大統領の問題発言にNFLのチームが結束

 09/30/2017

なぜスポーツチームを攻撃するのか?

それにしても、なぜ一国の、それもアメリカ合衆国の大統領が名指しでスポーツ選手を批判したり、解雇を求めたりするのでしょうか?北朝鮮問題や医療改革、ハリケーン被災地への救援など、緊急を要する問題は山積みなのにです。

 

理由は色々考えられます。支持者へのリップサービスもあるでしょう。トランプ大統領は医療改革やメキシコとの国境に壁を建てるなど、大胆な公約をして当選したものの、就任後は任務が難航しています。医療改革は今週再び共和党の上院議員が提出した法案が承認に必要な賛成票が見込めず、ボツになったばかりです。

 

支持率も初年度の大統領にしては異例の低さと言われる40パーセント未満のまま。公約事項の成果が出ない間は、今回のように支持者の意見を誇張して代弁することで、支持者維持に努めているように見受けられます。 NFLに対する辛辣な発言は過去の腹いせの可能性もあります。トランプ大統領は1980年代にNFLに対抗するリーグとして生まれたUSFLのニュージャージー・ジェネラルズのオーナーでした。

 

NFLから選手を引き抜くなどして話題を集めたものの、NFLには歯が立たず、3シーズン後にはリーグ自体が閉鎖になりました。2014年には前オーナーが他界後に売りに出されたNFLのバッファロー・ビルズの買収を試みて失敗。NHLのバッファロー・セーバーズも所有するテリー・ペグラ・オーナーに売却されました。

 

更に考えられるのは、大統領に不利なニュースからメディアや市民の目を逸らすために、わざと大問題を自ら作り出している可能性です。大統領がツイッターで突発的に問題発言をするのは、ロシア疑惑などで不利なニュースが流れる時と重なっていると指摘する人もいます。先週末には、娘婿で上級顧問を務めるジャレッド・クシュナーをはじめとするホワイトハウスの幹部スタッフが公式のメールアカウントではなく、プライベートのメールアカウントを使って公務を行っていたというニュースが流れました。

 

トランプ大統領は選挙活動中、対抗馬のヒラリー・クリントンが国務長官時代にプライベートのメールアカウントで公務を行っていた点を厳しく批判していただけに、何とも皮肉なニュースです。しかし、ロシア疑惑関連ニュースはほぼ毎日のように報道され、今回が特に致命的なわけではなさそうです。今週に入っても大統領のNFL批判ツイートは続いています。アメリカ合衆国の大統領がなぜここまで大騒ぎして時間を費やすべき問題なのか、理解できないままでいます。

 

 


金岡美佐

1992年に渡米。サンディエゴからサンフランシスコ経由で北上し、現在シアトル近郊在住。MBAを取得し某有名IT企業のファイナンス部門で勤務するも、大のスポーツ好きが高じて脱サラ。スポーツライターへ転身。「スポーツは見て楽しむもの」をモットーに年中スポーツ観戦に大忙し。春夏は野球、秋冬はアメフト、冬春はアイスホッケー。一番好きなのはアメフト。シーズン中の土日はスタジアム観戦以外、外出不可


 

 

(日刊サン 2017.09.30

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