成功する人はここが違う! キャリアアップ・イン・ハワイ<ケース①>

 10/16/2015

あなたはどんな夢をもっているのだろう? 遠い昔、大人になったらこうなりたいと描いていた理想通りの自分に今の自分はなっているだろうか? 真っ青なハワイの空の下、みんな様々な想いを抱えて働いている。今のあなたは、夢をかなえた人だろうか? それともまだ夢の途中、もしくは、まだスタート地点に立ったばかりなのだろうか? ちょっと立ち止まって、自分のキャリアを考えてみる時、誰か成功した人の話はとても参考になるに違いない。今回は、ハワイのキャリアについて成功した人々から話を聞いてみた。

 

キャリアアップ CASE1  <Promotion>

ブライダルのカリスマから重要拠点を託された若き経営者

Best Bridal Hawaii Vice President

Hiroyoshi Matsumuraさん

 

日本に初めて「ゲストハウスウエディング」という概念を持ち込んだ「ベストブライダル」。創立以来18年連続で売上高が過去最高を更新し続け、経常利益は業界トップを誇るブライダル最大手企業の一つだ。ブライダル総研の調査によると、昨年度海外で挙式を行った日本人の約63.7%がハワイでの挙式を選んでおり、海外挙式の費用も年々増加中だという。つまり、ハワイのブライダル市場は益々好調となっており、同社HPの中でも海外事業戦略として今後のマーケット拡大が見込まれるハワイとバリ島に経営資源を集中すると明記されている。そんな海外最重要拠点であるハワイ現地法人「Best Bridal Hawaii」の実質経営トップとして指名されたのが今年9月にVice Presidentに就任したばかりの若き経営者、松村弘貴さんだ。松村さんが同社に入社したのは、8年前。人事のマネージャーとしての採用だったという。そこから、会計、経理、ITシステムと自分が管理する領域を広げていった。こうしてみると気付くのは、松村さんはブライダルの企業にありながら、最前線ウエディングの現場とは無縁の畑を歩いてきたという点だ。同社の塚田正之CEOは親会社である日本の「ベストブライダル」の創始者であり代表取締役社長。なによりも「ゲストハウスウエディング」を日本に導入したカリスマ経営者として名を馳せている。そんなウエディング一筋で歩んできたカリスマが重要拠点ハワイの経営を任せる人材を選ぶ時に、現場をよく知る人物を選ぶという選択や、能力主義を採用にも取り入れるアメリカらしく、外部からの登用という道もあったはずだ。その中で、選ばれし者となった松村さんにはいったいどんな秘密があるのだろう。「自分ではわからないですね。社長からも何が理由で僕を選んだという話は聞いていないので」と柔らかく微笑むが、そこは日刊サンの読者のために自己分析を行ってもらった。

 

選ばれし者のPoint1 「誠実さ」

そんな中で出てきたキーワードの1つは「誠実さ」だ。松村さんの仕事に対する基本的なスタンスとして、「常に誠実であれ」という信念がある。一つひとつの仕事に対してはもちろん、人間関係についても人とは常に真摯に向き合うことを心がけているという。「僕は従業員やお客様、協力会社の方々に対して心からの尊敬の念を持っています」子供から大人までどんな人にも尊敬する部分があると松村さんは言う。その姿勢は仕事だけに限らず、プライベートでも変わらないという。

「ハワイは実質的な距離として、日本から離れたロケーション。CEOの目が直接届かない場所です。そういう意味で信頼できる人間として、僕を選んでくれたのだと思います」と語を選びながら、ゆっくりと言葉を紡いでいく松村さん。そんなところにも誠実さが感じ取れる。人間関係へのそうした姿勢が、今回の抜擢に繋がったのではないかというのが自身の分析だ。

 

選ばれし者のPoint2 「正確さ」&「緻密さ」

二つ目のキーワードは仕事の「正確さ」と「緻密さ」だ。この能力はこれまでのキャリアの中で培ったもの。松村さんはブライダルという業界の中では異色の経歴を持つ。京都大学薬学部卒業後、新卒として入社したのは西武百貨店。その商事本部で医療機器の営業や、薬剤師の資格を活かし、企業の健康保険組合などに市販薬などを卸していたという。2年半ほど勤務した後、大学で学んだ知識を活かして働きたいと外資系の製薬会社「バイエル薬品」の研究開発チームに研究員として加わった。高脂血症や糖尿病などの新薬開発に携わったという。バイエル薬品で研究に没頭した7年間、全てのプロセスにおいて正確に緻密に進めていく仕事の仕方を叩き込まれたという。「バイエルでの7年間は、仕事も面白く、先輩にもかなり厳しく鍛えられて、その先のキャリアにおいて非常に自分自身が成長した時期だったと思います。」新薬の開発は人の命に関わる。そのため薬効薬理試験などの非臨床試験から様々なフェイズの臨床試験など気の遠くなるような膨大なプロセスにおいて、一つ一つの症例を検証し、結果を精査し、どんな些細なことも見逃せない。そこで身に付いた仕事の正確性、緻密さが塚田CEOからも評価されたのではないかと分析する。松村さんは、上司である塚田CEOについて「ビジネスの進め方がものすごく衝撃的なんです。ミクロの細かいレベルから物事を決めていくと同時に、マクロで広範囲の領域を考え全体を構築していく。顕微鏡のような目をもちながら同時にバードアイでものごとを俯瞰している。これまで多くの人に出会ってきましたが、そんな人は見た事がありません。」と話す。しかし松村さんの正確で緻密な仕事の進め方に、塚田CEOは自身と同じ能力をみたのかもしれない。

 

選ばれし者のPoint3 「果てない意欲」

さらに、浮かび上がるキーワードは、仕事に対する「果てない意欲」だ。普通の人にとって、長いキャリアの中でモチベーションを常に維持をするのは大変なことだろう。松村さんにモチベーション維持の方法はと聞くと、「モチベーションが落ちたことがないので、分からない」との答え。つまりそれこそが、「選ばれし理由」の一つであるに違いない。 ベストブライダルでも入社以来、着々と自分の仕事の領域を増やしてきた。外部から来た分、社内の良い点も悪い点もよく見える。社内の書類をオンライン化したり、全く別のシステムとして導入・運用されていた顧客システムと会計システムを統合するなど、業務の効率化を常に提案し、実施してきた。管理部門を一手に引き受けるようになり、会社全体がより明確に見えてきた。「様々なデータを扱うので、それを分析し日本の担当者や役員にレポートを出すようにしていました。もちろん依頼があったものもありますが、必要とされるだろうデータは推測できるので、自分からデータを分析してまとめて提出していたものも多いですね」。

 

果てない意欲という意味では、自分磨きも怠らない。充実していたバイエルでの研究開発の日々。先輩にも上司にも恵まれ、チームの雰囲気は最高。会社にも満足していたし、辞める理由は全くなかった。それでも、松村さんは、修士を取得するために留学という道を選び、あっさりと会社を辞めた。卒業後家族のためにハワイへ残るという決断をするなど、その後様々な事情によって自分のキャリア・パスを方向転換せざるをえなかったが、その場その時の状況に合わせて柔軟に対応し、自分の想い描いていたキャリア・パスと違う道を歩むことになっても仕事に対する意欲は全く衰えることがなかったという。

 

選ばれし者のpoint4 「自己実現と社会貢献」

そんな松村さんに自身にとって仕事はどんな意味を持つのかを聞いてみると二つあるという。「一つは自分の成長を促すものですね。様々なことに挑戦し、できるようになっていくことに対する満足。もう一つは、人に満足感を与えるもの。自分のスタッフやお客様をどのように幸せにするかということを常に考えて仕事をしています」。有名な「マズローの欲求段階説」によると、最高位に位置するのが成長欲求と呼ばれる自己実現の欲求で、この欲求をモチベーションに働く人は、質の高い仕事をし、目標に向かって結果を出せる人材だと言われている。また「人のため」「社会のため」など「For」というワードで仕事をする意味を語れる人も高い意識や向上心で仕事に取り組むと評価される。

 

選ばれし者のpoint5 「自分磨き」

これほどまでに高いモチベーションで働く松村さん。自身の課題は「英語力」だという。「ある程度英語が話せるようになると、そこで満足してしまいがちですが、僕にとっては英語を学ぶことにゴールはなく、常に磨いていくように努力しなければならないものだと思っています。Vice Presidentという立場になって、お付き合いの幅も広がりましたし、ローカルの協力企業の方々とも最良の関係を築いていかなければなりません。そうしたお付き合いの中からビジネスチャンスは広がっていきますし、ネットワークを広げていく上でもより高度な英語力が必要だと感じています。また常にアンテナを張っていることも必要。ローカルのニュースや政府の動向など英語でのコミュニケーションに問題があると、正確な情報が入ってこなかったり、タイミングよく情報をつかむことができない恐れもあります。ハワイという土地でビジネスをしている以上、英語力は常に自分にとっての課題であり続けます」。

 

 

 

後編に続きます。