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マインドフルネス その効果と実践方法

 12/23/2019

 師走も半ばを過ぎ、年末年始に向けて日々忙しく過ごされている方も多いのではないでしょうか。忙しいときは気分もせわしなかったり、ストレスが溜まったりしがちですが、そんな方にお勧めなのが「マインドフルネス」です。脳を活性化させ、ストレスをたまりにくくしたり、仕事のパフォーマンスを上げる効果があり、アメリカでは医学療法やビジネスの世界で活用され、Googleなどのグローバル企業でも取り入れられています。日本でもIT企業を中心にマインドフルネスを社員研修に用いる会社が増えているようです。

 

 マインドフルネスとは

 マインドフルネスは、仏教の瞑想実践法をルーツとして生み出された「今この瞬間の自分の体験や状態に意識を向け、評価やとらわれのない状態で心を整える方法」のことです。例えば、今、あなたは何を考えていたでしょうか。

 私たちはこの瞬間を生きているものの、その思考は、さっき会った人のことや、今夜の晩ご飯、明日のスケジュールなど、過去や未来のことを考えていることがほとんどです。特に昔の失敗や将来の不安など、ネガティブなことほど深く長く考えてしまいがちですよね。しかしこれは、自分自身で余計な不安やストレスを増やしていることに他ありません。こういった「心ここにあらず」の状態から脱出し、気持ちを「今」だけに向けた状態を「マインドフルネス」といい、その状態に達する手段として瞑想が行われます。

 科学的な研究も進んでおり、ストレスの改善に効果的という報告も多々あります。また、うつ病などの精神疾患の予防や痛みの管理など、医療の分野でもその有効性が認知されています。

 

MEMO

マインドフルネスの定義

 早稲田大学人間科学学術院教授の熊野宏昭氏は、マインドフルネスを「自らの体験(自分自身をとりまく環境や自分自身の反応)に、リアルタイムで気づきを向け、評価や判断を加えずにそのまま受け止め、味わい、手放すこと」と定義しています。

 

 

 マインドフルネス瞑想のポイント

①自分の感覚や思考を観察してみる

 自分が「今、何を考えているか」「何を感じているか」など、今現在の体験を観察してみます。自分を少し離れた場所から観察し、その様子を実況する「もう一人の自分」を創造してみましょう。

 

②評価や判断を避ける

 例えば、過去のことを思い出して腹立たしさが湧いてきたとき「私はなんてだめな人間なのだろう。とっくに過ぎ去った昔のことで、こんなに怒っているなんて」と思うことがあるかもしれませんが、この思考が「評価」と「判断」に当たります。そういう考えになってしまわないよう、怒りを感じたら「私は今、怒っている」と、その感情を単純に受け入れるようにしてみましょう。

 

③体験や状態を細かく感じ取ってみる

 例えば頭痛を感じた場合、「あまりひどい痛みでもないから放っておこう」と意識的に避けずに、「頭のどの部分が、どんな風に痛いのか」など、細かく観察しながらありのまま感じるようにしてみましょう。

 

④体験や感情をコントロールしようとしない

 過去の悲しかった体験から思い出される感覚、感情、思考などは今すぐにでも忘れたいものです。一方で、嬉しかった体験はいつまでも覚えておきたい。しかし、これらを意識的に忘れたり、消したり、覚えておいたり、執着したりするのを避け、どんな体験でも自然に消え去っていく様を観察するようにしましょう。

 

 

 

 マインドフルネスの効果

①自分自身への思いやりが深まる

 日常的にマインドフルネスを実践していると、例えば悲しい出来事が起こったとき「私は今、悲しんでいる」と、その瞬間の体験や感情をありのまま受け入れられるようになります。自分の悲しみを客観視しながら受け入れると「悲しんでいる自分をどういう風になぐさめたらよいだろう」など、回復へ向けた次の行動を考えることができます。

 ネガティブなことは早く忘れたいし、悲しみの感情も消してしまいたいものですが、そこで無理に「なかったこと」にしてしまうのは禁物。感情を押し込めてしまい、ケアすることもできなくなります。どんな出来事でも受け止めて感じることは、自分を思いやり、問題を解決することへの糸口になります。

 

②自分自身への理解が深まる

 私たちが考えたり、感じたりということは意識せずに行われているため、自分自身の思考や感情に気がつけないことがあります。マインドフルネスを実践していると、こういった自己理解ができるようになります。

 例えば、夜、寝床に入っても中々眠れない不眠症の人がいるとします。その人は、寝る前に今日起こったことや反省点、明日の予定について考えているため眠れなかったのですが、それに気がついていませんでした。その後、マインドフルネスを実践し、自分を客観視したことで不眠症の原因に気がつくことができました。マインドフルネスを通して自分自身への理解を深めることは、悩みやストレスの解決に繋がります。

 

③毎日を楽しめるようになる

 マインドフルネスの実践によって、自分の思考や身体の感覚に意識を向けることを習慣化すると、それまで無意識で行っていたことが新鮮に感じるなど、日常生活にポジティブな刺激を感じられるようになります。  例えば、つい後回にしがちな家事ですが、掃除機を使うときは掃除機の重さや動きを感じ、洗濯物を畳むときは手触りや洗った後の香りを、食器を洗うときは皿の汚れの度合いや水の温度などを感じとるようにしてみます。そうすると、今まで億劫に感じていた家事から新しい発見や気づきが得られます。毎日意識せずに行っていたことが、マインドフルネスによって新鮮に感じられるようになるでしょう。

 

—コラム アメリカにおけるマインドフルネス—

 マインドフルネスは、アメリカで体系化された後、欧米諸国や日本に広まった精神療法です。アメリカでは、1965年に移民国籍法が成立して以降、アジア地域からの移民が増加したことを背景に、精神的なものを含むアジア文化への関心が高まっていきました。

 それと同時に、ドイツ人のスリランカ上座部仏教僧、ニャナポニカ・テラや、ベトナム人の禅僧ティク・ナット・ハンを始めとした仏教の僧侶たちによってマインドフルネスに関する英語の本が多く出版され、英語圏の国々でマインドフルネスが知られるようになりました。

 また、分子生物学者のジョン・カバット・ジンが、1979年、マサチューセッツ大学で、「マインドフルネスストレス低減法(MBSR)」を体系化しました。MBSRの基本理念はジンが学んだ中国の禅宗五家の1つである曹洞宗にありましたが、アメリカでは生活や文化における仏教的な要素が希薄だったこともあり、仏教色が排除され、現代的にアレンジされたものでした。その目的は「自分」を中心に据えた自己成就、自己修養、自己増進にあり、新しい精神療法、行動療法として広まっていきました。

 

マインドフルネス瞑想を実践してみよう!

音に集中する瞑想

 この瞑想は「1つの音に集中する→聴く音を10秒間隔で別な音に切り替える→聞こえるすべての音を同時に聴く」という流れで行います。聴く音は何でもOK。YouTubeなどで「自然」「音」と検索して小鳥の声や川の音が聴ける動画を再生したり、クラシック音楽を聴いて楽器の音を聴き分けたり、ビーチや家の中で自然に聴こえてくる日常の音を利用してもよいでしょう。

①まず、色々な音が聞こえる中から、1つの音を選びましょう。その音を1分ほど集中して聴きます。これを3回繰り返します。

②その後、集中して聴く音を、約10秒間隔で別な音に次々と切り替えていきましょう。

③最後に、聴こえる音すべてを同時に聴くようにします。

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