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Dr. 吉木の美容塾 | Vol.1 美白化粧品より、帽子が効く

 06/13/2019

美白化粧品(bleaching cream)は、 消しゴムではない

シミができたとき、多くの女性が真っ先に思い浮かべるものは、美白化粧品でしょう。美白化粧品を使うのであれば、美白化粧品とは何かを知らないといけません。

 

 美白化粧品は、消しゴムのようにシミを消してくれるものと思っている人が多いですが、そうではありません。美白成分(bleaching agents)は、肌の奥でメラニン色素を作る工場の邪魔をするものです。

 

 メラニンが減ればシミは薄くなる、そうなるはずですが、多くの女性がすでに経験しているように、美白化粧品を塗ってもシミはなかなか薄くなりません。先に述べたように、紫外線でできたシミは、皮膚の形そのものが変化しています。表皮が奥の方へ向かって厚くなり、メラニン細胞の数も増えています。この状態で美白化粧品を使っても白くならないのは、陽に当てて繊維まで傷んだカーペットを漂白剤でシミ抜きしても新品にはならないのと同じです。 シミとは、皮膚の色だけの変化ではなく、皮膚全体が変わってしまったものと考えてください。

 

 紫外線を浴び過ぎると、皮膚ガンができると言われます。シミは、極端にいうと、皮膚ガンへ向けて組織が少し変化したものです。そのままどんどん強い紫外線を当て続ければ、ガンに変わっていく可能性もあります。

 

 

できたシミを消すにはどうしたらいいか?

老化した細胞ごと、取り去るしかありません。つまり、レーザーで取ることになります(laser removal)。

 

 レーザーは、黒い皮膚だけを焼いて、かさぶたにして取り去ってしまいます。ただし、肌全体が日焼けしている人には、レーザーは適しません。レーザーは黒い色素に反応するので、白と黒のコントラストがはっきりしているものがとれやすく、色の差があまりないものはとれにくいのです。

 

 つまり、日焼けした肌に黒いシミがあるような状態でレーザーを当てても、なかなかシミは取れません。レーザー治療をするためには、まず紫外線対策を完璧にして、地肌を白くする必要があるのです。

 

 一年中、美しいサンシャインに恵まれたハワイで直射日光を遮断し、シミ・シワのない美肌を保つのは相当ハードルが高いですね。部屋の中も窓際や明るい場所にいたら紫外線を浴びます。車の中も、UV加工した窓を閉めていても光老化の影響を受けます。

 

 また、体質によってはレーザーでシミを取ってもまたすぐできてしまう人もいます。血液や体液の循環が滞りがちな、漢方でいうところの“瘀血(おけつ)”体質の人などです。こういう人はまず体質改善から取り組まなければなりません。

 

 

次回は正しい紫外線対策についてさらにお話ししましょう。

 

 


横浜市立大学医学部卒業後、慶応義塾大学病院 皮膚科学教室に入局。さいたま市立病院などに勤務する中、米国オハイオ州クリーブランドクリニック形成外科、日本漢方研究財団附属渋谷診療所にて、美容医療および東洋医学の研修を行う。 1998年東京銀座に『よしき皮膚科クリニック銀座』開業。 現在は、レーザー、ケミカルピーリングなどの美容皮膚科学と漢方を取り入れた皮膚科治療を行うかたわら、多くのTV、書籍、雑誌などのメディアを通じて正しいスキンケア方法について語る。皮膚科医ならではの科学的な見地に基づいたアドバイスには、著名人をはじめとした多くのファンがいる。ハワイのKZOOラジオ『生島ヒロシのおはよう一直線』にも出演している。 著書に『今夜、肌のためにすべきこと』、『美容皮膚科医が教えるあこがれ「美人」のつくりかた』、『いちばん正しいスキンケアの教科書』など多数。

 


 

(日刊サン 2019.06.13)

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