伝統的な 日本の遊びと 玩具

 02/09/2019

「遊び」という言葉は、神道の儀式に由来します。古代、神事として行われていた歌舞や直会はいつしか単独の行事になり、余興や宴会へと発展していきました。今回のエキストラ特集では、古代日本で行われていた遊びや、コマ、けん玉、凧などの伝統的な玩具の由来をご紹介したいと思います。

 

 

「遊び」という言葉

「遊び」の由来は神道の儀式

「遊び」の語源は、古代皇室の葬送儀礼である殯(もがり)の際、神事を行った品部「遊部(あそびべ)」と言われています。「遊」という漢字は、「しんにょう」にゆれ動くという意味と音を表す「斿(ゆう)」で構成されており、「遊ぶ」の他に「ゆっくり道を行く」という意味もあります。

 

 

「遊戯」の由来は仏教用語

 子どもの「おゆうぎ会」などに使われている「遊戯」という言葉は、遊び戯れる、音楽などに合わせて身体を動かすという意味があります。明治時代以前は「ゆげ」「ゆうげ」と読んでいました。遊戯(ゆげ)は、遊化(ゆけ)と言われる仏教用語が由来です。遊化には「さまざまな束縛から脱して何にもとらわれない仏の境地に至る」「仏の境地に遊ぶ」という意味があります。

 

 

「遊」が付く二字熟語

【外遊(がいゆう)】 

政治家などの公人が、視察、交渉、研究など、使命を持って外国を旅することをいいます。本来は外国を旅したり、留学したりするという意味。

 

【吟遊(ぎんゆう)】 

各地を巡り歩きながら、詩歌などを詠むこと。中世ヨーロッパでは、神話、歴史、法律、最近の出来事などを詩や歌にして伝え歩く、吟遊詩人という職業がありました。

 

【春遊(しゅんゆう)】 

春、山野を歩いて花を楽しんだり、花の側で宴を楽しむこと。

 

【漫遊(まんゆう)】 

気の向くままに、各地を巡り歩くこと。

 

【遊学(ゆうがく)】 

故郷を離れ、外国で勉強をすること。中国では、留学ほど本格的ではないが、何かを学ぶことを目的とした旅のことを指します。

 

【遊興(ゆうきょう)】 

遊び興じること。料理屋や待合で酒色に興じること。

 

【遊歴(ゆうれき)】 

各地を巡り歩くこと。

 

 

 

古代日本の遊び

●相撲  

古墳時代、相撲は既に神事に関わる儀式として存在していました。兵庫県西宮山古墳から出土した6世紀の土器には、相撲を取る人物や鹿狩りの様子がかたどられた飾りがついています。

 

 

●踊りや歌  

踊りや歌も、古代においては神に捧げるための儀式でした。京都府のトヅカ古墳からは歌舞をする人々が表された5世紀の銅鏡が、石川県の和田山古墳からは6世紀に神楽で使われたとされる、鈴のついた青銅製の腕輪が出土しています。神事としての歌舞は、やがて酒宴の余興としても催されるようになりました。

 

 

●酒宴  

元々酒宴は、神饌の酒や食物をいただき、神と飲食を共にする直会(なおらい)という行事でした。直会はやがて、神事の後の酒宴になり、行事として酒宴が行われるようになりました。酒宴では趣向を凝らした酒器や食器も楽しまれました。

 

 

 

●遊山  

遊山とは、気の向くまま山野に出かけ遊ぶ、気晴らしに遊びに行く、という意味です。元々は禅宗の仏教用語。遊山の「山」はお寺のことで、ひとつの寺で修行を終えた後、他の山(寺)へ修行へ行くという旅を指す言葉でした。

 

山の自然の美しさを濁りのない心で愛でつつ悠々と過ごすという意味もあります。日本では、古くから春は花見、秋は月見などで遊山が楽しまれていました。

 

 

●組香  

組香とは、さまざまな種類の香を聞いて楽しみ、香の種類を言い当てる遊びです。古代インドの香木が中国へ伝わり、それが飛鳥時代に仏教と共に渡来し、仏事で香木が焚かれるようになったことが起源とされています。

 

平安時代には仏事を離れ、香りを聞いて鑑賞する宮廷遊戯になり「薫物合せ(たきものあわせ)」と呼ばれていました。飛鳥時代の宗教の香、平安時代の貴族の香、鎌倉時代の武士の香と、時代を経るに連れて香の風情や種類も多くなります。そこに禅の教えが加わり、室町時代に贅を極めた芸道として香道が誕生しました。

 

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