成功する人はここが違う! キャリアアップ・イン・ハワイ<ケース③>

 10/16/2015 : 2133 Views

ダウンタウンにそびえるステートタワー。このタワーの14Fに素晴らしい眺望を持つ広々としたオフィスを構えているのが、ハワイ州政府の人事に責任を負うDeputy DirectorのCindy Inouyeさんだ。また、そのオフィスでハワイ州政府の雇用責任者という重要なポストにあるDebbie Nishiyamaさんにもお会いすることができた。人事局の上級管理職という地位にも就き、さらに採用・雇用の専門家というお二人。現在の地位にいたるまでのお二人のこれまでのキャリアをハワイ州政府の採用状況を交えてお話を伺った。

 

キャリアアップ CASE3

ローカルの企業・組織での採用・昇進アップ

 

左:Cindy Inouye さん  ハワイ州政府 人材開発省  Deputy Director

右:Debbie Nishiyama さん  ハワイ州政府 人材開発省  Employee Staffing Division Chief

 

Q日本では新卒を採用し、組織の中で人材育成を行うのが通例となっていますが、アメリカの企業ではメリットシステム(能力主義)を採用の場にも適用し、即戦力となる人材を雇用しています。メリットシステムの下では、自身のキャリア・パスをどのように構築していけばよいのでしょうか?

 

▶︎デビーさん

州政府の採用状況に限って言えば、私たちは、ITシステムなど特定分野の限られたインターンシッププログラムしか持っていません。日本と違って、ハワイでは、学生が卒業前に内定を得るということはほとんどなく、学生たちは、まずは卒業して、高等教育を受け学士の能力があるということを証明しなければならないのです。私の場合も、一般の企業で十分な経験を積んでから、州政府の仕事に応募しています。同じエリアの企業での経験があり、この仕事をこなす十分な能力があることをアピールしてこのポジションに就くことができました。もちろん、州政府が学士の資格だけを求めるエントリーレベルの仕事を募集していれば、卒業後でもすぐに応募することはできます。でも例えばHuman Resources (以下HR)のパーソナルマネージメントスペシャリストの場合、学士の資格だけでなく2年間の人事としての経験と、そのエリアでの知識がそのポジションを得るために要求されます。ポジション毎に求められる資格や経験や知識は違います。

 

▶︎シンディーさん

もちろん学生時代にインターンシップで経験を積む学生もいて、それは経験として認められます。でも、多くの学生は、デビーのように一般の企業で経験を積んで、応募の資格を得るのです。ですから転職を重ねてステップアップしていくことが多いですね。でもアメリカでも日本の終身雇用のように40年間同じ会社で働く人もいますよ。世代にもよるかと思います。若い世代は、より給与・条件の良い企業・組織を探して転職し、会社への強い忠誠心はもはやあまりみられないようです。

 

 

Q これまでの経歴を教えてください。

 

▶︎シンディーさん

UHで心理学を専攻して心理学の学士を取得後、大学院で心理学の修士を取りました。その後、方向転換してロースクールに入学し、弁護士の資格を取得。私のキャリアの最初の20年間は弁護士としてのものです。その後、10年間は、州政府の司法省で働きましたが、常に争いごとの中に身をおく法律以外の分野で働きたいと思っていた私は、幸運にも現在のHRのポジションにつくことができました。これまでの40年間のキャリアの残りの10年はHRです。つまりトータルで20年間、州政府で働いています。

 

▶︎デビーさん

私もUHを卒業しています。在学中には2つのアルバイトをしていたのですが、そのうちの1つが現在はメイシーズに買収された老舗デパート「リバティーハウス」でのパートタイムジョブでした。卒業後、仕事を探してた私を、「リバティーハウス」がManagement Trainee(管理職見習い)として雇ってくれました。小売業の場合、バイヤーやストアーマネージャーなどいくつかキャリアトラックがありますが、私の場合はHR。リバティーハウスのHRで5年間経験を積んだ後、シティーカウンティ―のHRへ転職。その後、州政府の仕事に移りました。私のキャリアはずっとHR一本ですね。

 

 

Q 現在のように責任のある地位につくために、これまでどのような努力や、スキルを磨いてきましたか?

 

▶︎シンディーさん

私の場合は「常に仕事に没頭してきた」ということでしょうか。そして、いつも全力で物事に取り組み、多くの人と会うようにしてきました。人とのコネクションはとても大切。外の世界には多くの仕事の機会があり、仕事を得るには縁とタイミングと幸運が少なからず影響します。チャンスを逃せば、その仕事は二度と手に入りません。一生懸命働いていれば周囲の人が私のことを「ハードワーカーで、責任感もある」と見てくれます。そうすればチームに招き入れ、一緒に働きたいと思うでしょう。きちんと時間通りに出勤し、夜遅くまで仕事をして、真剣に仕事に取り組んで、プライドを持って仕事をすること。そして、少しでも最高の結果を出そうすること。これがこれまで一貫した私の仕事に対する姿勢です。

 

 

Q ご自身が責任ある現在のポジションに就けたのは他の人と何が違っていたのだと思いますか?

▶︎シンディーさん

全ての人が責任のある地位を望んでいるわけではありません。仕事をするだけで幸せという人もいるでしょうし、ある人はいい意味でとても野心的にキャリアアップすることを求めます。私やデビーは、常に上を目指してきた後者の方だと思います。仕事でいい結果を残し、いい仕事をするという周囲の評価を得て、組織に対してとても忠誠心がある。能力としてWillingness(積極的な姿勢)でいることがこうしたポジションに就くことに繋がったのだと思います。

 

▶︎デビーさん

責任のある地位には多くのプレッシャーがつきものです。部下の誰かがミスをしたら、自分が責任を取らなければならない時もある。誰もが多かれ少なかれミスをします。時にそれが監督する私たちの責任にもなり、私自身が対応しなければならないこともあります。例えば、HRという仕事は顧客サービス志向的な仕事です。でも、稀に応募者にとても失礼な態度をとってしまうスタッフがいて、応募者から苦情を受けることがあります。その場合私たちは、そうした間違った行いについて正しい対応をしなければなりません。 人によっては、「そういうことをしたくない」、「重い責任がかかってくる高い地位にはつきたくない」人もいます。家族と過ごす時間がもっとほしいという人もいるでしょう。でもそれは悪いことではなく、彼らも仲間として一生懸命仕事をし、私たちを助けてくれます。

 

 

Q どんなキャリアのゴールを描いていますか?

 

▶︎デビーさん

私のキャリアはほぼゴールに近づいています。でも日々の仕事の中で、とにかく少しでも組織を良くすることで、このハワイをもっと良い場所にすることが現在の目標といえるかもしれません。

 

▶︎シンディーさん

私のキャリアもほぼ終わりに近いですね。カレッジにいる時は弁護士になるのが夢でした。そして、その後司法省に入り、現在はHRのこのポジションにいます。満足していますね。自分がこんな名誉ある地位につけるとは思っていませんでしたから、今はとても幸せです。あと数年の任期が残っていますが、自分がやりたいことはほぼできたと思います。

 

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