大抵の幼稚園はボランティアさせたりしないんですよ。かしの木では、ボランティアに積極的に取り組んでいます。

 

今回ハワイにきている子供たちは日本でもたくさんボランティア をしているんです。老人ホームに行ったり。 昨日もハワイの老人ホームを訪問して、み んなで歌を歌って来ました。最後は皆感 動で涙が出て、ハグし合って帰ってきました。 それだけ心が通じるっていうことですよね。

 

子どもたちは日本でずっとボランティア をしてきているので、障害者の方や高齢者 と接することにも慣れています。障害者の 方って時々大きな声を出すことがあるでしょう、 そういうのも全然大丈夫なんです。

 

そういう病気だと分かっているから。それってとっても大事だと思うんです。誰とでも笑 顔で話しができたり、「ハイツ」って言うと歌が歌えたり。歌って世界共通語ですよね。日本の子どもたちがハワイに来てボランティア をすることってないでしょう?

 

親が付き添わないなんて、あり得ないですよね。 ハ ワイ語の歌を教わっているのだから、私たちはハワイでハワイ語の歌を歌う人た ちを見てみたいし、ハワイはどんな所なの かも見たい。私たちにできることは音楽な ので、音楽を通したポランティアをしたいと思って今回来ています。

 

ハワイだけでなく、他の国にも行きますよ。 ベトナムやラオスなどで小学校を作る時に は、開校式に行きますし。教育の完備されて いない国の子どもたちは、とってもかわいそう。でも残念ながら、私にはそれをなんとかするとこるまではまだ力がない。

 

せめて学校 の開校式に行って歌を歌ったり、それくらい しかできない。福祉のない子どもたちをもっとちゃんと育てて、税金も払えて、そういう環境を作れるよう協力していきたいですね。

 

必要なのは、心を伝えていくこと。今は世界中どこへでも簡単に行けるでしょ。子ども たちが成長したときに、どこでも行けるようになって欲しい。色んな人に触れ合うこと は大切だと思います。

 

心の中に残るもの。豊かな感情を育てて 行きたいと思っています。私はピアニストでもあるので、歌やピアノ、リトミック、バレエなど、表現できるものに特に力を入れています。講師の先生たちが子どもたちと触れ合いながら学ばせて頂いている。

 

そういう環境にあるので、今回初めて子どもたちをハワ イに連れてきたけれど、どこに行っても子どもたちはすぐに友達になれる。障害者と接しても、自然に仲良くできる。そういうことが、毎日の生活の中に あって良かったなと思いました。

 

こういう子どもた ちが増えることで日本は 豊かになると思うんです。 小さな時ってすごく大 事でしょ。どうやって育っ たかによって、コンプレッ クスになったりして、マイ ナスの面は残っていく。だからそれと反対に良いことが残っていくようにと思っています。

 

今回はお母さんたちと離れて来ましたが、それができるのはお母さんたちと信頼関係があったから。普通は預けてもらえない、ま してや海外に行くわけですから。お母さんた ちとも毎日のようにお会いして、子どもたち の教育についてできる限り話しています。

 

子どもたちは、ハワイの人たちはバーガー キングのハンパーガーをいつも食べてると思っていたんです(笑)。どうしてもバーガー キングに行きたいと言っていたので、さっき行ってきました。(※日本のバーガーキング は2001年にl度撤退し、2006年に再上陸したため、現在は首都圏に約35店舗しか展開されていない)

 

ハンバーガ一を想像して絵に描いていたのですが、実際はもっとずっと 大きくてみんなびっくりしていました。 私がスライスしていないハムを買ってきて、分厚く切って食べさせたら、「アメリカ人 はハムをこんなに厚く切るんだ!お母さん はこんなに分厚く切らないよ」と皆驚いて いました(笑)。

 

それからアメリカのケーキ も喜んで食べていましたね。ニモの絵が描いてある真っ青な大きいケーキ(笑)。 子どもたちは楽しくて大喜びでお母さん やお父さんのことも忘れちゃうくらいで、誰 一人泣いていないんです。こういうことは、誰かがしてあげないとできないですよね。「40歳になったらボランティア しようね」と、私はいつも言っています。

 

※リトミックとは?

リトミックとはスイスの音楽教育家・作曲家であ るエミ ール・ジャック・ダルロ ーズ (1865-1950) によって提唱された音楽教育法です。音 楽と動きを融合した教育スタイルに特徴があり ます。

 

 

毎日英語のシャワー・児童英検1級の実績

私は昭和33年生まれで、海外に長くいた 時期もあるのですが、私がアメリカにいた頃 は、人種差別がまだはっきりと残っていたん ですよ。ここは白人だけOkで、イエロ一、レッ ド、ブラックは駄目という、そういう差別を 体験しているので、今の子どもたちにはコン プレックスを持たない話し方ですとか、英語 を覚えて欲しいなと思っています。

 

かしの木のカリキュラムは、朝の9時から午 後1時までが英語のクラスになっていて、その 時間は毎日オールイングリッシュになっていま す。午後1時から5時までは、日本人の先生と 日本の文化に合わせた工作などをしています。

 

かしの木では児童英検にも取り組んでいて、今回来ている子たちは皆級を取っています。6級が3 ・ 4歳で英語の大文字が書けて、 「お腹が痛い」と言えるレベル。5級でCanやCouldも使えて、小文字も書けるレベル。その上になると、長文読解や本が読めるレベルになります。

 

今回来ている子たち は3・4級なのでもっとレベルが高いです。 海外に行っても困らないように。特に女 の子は。女の子は自分がお母さんになった ときに、子どもが海外にいたら会いに行きますからね(笑)。

 

今回は皆ドルの計算もマスターして来た んですよ。ちゃんと値段を聞いて、自分でお 金を計算して支払うことができました。

 

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