【インタビュー 輝く人】アニマルコミュニケーター Anela(アネラ) さん

 04/12/2014

ボランティアで お金には変えられないことを学んだ

 もともとは大手企業で働いていました。仕事は大嫌いでしたが、2人の子どもを育てていたので、生活のためだと思って割り切っていました。子どもがある程度大きくなると、手に職をつけたいと思うようになりました。最初はネイリストになり、その後マッサージを勉強してライセンスを取得して、スパで働いていました。

 

 独立したのが2006年。「これまで貯めていたお金がなくなる前にはなんとかなるだろう」と思って決心しました。資金はほとんどなく、自宅のリビングで細々とはじめました。広告も出していなかったので、アルバイトをしていました。そのうちにクチコミでお客さまが少しずつ増えていって、2年後に今の場所にサロンを開けました。家賃などコストがかかる分、アルバイトを増やしたほうがいいかなとも思ったのですが、自分の夢が弱くなるのではないかと感じたのです。それで、アルバイトを少なくして自分のビジネスに集中しようと決意しました。

 

 とはいっても予約でいっぱいになるわけでもなく、アルバイトを増やさずに余った時間をどうするかと思って、ボランティアをはじめました。今思えば、このときにヒューメン・ソサエティでボランティアをしなければ、現在のアニマルコミュニケーターという自分はいませんでした。このボランティアでは、犬に噛まれますし、飛びかかられますし、いつもフンまみれです。そういう汚いところを全部見て、今の私がいるのです。

 

 カピオラニ病院でもボランティアをしていますが、こうして複数のボランティアをしていることでお金に余裕があると思われることもありました。そんなことは全然ないのですが、ボランティアに行ったことで、お金には変えられないことを学びました。命が消えるな、という子も見ています。ヒューメン・ソサエティの動物たちや入院している赤ちゃん、子ども、癌患者の方々のお手伝いをさせていただくことも本当に大切なことだと感じています。

 

▲浅田美代子さんのチャリティ活動「Free Pets」のイベントで

 

本に込めた想い

 アニマルコミュニケーターをしていて、あまりにも犬がたくさんのことを言ってくれるので、それを書き留めておきました。ペットロスの方が来られたことがあって、その犬がお棺に入れたものを全部言ったのです。“これを入れてくれてありがとう。あれもありがとう”と。お気に入りのものを入れたそうです。飼い主さんは感動してくださいました。こうした感動をいつか漫画や本にしたいと思っていました。  お客さまのご紹介がご縁となって、最初に『アニマルコミュニケーター・アネラのお仕事 犬のことば、伝えます』(ぶんか社)という漫画が出版されました。その漫画がきっかけで、今年3月に『犬の気持ち、通訳します』(東邦出版)が出版されました。思い出いっぱいの本です。私は、失敗もたくさんしています。自分の人生を公にすることにも抵抗がありましたが、私の人生の経験のひとつでも欠けていたら今の私はありませんでした。

 

 1日にお受けできるアニマルコミュニケーションには限りがあります。「動物にも気持ちがある」ということを伝えるために、本なら多くの方が読んでくださいます。もちろん、これからもセッションはしていきますが、本などの執筆活動やセミナーをして、これから動物と関わる職業に就く子どもたちに伝えていきたいですね。

 

 今、動物に関するいろいろな問題は山積みです。飼っているペットに飽きると保健所にあげて、その動物の命が絶たれる問題など。法律改正を大人たちに呼びかけていくのもひとつの手段ですが、子どもたちの気持ちを変えていくほうが化学反応を起こしやすいのではないかと思うのです。

 

 先日、80歳のご夫婦が白いジャーマンシェパードを飼ったら、大きくなってしまって「こんなに大きくなるとは知りませんでした」とおっしゃっていました。売る側のペットショップの方は、そのご家族に合う犬を選んで差し上げる必要性がありますよね。子犬を見て「可愛い」とお客さまが言ったとしても「この犬種はとても大きくなるので、大変かもしれませんよ」とお教えする知識が重要です。散歩もご自分たちでは連れて行けなくなってしまうのですから。飼うことができなくなったらその犬の行く先は保健所になることも多いのです。その命はどうなるのでしょう?そういうことをお伝えしていきたいと思います。

 

 いずれは絵本も作りたいですね。それを通じて小さい子どもたちに命を大切にすることを伝えて、動物への虐待を防いだり、それが子どもたち同士のいじめを少なくするきっかけになったらいいなと思っています。

 

 自分にしかできないことをしていきたいのです。それはやはり通訳に徹することで、その枠を乗り越えないことです。獣医さんやドッグトレーナーさんと連携していきたいですね。 今、私ができることは動物にも気持ちがあるということをお伝えすることです。それによって、命がつながるのではないかと思っています。

 

 


Anela (アネラ)

東京生まれ。19歳でロサンゼルスへホームステイ。その後ハワイに留学。結婚、離婚を経て2児のシングルマザーとなる。大手企業に勤務後、ハワイ州ネイルライセンスやマッサージライセンスを取得し、独立。現在、クラニアルサクラルセラピスト、催眠療法師、カピオラニ・メディカルセンター認定のインファントマッサージとカドラー、ハワイアン・ヒューメン・ソサエティ公認アニマルコミュニケーターとして、ハワイを拠点に日本とアメリカ本土で「ひとと動物」セラピー、ボランティア活動中。

http://www.anelausa.com 

 


 

 

(日刊サン 2014.04.12)

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