ハワイでの終活vol.5;ハワイのお寺と終活

 05/10/2019 : 808 Views

ハワイでの終活vol.5

ハワイのお寺と終活

終活を考える時、家族や自分のお葬式や供養をどのように望みますか? 日本人に親しみのある仏教形式で、お坊さんにお経をあげてもらい戒名や法名をつけ、命日には供養をしてもらいたい---。ハワイのお寺は、日系移民の暮らしに寄り添ってきた歴史があり、冠婚葬祭、中でもお葬式に関することは親身に、とても良心的な料金で執り行ってくれているのです。

 

全宗派が揃うハワイのお寺

 ハワイで最も品揃えが充実した仏壇・仏具、お墓の専門店、ジャパンメモリアルコーポレーション(JMC)。今回、JMCの櫻井新也(さくらい・しんや)代表から、オアフ島にあるお寺の数が40箇寺近くある事を聞いて驚いた。「ハワイにあるお寺は、日本と同じようにほとんどの宗派が揃っています。

そして日本以上に伝統的かつ地元に親しまれ開放された存在です。お盆やお正月にさまざまな催し物をしたり、文化教室を開催したり。冠婚葬祭にかかる費用も、お安いのでこれも驚くかもしれませんよ」と教えてくれた。

 

 

オアフ島のお寺一覧

天台宗  天台宗ハワイ別院  パロロ観音寺  高岩寺
日蓮宗  日蓮宗ハワイ別院  妙法寺  ワヒアワ日蓮宗
日蓮正宗  本誓寺
曹洞宗  曹洞宗両大本山ハワイ別院正法寺 アイエア太平寺 ワヒアワ龍仙寺 ワイパフ大陽寺

浄土宗  浄土宗ハワイ別院  ハレイワ浄土院
浄土真宗(東)  東本願寺ハワイ別院  パロロ本願寺 カネオヘ東本願寺
浄土真宗(西)

 本派本願寺ハワイ別院  慈光園本願寺 アイエア本願寺 パールシティ本願寺

モイリイリ本願寺  真宗教会  カイルア本願寺 ミリラニ本願寺  ワヒアワ本願寺  ワイアルア本願寺 

ワイパフ本願寺  エヴァ本願寺  ワイアナエ本願寺

真言宗  リリハ真言寺  ホノルル弘法寺 Shingon Shu Hawaii  ハレイワ弘昭寺
臨済宗  超禅寺
華厳宗  東大寺ハワイ別格本山
辨天宗  辯天宗ハワイ教会

 

日系社会とともに発展したハワイのお寺

 櫻井氏より紹介され、さっそく曹洞宗(Soto Mission)のお寺を訪ねた。正式名は、Soto Mission of Hawaii。ハワイには曹洞宗の寺院が、オアフ島4、ハワイ島2、マウイ島1、モロカイ島1、カウアイ島1と全島9ヵ寺あり、ホノルルヌウアヌのここはハワイにおける曹洞宗の大本山、総まとめのお役を務める。

 

7代目の現住職は、駒形宗彦(こまがた・しゅうげん)氏だ。駒形氏の実家は新潟の南魚沼市。600年続く古刹の寺院だという。「ヌウアヌという場所は、150年前に最初の移民である元年者の大先輩が船でハワイに到着した、港から一直線の場所にあります。だから日本国領事館も昔からここにあり、移民の歴史と共にある寺院も多く、“寺院通り”なんて呼ばれたりもしています」

 

 曹洞宗のハワイ布教の歴史は古く、1903年には最初の慰問使がオアフ島のワイパフやカウアイ島に入ったという。

「移民が入植したサトウキビ畑の集落に出向き、建立するのです。日々のお参りや冠婚葬祭はもちろん、子どもに読み書き算盤を教えたり、出産届などの代筆をしたり、ヨメさんの世話をしたり(笑)。坊さんのいる寺はよろず相談所であり、憩の場であったわけです」。夏にはボンダンスをして楽しみ、正月は境内で餅つきをして祝った。そしてお盆、お彼岸、冠婚葬祭の大切な行事を司ってきた。

 

「お葬式と先祖の供養はなにより大切にする儀式でした。私の祖父は1919年にオアフ島に来て、現在の総本山のすぐそばで布教をしていました。その後この地を3エーカー確保し、インド様式の寺院建築で1953年、正式に総本山を開山しました」

 現在はエレメンタリースクールも運営。アメリカ全土で日系の寺院が小学校を併設しているのは2ヵ所だけなのだという。「1960年代の後半から、日系人のメンバーに対する言語はすべて英語に変わりましたね。日々のご供養も冠婚葬祭も英語で行っています。お経は独特ですからそのまま上げますが、参拝者には英語でご説明しています」

 

 

曹洞宗の”受戒”や”無常観”もいまでは英語で説く

 禅宗である曹洞宗では、どなたでも参加できる禅サービスを毎週行っている。世界的に“禅”に対する関心は深い。アメリカの著名人の中にも仏教徒がいて、母国を知らない日系3世4世たちも、Soto Missionには興味を持ってくれる。だから駒形住職も流暢な英語で、“受戒(じゅかい)”の教えや、禅の中の“無常感”などについて折に触れて語ってきた。

「曹洞宗では、死と生は表と裏、とても近しいものです。命とは今一瞬のこと、一瞬一瞬、生きるものすべて、常に変わっていく無常の中を私たちは生きているのです。明日の命はありそうでない、保障されているわけではありません。生も死も延長線上、よく生きることはよく死ぬことなんですね」

 

 受戒というのは仏教徒として、いかに心安らかに生きるかを学ぶことだ。本寺院のメンバーは現在800家族で、年会費は一家族150ドル。お葬式は300~500ドルで、お通夜の読経から、戒名の授与、本葬の法要のすべてをしてくれるのだという。櫻井さんが言った通り、日本では考えられない安さだ。「アメリカ社会ですから、メンバーになるとどんなサービス・特典が受けられるか明確にします。例えばここには納骨堂が500霊分あります。寺院では花を手向け、僧侶が毎朝お参りをしてご供養します。メンバーならこの納骨堂を年間24ドルで利用できます。永久に法要する永代供養なら一括3000ドルです」

 

お寺のことはご相談ください

 前出の櫻井氏はこう話す。「日本からハワイに来た日本人の中には、仏教に関心を持っていても、宗派などよく分からない人もいらっしゃると思います。元気なうちに、どんなお寺が自分に合うのか、JMCではハワイのお寺の場所や特徴などをご紹介しています。仏教の死生観はとても自然で安らかで、僧侶のお話しを聞くだけでも世俗を離れた一時になったりします。お寺のイベント案内なども紹介しますのでお気軽にお問い合わせください」                    

  ( 取材・文 奥山夏実)

この記事は2019年4月時点の情報に基づいて記載しています。

 

 

【Soto Mission of Hawaii】

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