【インタビュー 輝く人】喋る心書家 岸本 亜泉 さん

 05/24/2014

震災がきっかけで、生かされた意味を考えた

講演やセミナーをしたのは東日本大震災がきっかけでした。そのときには自分は幸せと思って生きていました。自分で書いた書をインターネットで販売して、稼ぎもあり、これでいいと思っていました。

 

 震災があったときに「私、なんで生かされているんだろう」と深く考えた時期があり、自分だけが幸せで、それでOKと思っていたけれど、そうではなくて、今自分がここまでなれたのはたくさん支えてもらったから。次は昔の自分のように、苦しみもがいている人がいて、自分の経験や体験を話したりすることで何かきっかけになれるならやらくては、と思いました。

 

 

2014年2月  ハワイで初めての心書講座

 

 

 「こういう人生だったけれど、こうやって這い上がったよ」ともっと外の誰かに伝えなければいけない、それを伝えるために私は生かされたんだと気づいたんです。過去の壮絶な体験はどれも自分にとって辛すぎる出来事で、なぜ自分ばかりこんな不幸な思いをしなければならないんだろう、人生最悪だと思っていました。それを乗り越えられたときに、私は選ばれてこの人生を歩んでいて、最高の人生だったと思えました。

 

 最初は私と同じ経験をした人たちに向けて発信したかったんです。人生お先真っ暗と思っている子たちがまわりにいっぱいいたので「そうじゃないよ、まだまだこれからだから」と伝えなくちゃと思って。「どんな辛い出来事があったとしても、過去は変えられないけれど、捉え方はいくらでも変えられる」ということを伝えるために講演をはじめました。でも伝えているうちに、大きな出来事に巻き込まれたわけではなく、順風満帆に育ったけれど苦しんでいる人たちがいることを知って、もっと多くの“自分を取り戻したい、自分らしく生きたい”という人に向けてメッセージを発信しはじめました。今、ようやく藤田ご夫妻に恩返しをしはじめたところです。

 

 

どんな人も受け入れる そうすることで自分が成長できる

講演であっても、日常であっても、私の中の意識は常に私とあなたです。120%その人のことを全力で愛そうとする。藤田ご夫妻が言ってくださったように、その人が何をしていたとしてもこの先何をしようとも私はなんでも受け止める覚悟で出会っています。自分もそうしてもらって救われたので、自分もしていきたいと思っています。

 

 自分と違う価値観や許せないことをしている人を見ると驚きますが、それを受け止めるってどういうことだろうと考えるんです。自分自身が持っていた固定観念や思い込みを崩して、向き合ってみて、あぁそういうことだったのか! と思ったとき、自分の器も広がります。違いを受け止めるということはエネルギーのいることですが、それによって私が成長させてもらっているんですね。

 

 誰もが見放したような人にも寄り添いたいです。ひとりでも寄り添う人がいたらこの人の人生が変わるだろうなと思うからです。「初めてそんな言葉を言ってもらえた」とか「初めて人に受け止めてもらえた」と言ったときの顔を見るのが私の喜びでもあるんです。できる限りそうしていきたいですし、それができる人を増やしていきたい。「こういう生き方は最高だ」と伝えて、賛同してもらって「自分もそんなふうになりたいな」と自分を磨いたり、自分と向き合ったりする人がもっともっと増えたら嬉しいですね。

 

2013年2月にシドニーで飲食店の壁画プロデュースとして書いた海外での初仕事

 

 

心書というツール

人と向かい合い、人を受け止められるのは、私には心書というツールがあるからだと思います。心書は決まりや正解のない自由な世界です。こうでなければならないということは一切なく、書いた作品に上手下手の基準がないからジャッジもできません。できたものはオールOK。自分を思いきり出せる場所で、受け止めてくれる場所なんです。私は心書とともに人生を歩んできたので、空気みたいな存在で、私の人生の中にあって当たり前のもの。心書に生かされています。

 

 心書をはじめた11年前、最初は仕事にするつもりはありませんでした。たまたま沖縄の離島に引っ越して子どもを産んだときに、このまま人生終わるのは嫌だな、専業主婦も嫌だなと思い、子どもの面倒を見ながらできることで、インターネットを使って、もしかしたら売れるんじゃないかなと思ってはじめてみました。

 

 書くことが好きで、それまで友達の誕生日に書いて喜んでくれていたので、みなさんに喜んでもらえるかもしれないと思って書いていったら、次から次へと依頼が来ました。さらに「教えてほしい」と要望があり、教えたところ、今度は「教え方を教えてほしい」と言われるようになりました。ニーズに応えているうちに、今の活動につながってきました。

 

 昨年7月にK2アカデミーというインターネット上の学校を伊勢隆一郎さんというパートナーと一緒に立ちあげてその運営と講師をしています。これは学校では教えてくれなかった、人生で大切なことが学べる学校です。コミュニケーションの取り方、夢の叶え方、お金の稼ぎ方などに触れていくことが、これからの時代絶対に必要になってくるということで作った“愛と経済的自由の両方が同時に手に入る”学校です。

 

▲2014年3月 涙涙のK2アカデミー1期生卒業式。300名を超える卒業生を輩出

 

 学校の中にいくつもの専門コースがあって、その中で心書の講師を担当しています。心書を書ける人、稼げる人、教える人を生み出しています。生徒さんの人生がどんどんよくなっているのを見ると泣けます。書も書いたことがない、仕事もしたことがない主婦の方がこの7ヶ月でコンスタントに稼ぐようになったりして、喜んでいらっしゃるのを見ると本当に嬉しいです。

 

 この学校を運営する形にするまでがとても大変でした。去って行った人もいましたし、逆に応援してくれる仲間もたくさん集まってくれました。そういう人たちに支えられ、救われ、ようやく開校した学校です。自分の人生をかけてやっているので、生徒さんの声を聞いたときはやっていてよかったなと思います。

 

 実はオンライン上の学校なので海外在住の方も沢山いらっしゃるんです。私にとって心書は、あるがままに生きるということを伝えていくためのツールなんですよね。だから国内だけでなく海外でも心書を伝えてくれる仲間が増えることは、とても嬉しいことなのです。気分が良いときだけ書くのではなく、落ち込んだときにも書きますよ。「不安」「怖い」「逃げたい」などそのままストレートに書きます。それも公開していますよ。みんなそれがダメと思っていますが、いいんです。人間ですから感情をそのまま感じてよいですし、喜怒哀楽はあるんです。ポジティブだけで生きていかなくてはいけないなんてその方が苦しくて難しいと思います。喜怒哀楽の醍醐味を味わいながら、まだまだ自分の中に眠っている可能性を引き出していろいろなことにチャレンジしていきたいですね。

 

 ステージパフォーマーとしての活動では、大きい筆を持って太鼓やダンサーとコラボレーションをしたりしてきましたが、ハワイではフラとのコラボレーションもやっていきたいです。フラを踊っている人が書き出すなんて、いいですよね。ハワイからオファーもワクワクしながら待っています!

 

 

 これからもK2アカデミー、ステージ活動を通じて国内外でひとりでも多くの方にあるがままに生きる楽しさや人の可能性は無限大ということを伝えて体感していただきたいです。あなたとここで出逢えたことに心より感謝を申し上げます。そしてリアルでお会いできる日を楽しみにしています。マハロ♪

 

 


岸本亜泉(きしもと あい)

心書アーティスト・K2innovation代表取締役 1982年京都出身、東京在住。呉服屋営業時代にお礼状を書き始めたことがきっかけで筆ペンと出会い心に届くスタイルで自由に自分を表現できる『心書』を生み出す。2008年夢と感動を生出す筆文字「岸本商店」を開業。時には優しく時にはダイナミックに感情豊かに表現される書体が人気となり全国各地から注文殺到。作品は一点一点息吹を吹き込むように『生き続けるもの創り』を大事としている。2011年世界NO.1コーチ、アンソニーロビンズ直伝セミナーから帰国後は実体験元にどのような状況下でも楽しんで生きる、よりよい人生を創る方法を全国各地でお伝えしている。また思い込みを外す・自由に自分を表現する『きっかけ』として、心書をツールに全国各地でワークショプ・セミナーを開催。子供から大人まで人の持つ無限の可能性をお伝えしている。2013年7月愛と経済的自由の両立を実現するための、全く新しいスタイルのビジネススクール『K2アカデミー』を設立。現在600名近い生徒へオンラインにより講座を展開。ビジネススキル、コミュニケーションスキルや、その他、心書をはじめとする27種類の専門コースを提供している。また国内にとどまらず、定期的に海外での壁画プロデュースやステージ活動なども行なっている。

 


 

 

(日刊サン 2014.05.24)

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