私の旅ストーリー Vol.28 NYの紳士

 09/11/2017 : 211 Views

ここ数週間、NYは秋晴れの雲一つない、最高のお天気が続いています。気温が一気に下がってきて、厳しいNYの冬へと入る準備が、少しずつ整ってきたよ〜、と自然が知らせてくれている感じがします。  

 

先日、心あたたまる体験をしました。  

用事があって夫と近所に出掛けたときのこと。買い物を終えてお店を出ると、全く予期せぬ激しい雨が降っていました。ハワイみたいにスコールかも、、と、少し雨宿りしていましたが一向にやむ気配がなく、少し雨脚が弱くなったのを見計らって猛ダッシュ。  

ちょうど家の角に差し掛かったとき、高そうなスーツで全身きめた、男性の背後に近づきました。私はその方の後ろにいただけなのに、その男性の歩き方や雰囲気、ボディーランゲージから醸し出されている、普通の人とはちょっと違う、エグゼクティブなオーラみたいなものを感じました。  

走るのをやめて、その男性を、追い抜こうかどうしようかと一瞬迷っていたちょうどその時、向こう側から女性2人が傘を持たず、濡れる身体をバッグでカバーしながら、私たちの方へと小走りで向かってきました。  

すると、高いスーツのその男性、すれ違いざまに、自分の持っていたこれまた高そうな黒い傘を、そっと、濡れる女性2人に差し出し、何も言わずに自分は雨の中、隣のビルの中へと消えて行きました。一瞬の出来事でした。  

 

目の前で起こったこのスマートな対応! こんなことがさらりとできるなんて。高いスーツに身を包んだ外見だけでなくて、行動も一流でした。  

本物の紳士の姿を見せつけられ、感動し、家に着く頃には雨に濡れていることはもう、どうでもよくなっていました。  

マンハッタンは、大都会。時間の流れるスピードがとても速く、エネルギー渦巻く街です。NYという街は、他人に対してクールなイメージがありますが、実際は、見知らぬ人への親切がたくさん溢れる街です。  

人の思いやりに、ふと触れることの多い街です。  

だから、私はこの街が大好きです。

 

 

(日刊サン  2016/9/26)

 

大森 千寿

香川県生まれ。一人っ子。8才の時に韓国ホームステイを経験。12才の夏休みはオレゴン州にホームステイ。16才でオレゴン州のハイスクールに1年間留学。2003年自分探しで訪れたNYで運命の人と出逢い国際結婚。2010年ハワイにホテルコンドミニアムを購入したことがきっかけとなり、ハワイで過ごす時間が増える。現在はアーティストで夫のアダムウェストンのマネージメントをしながらハワイ、NY、日本を拠点に活動中。

www.chizuomori.com

 


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