私の旅ストーリー Vol.31 アメリカンドリーム

 08/21/2017 : 261 Views

先日、仲のいい友人のひとりが、晴れてアメリカ国籍を取得し、お祝いのパーティーに駆けつけました。  

カリナが故郷ポーランドからNYCにやってきたのは、今から15年前。最初は旅から始まり、学生ビザ取得、その後、結婚。今では、幼い二人の娘の母親でもあります。  

今まで永住権(グリーンカード)は持っていたけれど、なぜ今このタイミングで、アメリカ国籍を取ろうと思ったのか聞いてみました。  

一つは、今回の白熱しているとても大事な大統領選に、自分の一票を投じる権利が貰えること。そして何より、今まで家族で一人、国籍が違っていたことが悲しかったこと。愛する夫と娘たちと同じ国籍になりたかったのだと語ってくれました。  

 

パーティーでは、“USA”とどでかく書かれたキャップに、マグカップ、アメリカの国旗など、家族や友人からプレゼントされたアメリカ人ならまず買わないであろう(笑)コテコテのアメリカ土産グッズに取り囲まれながら、カリナは満面の笑み。しばらくすると、嬉しそうに彼女がバッグから取り出したのは、ピカピカのアメリカパスポート。  

アメリカのパスポートは、絵本みたいで、一枚ごとにアメリカ各地のシンボル的風景が印刷されていて、ページを開くのがとても楽しい。まだ、ひとつもスタンプが押されていない真新しいページを一枚ずつ捲りながら、なんだか、これからの彼女の希望に満ちた、新しい人生のページを一枚ずつ捲っているような感じがして、感慨深い気持ちになりました。  

そして、最後のページは、なんとムーン、月! カリナと二人で、なんともアメリカらしい終わり方をしているパスポート、その最後の月のページを眺めながら、自分たちの将来について語りました。働くこともできず、友人も知り合いも誰一人いない街で、語学学校に通い始めたのが15年前、そして、念願のアメリカ人になれた喜び。そして、彼女はすでに次の夢に向かって走り出している。

 

「チズ、諦めなければ、夢は叶うんだね!」  

レストランからの帰り道、冷たい夜風を切ってハドソンリバー沿いを自転車で走りながら、遠くに、ちらりと青白い光に照らされた自由の女神の姿が見えた頃、カリナが最後に私に言ってくれた一言が頭の中をこだましました。  

「ゆめは、かなう。ぜったいに。」  

 

私もこの街で叶える夢がある。だから、諦めない。今日も、この街に世界中からアメリカンドリームを求めて多くの人がやってくる。尽きることを知らない、マンハッタンの煌々と輝くゴージャスな高層ビルの夜景が、一段と私の気持ちを高揚させ、やる気を出させてくれるには最高のシチュエーションを与えてくれたのでした。

 

 

(日刊サン  2016/10/17)

 

大森 千寿

香川県生まれ。一人っ子。8才の時に韓国ホームステイを経験。12才の夏休みはオレゴン州にホームステイ。16才でオレゴン州のハイスクールに1年間留学。2003年自分探しで訪れたNYで運命の人と出逢い国際結婚。2010年ハワイにホテルコンドミニアムを購入したことがきっかけとなり、ハワイで過ごす時間が増える。現在はアーティストで夫のアダムウェストンのマネージメントをしながらハワイ、NY、日本を拠点に活動中。

www.chizuomori.com

 


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