私の旅ストーリー Vol.39 銭湯で学んだこと

 06/19/2017 : 245 Views

 

温泉が気持ちいい季節になってきました。日本に帰ると楽しみなことのベスト3のうちの一つ、それは温泉めぐり。  

実家のある香川県から車ですぐの距離にいい温泉がたくさんあります。  

 

温泉もいいですが、銭湯も侮れません。夫のアダムはアメリカ人ですが、日本のお風呂が大好きな人。最低でも2〜3時間は出てきません。先日も、家から車で15分程の場所にある銭湯に一緒に行ってきました。  

外の露天風呂でリラックスしていたら、四国へ八十八カ所参りの為に茨城県から来ているという60代半ばくらいの女性が隣いに居た同世代の地元女性と話をはじめました。  

ちょうど、露天風呂には子どもがたくさん入っていたことから、話題は子どもの話へ。息子がなかなか結婚しないこと、孫が生まれないこと。ないないのオンパレードから始まり、話は今年73歳でパパになったミックジャガーにまで及び、恥ずかしいとか、子どもがかわいそうだとか(笑)。  

嫌でも耳に入ってくる話に少ししんどくなり、もう出ようかなと思い始めた時、私のすぐ隣で露天風呂に浸かっていた6歳くらいの女の子が、可愛い花をつけた椿の木に向かって話しかけはじめました。

「はじめまして。私の名前はひかるって言うの。あなたは? 私はあなたたちを助けにきてあげたのよ。私は警察なの。何かあれば何でもいってね。」  

彼女は警察官になりきった様子でひたすら想像力を膨らませ、次々と話を作り、ツバキの花に話しかけています。警察官の次は、看護師さん。その次は、お医者さん。その光景が、とにかく可愛かった! そういえば、私も小さい頃は誰かになりきって、真似してよく演じていたなぁ〜、なんて想い出しました。  

小さい頃は、大人になったら何にでもなれると思っていました。一体、いつの間に限界を自分で決めつけるようになったんだろう。これはできない、あれはよくない、って誰が決めたんだろう。彼女のかわいらしい小高い声を聴きながら、私にも、昔からなりたかったものやこうなりたいと思っていた自分のあれこれを思い出していました。  

 

誰もが自分の人生を生きている。自分を主役と考えるなら、どんなストーリーを生きたいだろう…。  

小さな女の子の限りない想像力に刺激された私は、温かいお湯に浸りながらひとり、無限のイマジネーションを繰り広げては、ワクワク。  

女の子のおかげで、とっても楽しい夜になりました。 

 

 

(日刊サン 2017/12/19)

 

大森 千寿

香川県生まれ。一人っ子。8才の時に韓国ホームステイを経験。12才の夏休みはオレゴン州にホームステイ。16才でオレゴン州のハイスクールに1年間留学。2003年自分探しで訪れたNYで運命の人と出逢い国際結婚。2010年ハワイにホテルコンドミニアムを購入したことがきっかけとなり、ハワイで過ごす時間が増える。現在はアーティストで夫のアダムウェストンのマネージメントをしながらハワイ、NY、日本を拠点に活動中。

www.chizuomori.com

 


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