私の旅ストーリー Vol.36 風にのる

 07/10/2017 : 267 Views

日本に一時帰国中、久し振りに大学の先輩で実業家の育子さんが所有するヨットに誘って頂き、瀬戸内海をセーリング。つかの間の小旅行へと出掛けました。  

 

私の生まれ育った香川県は、瀬戸内海に面した日本一面積の狭い県で、高松市内の実家からは自転車で15分も走ると海に行ける距離にあります。  

高校時代は授業終わりに友人たちと、「語りにいこう」と言って自転車で海岸沿いまで行き、瀬戸内海の潮風を浴びながら、将来のことを話し合っていたのは今でも照れくさいような、懐かしい思い出です。  

瀬戸内海には大小あわせてなんと600を超える島々が点在していて、中でも160ほどの島では人々が暮らしているそうです。  

子どもの頃は夏休みになると、高松市の港からフェリーに乗って約20分、鬼ヶ島こと女木島の海水浴場へよく遊びに連れて行って貰っていました。しかし、大人になるに連れて、忙しさを理由に島へ行く機会もめっきり減り、瀬戸内の島々を偶に高松駅周辺から眺めては癒され、それで満足するようになりました。  

近くに住んでいながら島を眺めるだけだなんて、もったいないな〜。そう考えると、近くだからこそ見えていないことって、自分が思う以上にたくさんあるのかもしれませんね。  

 

再び、時間がタイムスリップしたような島々を巡る楽しさを教えて貰ったのは、今から7年ほど前。育子さんに出会ってから。  

先日は、ヨットで直島へ行く予定でしたが、いつ雨が降り出してもおかしくない、あいにくのお天気でした。急遽、島へ行く予定を変更し、ハーバーを出て少しセーリングを楽しんだ後は、思うがままにヨットに揺られ、しばらく身を任せて時間を過ごしました。  

上下に揺れて見える島々をぼんやり眺めていると、以前、育子さんが話してくれた、こんなことを想い出しました。

「セーリングは、人生と同じ。自ら舵をとって、行きたい場所へと向かうことができる。しかし、相手は大自然。突然風向きが変わったり、突風に煽られたり、自分で思うようにコントロールできない予期せぬことも起きる。そんな時は、多少の遠回りも必要だし、風を読んで次の一手を冷静に考えなければならない。人生も同じ。回り道にみえる出来事でも、すべては意味があり必要なこと。そして、意志がある限り、目指す所へは必ず到着できる。」  

私の母親と同じ歳。しかし、まだまだ新しい会社を興し、エネルギッシュに次々と夢を実現されている育子さんの言葉は、私の心を蘇らせてくれました。  

そうだ。いつもと違うことを体験すると、新しい世界が見える。新しい世界が見えると、今まで気づいていなかったまた新しい自分の一面と出会える。……日々成長。

 

(日刊サン  2016/11/28)

 

大森 千寿

香川県生まれ。一人っ子。8才の時に韓国ホームステイを経験。12才の夏休みはオレゴン州にホームステイ。16才でオレゴン州のハイスクールに1年間留学。2003年自分探しで訪れたNYで運命の人と出逢い国際結婚。2010年ハワイにホテルコンドミニアムを購入したことがきっかけとなり、ハワイで過ごす時間が増える。現在はアーティストで夫のアダムウェストンのマネージメントをしながらハワイ、NY、日本を拠点に活動中。

www.chizuomori.com

 


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