日本の中の異国、北海道・ニセコへ

 01/01/2020

 東京でもダウンジャケットを着た人が増え、本格的に寒さの厳しい季節が始まりました。とはいえ12月初めに出張した北海道は別天地でした。新千歳空港周辺は土地柄、雪は少ないのですが、空港から列車で40分程の札幌は一面銀世界。道路も歩道も見事に凍結しており、15年ぶりに訪れた北海道でいきなり雪国の洗礼を受けました。

 

新しく開発されたニセコの一角。外国人所有のコンドが多いのも、ワイキキとの共通点?

 

 

ニセコへ向かう車中は…

 今回の目的は、札幌から高速バスで約2時間半離れたニセコで、新たに開業するスキー関連施設の視察です。ニセコはサラサラのパウダースノーの聖地として、ここ10年程世界的に人気が高まっています。今回は1泊2日の弾丸出張で前日に札幌入り。翌日は午前8時に札幌発のバスに乗り込みましたが、予想していたとはいえ乗客の約9割が外国人。アジア系の方が半分で、残りは欧米系とおぼしき旅行者。私たち日本人の出張組が気づまりになる程、外国人比率は高めでした。

 札幌を出発すると、バスの車窓からの眺めは、みるみる東京人の私には恐怖すら感じるほどの雪景色に変わります。12月初旬で積雪は1メートル以上あり、小さな島国日本の、意外な広さを実感しました。

 

 

札幌一の繁華街「すすきの」。地元の人は意外と薄着ですが、足元だけは雪用靴底のブーツでガッチリ固めていました

 

 

ワイキキとの共通点は?

 そして実際に現地に到着して驚いたのは、その雰囲気です。バスの発着所には英語や中国語のおしゃれなフリーペーパーがラックに置かれ、案内の表示も英語のほうが大きい! 既視感のある風景だと思えば、それは懐かしいハワイのワイキキ。アメリカにいるのに日本語のフリーペーパー(日刊サンもそうですね!)が数多く置かれ、日本語のガイドさんや看板に助けられ、日本語を話せなくても大丈夫な…あの雰囲気です。

 事実、売店が閉まっていたので、隣のショップの人にいつ開店するか聞こうとしたら、店員さんは外国人。「隣の店はいつ開きますか?」と日本なのに英語を強いられる空気感で、そんな自分を笑ってしまいました。

 

人気はアジア圏へ

 今や世界的リゾート地のいわゆる「ニセコ」は、倶知安(くっちゃん)町とニセコ町にまたがるエリアに広がります。2003年にオーストラリア系の不動産会社が初めてコンドミニアムを建てて以来、現在も新たなコンドが続々と建設され、再来年にはシンガポール資本のコンドが完成するとか。当初はオーストラリア人の間で人気に火が付き、今はアジア系(香港、シンガポール)の旅行客が増加。今年の日本全国の地価上昇率1位もニセコ地区で記録しました。移住する外国人も多く、人口1万5000人の倶知安町で外国人定住者は750人。ただし、冬の季節限定では外国人労働者は約2000人と町の1割以上になり、日本の中でも特殊な地域と言えます。

 

夢の世界への出張

 東京から1泊2日の弾丸ツアーで、「日本の中の外国」を見学した後は、再び東京へ。真白な銀世界の中で見た、おしゃれに開発された海外の街角のような一画。スキー場に行ったのにスキーもせずに、滞在4時間ほどで舞い戻った出張は、どこか現実離れしており夢の世界に迷い込んだような経験でした。

 

 


竹下聖(たけしたひじり)

東京生まれ。大学卒業後、東京の某新聞社でスポーツ記者、広告営業として15年間勤務後、2012年〜2014年末まで約3年間ハワイに滞在。帰国後は2016年より、大手町のマスコミ系企業に勤務。趣味はヨガと銭湯巡り。夫と中学生の娘、トイプードルと都内在住。


 

 

(日刊サン 2019.12.28)


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