私の旅ストーリー Vol.64 ノープランな時間

 11/06/2017 : 172 Views

計画していない面白いことが、人生には多々起こる。  

先週末は、NYのスタジオで創作をする予定にしていた。しかし、朝起きると久々に暖かく、澄み切った青空が広がる最高のお天気。「公園で森林浴したり、太陽を浴びてリラックスしたいな。」と思うとほぼ同時に、夫アダムが、「今日は予定を変更して、快晴を楽しまない?」と言ってきた。夫と私はいいタイミングで波長があう。  

誰かと会う約束や、すでに予定が入っている場合を除き、自分だけのスケジュールは調整が可能だ。  

決めたら早い。身体を動かせる心地よい服を身に着け、いざ出発。まずは、行き先を決めずに、自転車に飛び乗った。NYは、至る所にシティーバイクと言う便利なシェア自転車がある。1日だけもok、1年間の乗り放題プランもある。シティーバイクは、私たちの生活の一部となり、ほぼ毎日利用している。  

 

自転車に乗り20分程走ると、馬車が道を横切り始めた。セントラルパークが近づくにつれて、NYタクシーやバス、車に混じって馬が走る。NYCでは、自転車は車道を走るのが法律上の決まり。信号待ちをしていると、真横で信号待ちをしていた馬と目が合った。優しく澄んだ瞳がじっとこっちを見つめる。これも、ノープランの中で起きた面白い体験だ。  

せっかくなので、久々にセントラルパークへ行こうと、ヨーコ・オノが住んでいるダコタの前に自転車を停めた。ジョンレノンのメモリアル、ストロベリー・フィールズを通って中に入ると、ランニングをしている人、芝生の上に寝っ転がっている人、DJが入ってローラースケートパーティーをしている中高年たち、ボートに乗っている人、もう、とにかく、思い思いにやりたいことをやっている姿が目に飛び込んで来た。  

様々な音が耳から入る中、私たちが反応したのは優しいトランペットの音色。吸い寄せられるように、ミュージシャンたちが演奏している前までたどり着いた。ジャズセッションで、今、この瞬間だけに生み出されて行く音のひとつひとつを味わいながら、気づくと、一期一会のその音と、二度とは戻らない今日という日を重ね合わせていた。  

その後、このトランペットプレイヤーと不思議なご縁で繋がることになる。計画していなかった予期せぬ人生のギフトに繋がるのだが、それはまた別の機会に書きたいと思う。  

 

ノープランで過ごすと決めたことで、思いがけない出逢いや体験が起こり、ワクワクする将来の1ページがまた新たに描き変わった。計画ばかりに集中していると、決して起こりえなかった出来事だ。頭と心をフリーにして、柔軟に計画のない時間を過ごすことは、とても大事なことだと改めて実感した。

 

(日刊サン  2017/6/14)

 

大森 千寿

香川県生まれ。一人っ子。8才の時に韓国ホームステイを経験。12才の夏休みはオレゴン州にホームステイ。16才でオレゴン州のハイスクールに1年間留学。2003年自分探しで訪れたNYで運命の人と出逢い国際結婚。2010年ハワイにホテルコンドミニアムを購入したことがきっかけとなり、ハワイで過ごす時間が増える。現在はアーティストで夫のアダムウェストンのマネージメントをしながらハワイ、NY、日本を拠点に活動中。

www.chizuomori.com

 


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