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デジタル版・新聞

コラム 来夏の映画観ようよ

ミッドサマー

 「人捨穴?」。以前八丈島をドライブした際、道路沿いに信じがたい看板が設置されていた。何かの冗談だろう、と流したがその後訪れたビジターセンターにて、『昔々、島では自然災害や飢饉に見舞われることも多く、食糧確保のため50歳になると人捨穴に捨てられる風習があった』という旨の説明があった。

 

 アメリカに住む大学生ダニーは真冬のある日、普段から気にかけていた躁鬱病(双極性障害)の妹と両親をいっぺんに失い、心に深い傷を負う。精神的に不安定な状態が続き、恋人のクリスチャンに支えられるものの、自分の存在が彼の負担になっているのではと不安を募らせる。夏になり、民俗学を専攻するクリスチャンとその友人のジョシュ、マーク、ペレと共に、ペレの故郷であるスウェーデン・ホルガ村で開催される90年に1度の貴重な夏至の祭りに参加することに。日が沈まない白夜、色とりどりに咲き誇る花や優しい村人たちにすっかり魅了されるが、次第に得体の知れない違和感を覚えはじめる。

 

 例えば友人宅でミートパイを振舞われたら、大半の人は中身が何の肉なのか気になるだろう。それがホラー映画の中の出来事であれば答えは明白…という風に本作はホラー慣れしていると気持ち良いくらい展開が読めるため、意外性は無いかも知れない。しかし、展開がわかっていてもなお、思わず目を背けたくなるほど心に突き刺さる“死”の描写に釘付けになり、また、神秘的なルーン文字や壁に描かれたおとぎ話のような絵はどんな意味を持つのだろうとワクワクし、終始冒険心をくすぐられた。こういった異文化への過ぎた好奇心こそが、時に命取りになるのだとハッとするわけだが。

 

 さて、冒頭の“人捨穴”は数十年前にテレビで取り上げられた後、島のイメージが悪くなるからと今では観光地図に載せていないそう。その上、実は公的な資料は現存しておらず、50歳を過ぎた人を捨てていたというのはあくまで民話の範疇を出ないという。これはまるで劇中のあのシーンを髣髴とさせ…気になる人はぜひご鑑賞を!

 


●加西 来夏 (かさい らいか)

映画は年間100本以上視聴、訪問39ヵ国〜の旅する映画ラヴァー/“不要不急の外出は控えるべし”と異例のお達しが出てたためおとなしく引きこもっていますが、家族とコミュニケーションが増えたりゆっくり湯船に浸かる時間が出来たと良い面を考えるようにしています。


 

 

(日刊サン 2020.3.12)

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