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各国の奇妙で楽しいお祭りや競技をご紹介! 世界の珍イベント

ハワイでは、お祭りといえば毎年9月に催されるアロハフェスティバル、競技といえば2万5,000人以上が参加するホノルルマラソンが代表格ですが、世界各国でもさまざまなお祭りや競技が日々行われています。今回のエキストラ特集では、スペインのトマトを投げ合う祭りやニジェールの美男子コンテスト、フィンランドの携帯電話投げ選手権などなど、世界各国のちょっと奇妙で楽しいお祭りや珍イベントをご紹介しましょう。

 

巨大オムレツ祭り

Giant Omelette Celebration

 

卵5,000個分! ルイジアナの巨大オムレツ

開催場所:アメリカ ルイジアナ州 アビービル

開催時期:毎年11月1週目の土日(2020年は11月7日、8日)

公式ウェブサイト:https://www.giantomelette.org

 

出典:Facebook@ Giant Omelette Celebration Abbeville, Louisiana

 

 毎年11月、ルイジアナ州のアビービルという街では巨大オムレツを囲む祭典が繰り広げられます。材料は5,000個の卵、23㎏の玉ねぎ、6ℓの調理油、23ℓの牛乳、23㎏のバター、塩、黒コショウが3箱ずつ。この祭りは19世紀初頭、フランス皇帝のナポレオン・ボナパルトが軍隊を引き連れて、フランス南西部の村ベシエールに立ち寄った際、宿屋で食べたオムレツがとても美味しかったため、宿の主人に町にある全ての卵を集めさせ、兵士たちに巨大なオムレツを振る舞ったことが由来と言われています。

 

卵1万5,000個分! フランス・ベシエールのさらに巨大なオムレツ

開催場所:フランス オートガロンヌ県 ベシエール

開催時期:毎年4月1日(イースターの日)

参考ウェブサイト:https://www.thelocal.fr/20190419/why-one-french-town-is-buying-15000-eggs

 

 巨大オムレツ祭りの元祖となるこの祭は、フランス南西部にあるベシエールという人口3,000人ほどの集落で、1973年以来、毎年イースターの日に行われています。約50人のボランティアが直径4メートルの巨大鍋になんと1万5,000個もの卵を割り入れます。その後数キロの油、塩とコショウ、さらに地元の特産物のピメント・デスポレット・ペッパーが加えられます。火にかけて30〜40分ほどで出来上がったオムレツは、集まった数千人の人々に振る舞われます。

 

 

イワシ祭り

Lisbon Sardine Festival

 

開催場所:ポルトガル・リスボン

開催時期:毎年6月12日から3日間(2020年は6月12、13、14日開催)

参考ウェブサイト:https://thertwguys.com/lisbon-sardine-festival-2/

 

聖アントニオとイワシ

 ポルトガルのリスボンでは、毎年6月12日と13日に聖アントニオの生誕を祝う祭、通称「イワシ祭り」が開催されます。リスボン名物といえばイワシの塩焼きですが、そのイワシ漁の解禁日と聖アントニオの誕生日が時期的に重なるため、初夏を告げる風物詩として祭りのメインに初イワシの塩焼きが楽しまれるようになったようです。

 リスボン生まれの聖アントニオは、次元では幸福な結婚を司る聖人として親しまれています。それに因み、祭りの期間中は恋人同士で「マンジェリコ」と呼ばれるバジルの鉢植えを贈り合ったり、リスボン市議会が選ばれた十数組のカップルに合同結婚式とパレードをプレゼントしたりというイベントが催されます。

 

Photo by Kuba Abramowicz (https://rove.me/to/lisbon/festas-de-lisboa)

 

期間中は毎秒13尾のイワシが消費される

 イワシ漁が解禁される祭りの1週間前になると、リスボンの街中に炭火でイワシを焼く香りが漂い始めます。イワシ祭りの3日間、リスボン旧市街はカラフルな装飾と人々でいっぱいになりますが、1番賑わうのは、聖アントニオの生誕地でリスボン最古の街並みがあるアラファマ地区です。起伏のある狭い石畳の路地では、レストランや屋台でイワシが焼かれ、住民たちも玄関口に七輪を出してイワシを焼きます。

 ポルトガルの焼きイワシは、粗塩を振りかけて炭で焼くというシンプルなもの。レストランでは半ダース(6匹)単位で提供され、屋台ではパンに挟んだり、スライスしたパンの上にのせられた状態で販売されます。パンに乗ったイワシは親指と人差し指で切りながら食べるというスタイルがあり、おかわりが欲しい時は同じパンの上にイワシを乗せてもらいます。イワシの旨味が染み込んだパンは最後に食します。ポルトガルの新聞“Publico”によると、この祭りの期間は毎秒13尾のイワシが消費されているのだそうです。

 

 

 

チーズ転がし祭り

The Cooper’s Hill Cheese-Rolling and Wake

 

開催場所:イギリス・コッツウォルズ

開催時期:毎年5月のSpring Bank Holiday(2020年は5月25日(月)開催)

公式ウェブサイト:https://officialcheeserolling.com

 

 イングランド南西部にあるコッツウォルズという村では、毎年5月に「チーズ転がし祭り」が開催されます。この祭りは、丘の上からダブル・グロスター・チーズという丸いチーズが転がされ、競技に参加する人々はそのチーズを追いかけて丘の斜面を転がるように降りていきます。丘の麓あるゴールラインを最初に超えた人がチーズを獲得できます。

 この競技の目的は、表面上はチーズを捕まえることですが、追いかける人々より1秒先にスタートするチーズが転がるスピードは最高で時速112キロにもなるため、事実上捕まえることはできません。昔は土地の人だけが参加する競技でしたが、今は誰でも参加することが可能です。過去にはテレビのバラエティ番組でタレントの宮川大輔さんが参加し、話題になりました。

 第二次大戦中は食べ物が配給制だったことがあり、1941年〜1954年の間はチーズの形を模した「木製チーズ」が使われていました。この木製チーズの中心にある空洞にはチーズのかけらが入っていました。

 

 

 

トマト祭り

La Tomatina

 

開催場所:スペイン/バレンシア州 ブニョール

開催時期:毎年8月の最終水曜日(2020年は8月26日)

参考ウェブサイト:https://www.latomatinatours.com

 

 スペイン東部、バレンシア州の村ブニョールでは、毎年8月、完熟トマトをぶつけ合う収穫祭「ラ・トマティーナ」が開催されます。前夜祭では、イルミネーションで飾り付けられた村に屋台が並び、移動遊園地などが来て、人々は集まって宴会を始めます。トマトをぶつけられたくないもの、通りに面している家の壁をトマトだらけにしたくない場合、市からの補助金でビニールシートなどで保護することができます。

 トマティーナ当日、まず最初に行われるのは「パロ・ハボン(石鹸棒)」というイベントです。朝9時頃になると、村中に先端に生ハムがくくり付けられた高さ数メートルの木の棒が立てられます。人々は生ハムを取ろうと棒を登りますが、棒は石鹸を塗って滑りやすくしてあるため、誰かが生ハムを取るまで、早くても数十分はかかるのだそうです。パロ・ハボンの最中は、住人は上の階の窓から通りに集まった人々に向かってバケツの水をかけたり、ホースで放水したりします。

 生ハムが取られた後、群衆はトマトを求めて声をあげ、それを合図に役場が号砲を鳴らし「トマティーナ」が開始されます。その後、熟しすぎたトマト約160トンを満載した数台のトラックが村の中心部を走り抜け、荷台に乗った役場の職員がトラックの外にトマトを投げます。群集はそれを拾い、老若男女問わず互いに投げ合います。トマトが減ってくると、トラックの荷台が傾けられて、残りのトマトが一気に落とされ、村中が真っ赤に染まります。

 

 

 

カミキリムシの幼虫祭り

Bancoule Worm Festival

 

開催場所:ニューカレドニア/南州 ファリノ  

開催時期:毎年9月

参考ウェブサイト:https://www.newcaledonia.travel/ja/events/bancoule-worm-festival

 

 ニューカレドニア南州にあるコミューン、ファリノでは、毎年9月、「カミキリムシの幼虫祭り」が行われます。この祭は、ファリノに住むフォリアニさんという老婦人が、カミキリムシを奉る祭の開催を提案したことで始まったものです。この祭りは、まず「カミキリムシの幼虫探し競争」から始まります。「バンコールアブラギリ」という柔らかく湿った樹の幹を斧で割り、幼虫を探しますが、大きなものは体長7、8センチ、直径2センチにもなります。

 見つけた幼虫は一旦カゴに集められ、次のイベント「生きた幼虫早食い競争」に使用されます。一皿につき10匹ずつの幼虫が盛り付けられ、1番早く平らげた人が優勝というシンプルなルールながらも踊り食いせねばならないという過酷な競争。幼虫系の味としてよく言われるのが「ヘーゼルナッツのような味」ですが、カミキリムシの幼虫も例に漏れないのだそう。

 屋台では、すりおろしたココナッツにあえたり、パセリとレモンのバターで調理したり、パスティスというリキュールでフランベしたものを食べることができます。

カミキリムシの幼虫を探す人  出典:https://www.newcaledonia.travel/ja/culture-arts /bancoule-worm-festival

 

 

遊牧民の美男子コンテスト

Guérewol

 

開催場所:ニジェール/サハラ砂漠の南端  

開催時期:9月、梅雨明けの頃

参考ウェブサイト:https://web.archive.org/web/20111029012932/http://www.efi-news.com/ 2011/08/guerewol-festival-of-celebrating-beauty.html

 

 アフリカ大陸中央部のやや北西、ニジェールに住む遊牧民・ウォダベの人々は、毎年9月、梅雨明けの時期にサハラ砂漠の南端で美男子コンテストを開催します。コンテストは昼、夕、夜の1日に3回行われ、約1週間続けられます。若い男性たちは、日中は黄、夜は赤のファンデーションで念入りに化粧をし、ビーズの刺繍で飾られた衣装をまとい、頭にはてっぺんに白く大きな羽がついた白いターバンを巻いてコンテストに挑みます。

 美男子を選ぶのは、結婚前の若い女性たち。ウォダベでは、白い目と歯を持つ長身の男性が美しいとされており、男性たちは目を見開き、歯を見せながら、女性たちの前で背の高さを強調するようなダンスや歌を披露します。列になった男性たちは、拍手をし、地団駄を踏み、腕を組んでつま先で立ち上がったり揺れたりして踊りながら、打楽器のような減衰音の歌を歌います。長時間にわたるため、幻覚作用のある発酵樹皮の生薬を服用しながら歌い踊ります。

 このイベントは誰でも見学可能で、頼むと男性たちがしているのと同じ伝統的な化粧をしてもらえるのだそうです。

1997年、ニジェールで撮影された美男子コンテスト 出典:https://en.wikipedia.org/wiki/Guérewol#/media/File:1997_274-5_Gerewol.jpg

 

 

 

携帯電話投げ世界選手権大会

Mobile Phone Throwing World Championships

 

場所:フィンランド・南サヴォ県 サヴォンリンナ  

開催時期:毎年8月頃

参考ウェブサイト:https://www.savonlinnafestivals.com

 

 変わったイベントが多いフィンランドですが、その代表格といえるのがフィンランド南東部の都市・サヴォリンナで行われる「携帯電話投げ世界選手権大会」です。携帯電話を投げ、その飛距離やテクニックを競うという国際競技の大会で、2000年以来、ノルウェー、ベルギー、ドイツ、オランダなどヨーロッパ諸国で全国大会が行われています。各大会の優勝者は、毎年夏にフィンランドで行われる世界大会への参加権を手にします。各国の大会は携帯電話リサイクル団体が協賛しており、リサイクルの宣伝にも一役買っています。

 携帯電話投げの競技は4つのカテゴリーに分かれており、上手投げで飛距離を競うオリジナル部門、電話を投げる際のポーズの独創性と美しさを競うフリースタイル部門、最高3人までの競技者がそれぞれ1度だけ電話を投げて、その合計飛距離を競うオリジナル・チーム部門、12歳以下の子どもが対象で飛距離を競うジュニア部門があります。

 競技で使う携帯電話は、重さ220グラム以上ならどんな携帯電話でもOK。各大会によって、自分が好きな電話を選べるもの、主催者側が用意するもの、1種類しか使用しないものなどがあるようです。

出典:https://japaneseclass.jp/trends/about/携帯電話投げ

 

 

 

いす−1 グランプリ

 

開催場所:日本・全国各地

開催時期:年中(2020年の直近開催日は3月29日/京都京田辺大会)

公式ウェブサイト:https://isu1gp.com

 

 知る人ぞ知る「いす−1グランプリ」は、3人1組のチームが交代で事務イスに乗り、2時間でコースを何周回れるかを競うレースです。主催は日本事務いすレース協会(JORA)で、2010年に京都府京田辺市で始まりました。性別・国籍不問で、高校生以上なら誰でも参加することができます。公式ウェブサイトでは、このレースの目的を次のように説明しています。

 「日本事務いすレース協会(JORA)は、どんなに過酷な状況下においても決してあきらめない大人の背中を子供たちに見せる事を通じ、全国各地の青少年の健全育成と、地域経済活性化を目的として設立するものとする。 また、我が国における各種事務椅子競技を統括し、代表する団体として事務椅子競技の普及及び振興を図り、競技者を育成強化し、事務椅子競技を通じて、国民の心身の健全な発展に寄与し、また豊かな人間性を涵養することを目的とする」。

 ちなみに、ドイツ、スイスを中心としたヨーロッパ各地では、170メートルほどのコースを一気に駆け抜け、速さや椅子のデザインを競う事務イスレースがあります。こちらは世界選手権大会も開かれているのだそうです。

2019年に開催された岩手奥州GPのPRポスター 出典:https://isu1gp.com

 




【参考URL】2020年2月18日アクセス

・「体験談 世界3周目に突入する奇祭ハンターが選ぶクレイジーなお祭り30選!」https://tripler.asia/festival30/

・「世界のクレイジーなお祭り22選 人生で1度は参加してみたい!」https://wondertrip.jp/558/

・「カミキリムシの幼虫祭」https://www.newcaledonia.travel/ja/events/bancoule-worm-festival

・いす−1グランプリ https://isu1gp.com

・“Cooper’s Hill Cheese-Rolling” https://www.atlasobscura.com/places/coopers-hill-cheeserolling

・“What Happens at La Tomatina“ https://www.latomatinatours.com

・“Festival Cascamorras“ https://www.andalucia.com/guadix/festival-cascamorras.htm

・“In Finland, Mobile Phone Throwing Is A National Sport”https://www.techtimes.com/artcles/85527/20150922/in-finland-mobile-phone- throwing-is-a-national-sport.htm

 

画像出典:Public Domain, Wikipedia, Pixabay, Shutterstock 他

 

(日刊サン 2020.2.22)

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