私の旅ストーリー Vol.10 チャレンジとチェンジと成長と

 05/16/2016 : 179 Views

 先日、仕事で滞在しているNYで、思いがけず嬉しい再会がありました。私の恩師、Akiraさんがマンハッタンで個展のため、ノースキャロライナ州からNYCに数日間戻って来られたのです。

 

 今から15年ほど前、私はNYCに住んでいたことがあり、陶芸の創作を行なっていました。その時の先生がAkiraさん。アメリカ在住30年を越える日本人。陶芸家でありプロのミュージシャンでもあり、いつも朗らかで型にはまらない豊かでクリエイティブな生き方をされている方です。

 ある日、Akiraさんが、次なるステップの為、ブルックリンの自宅を売って家族でアッシュヴィルというクラフトアートと音楽の街に引っ越すことを決断されました。出発の日が近づいた、最後の陶芸クラスが終わった帰り道、Akiraさんからブルックリンにスタジオを持たないかと打診がありました。Akiraさんが使っていたスタジオのスペースを、私が使わないかと誘ってくださったのです。

 やりたいというワクワクした気持ちと、現実は家賃を支払いながら、一人で独立してやっていけるのかという不安とが入り交じり、しばらくの間、沈黙。当時の私は、陶芸を始めてまだ1年。それなのに、もう自分のスタジオを持つなんていいのだろうか?という疑問が有りました。何年もかけて下積みをし、師匠に弟子入りをして教えを請う…陶芸の世界というものはそういう世界だと昔、誰かから聞いたことがあり、そう思い込んでいました。  

 黙っている私を横に、Akiraさんはこう続けました。 「もし、今よりも上へ行きたかったら、自分が少し届かないかもしれないと思う環境に身を置くことは、大切なことだよ。新しいことにチャレンジする時は、不安や怖い気持ちは、誰にだってついてくる。でも、心地いい場所から抜け出して、チャレンジしていかないと、成長しないし、次の世界は味わえないよ。」  

 この一言を聞いて、私の決心は固まりました。そして、「やります!」とAkiraさんに伝えたのです。  

 スタジオを持つと、Akiraさんの言葉通り、そこには新たな世界が広がっていました。もちろん、困難なこともありましたが、成長の糧となる経験をし、新たな出逢いがあり、そして、ご縁が広がり作品のオーダーをたくさんいただくようになったのです。  

 

 15年経った今でも、Akiraさんから頂いたこの言葉は、私を次なるステージへと導いてくれています。そして、あの時の決断と同じように、「よし、やろう!」と一歩を踏み出す勇気を与えてくれるのです。

 

つづく

 (日刊サン  2016/5/16)

 

大森 千寿

香川県生まれ。一人っ子。8才の時に韓国ホームステイを経験。12才の夏休みはオレゴン州にホームステイ。16才でオレゴン州のハイスクールに1年間留学。2003年自分探しで訪れたNYで運命の人と出逢い国際結婚。2010年ハワイにホテルコンドミニアムを購入したことがきっかけとなり、ハワイで過ごす時間が増える。現在はアーティストで夫のアダムウェストンのマネージメントをしながらハワイ、NY、日本を拠点に活動中。

www.chizuomori.com

 


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