移民法 Q&A No.47【H-1B、E-2、 L-1ビザ保持者に新たなグレースピリオドの設置】

 07/09/2017 : 2128 Views

ダリル・タケノ弁護士(右)

 

 

2017年1月17日からアメリカ移民局(USCIS)は新規則により、E-2(投資駐在員)、H-1B(特殊技能職)、L-1(企業内転勤者)等のビザ保持者を含め、特定の就労ビザ保持者が解雇された場合、60日のグレースピリオド(猶予期間)を設置しました。本記事では就労ビザ保持者が急に解雇された時、今まで直面してきた問題と新規則による変更について紹介します。

 

H-1B保持者の就労を中断した場合、USCISの今までの見解とは?  

USCISのかつてのポリシーの下で自己退職か会社都合による解雇を問わず、就労許可期間中にH-1Bビザ保持者の就労を中断した場合、その時点で外国籍者がステータス(滞在許可証)を失っていました。原則としてUSCISに申請する時、申請者が合法的に滞在しなければならないので、H-1Bビザ保持者がこのような状況になった場合、新たな雇用者への移行、及び、他のステータス(F-1学生ビザやB-2観光ビザ等)へ変更することがかなり困難でした。  

実際のところは新たな雇用者への移行申請を受理した場合、政府がケース・バイ・ケースの裁量により、短期間のオーバーステイを免除しましたが、これがどれほど申請者に不安をもたらしたか言うまでもありません。

 

雇用が早めに終了した場合、新規則が与えられた60日のグレースピリオド  

新規則の下で就労許可期間中に就労を中断した場合、最長60日までの合法滞在が認められます。その間に新しい雇用主を探し、雇用主変更の申請や他のステータスへの変更の申請を行うことが可能になりました。但し、この60日のグレースピリオドは1回の就労許可期間につき1度しか使えません。  

また、このグレースピリオドは就労許可期間中にしか与えれません。すなわち、例えば、就労を中断した時点で就労許可期間の残存日数が60日を下回る場合は、許可の期限までのグレースピリオドしか認められません。  

なお、新たな雇用者への変更申請がすでにUSCISに受領されているH-1B保持者を除き、グレースピリオド期間中に新しい勤め先で就労することはできませんのでご注意ください。

 

新規則では就労許可期間内の前後で10日のグレースピリオドも  

新規則の下でH-1B保持者と同様に、E-2、L-1等の就労ビザ保持者は就労許可期間内の前後で10日間のグレースピリオドも与えられます。それにより、就労準備のため、就労許可期間開始日の10日前よりアメリカへ入国が可能となりました。  また、就労許可期間終了後は、10日の合法滞在が与えられ、その間に滞在延長、ステータス変更、またはアメリカを離れる準備をすることができます。

 

(日刊サン2017.7.4)

 

ダリル・タケノ 弁護士

ハワイ出身の移民法弁護士。日本での留学・勤務経験を生かし、日本人のお客様にわかりやすく法律サービスを提供している。英語だけでなく、日本語での移民に関する相談も受け付けている。

ウェブ: http://www.migrationcounsel.com

E-mail:dtakeno@migrationcounsel.com

 

お断り:質問形式のコラムになっていますが、すべての場合が当てはまるわけではないことご了承ください。 法的なアドバイスを必要としている方は専門家にご相談いただくことをお勧めいたします。


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