ホノルル市議会、ハレイワの住宅開発計画を却下

 08/16/2017 : 824 Views

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ホノルル市議会は、ハレイワで農地としてゾーニングされている土地に住宅の建設を望む開発業者の申し出を却下した。ノースショアの歴史的な木造ジムで2日夜に臨時議会が開催され、ホノルル市議会は5対0で、ハワイで映画館をチェーン展開するスコット・ウォレス氏の29軒の住宅建設計画を否決した。

 

ウォレス氏は、提案した7エーカーのハレイワ・プランテーション・ビレッジ計画が、需要の高い低価格帯住宅を供給でき、交通への影響もほとんど無く、非生産的な農地を活用できると主張。彼の計画は市の都市計画建設許可局や農務局からも支持を得ていた。しかしホノルル都市計画委員会から否定的な提言があり、ノースショア住民から多くの反対意見も寄せられ、市議会はウォレス氏のゾーニング変更申請や州の土地の用途を再定義する法案の審議の延期を決定。ウォレス氏は市議会からの最終承認を8月16日までに得る必要があり、審議の延期によって同氏の申請は実質的に却下となる。しかし同氏はこれを敗北とは認めず「計画を再検討します。地域から良い意見が沢山寄せられています。新たな策を練り、ハレイワの低価格住宅の建設を目指します」と述べた。

 

3時間に及ぶ議会に集まった出席者およそ300人は支持派より反対派が多数だった。計画の反対派が主張するのは、農地を変換する事への反対、交通への影響、下水道や雨水の排水問題。複数の反対派が、ウォレス氏の所有地を含む該当エリアで数世代に渡って農業を営む人がおり、農地を永久的に奪うのは間違っていると主張した。「私がここで意見する理由は、私の家族がこのエリアで代々積み重ねた遺産を守るためです」と、親戚がウォレス氏の所有地に隣接した地域に住み農業を営んでいるトーマス・シライさん。

 

ウォレス氏はその計画で、質の低い農地をより有効に活用し、ノースショア持続可能コミュニティ計画が手掛ける魅力のない15軒の住宅開発を拡張出来ると訴える。しかし、ノースショア自治会メンバーのシャーリン・フー氏は、ウォレス氏の計画を承認すれば、先例となり他の住宅地に隣接したノースショアの農地にも同じ動きが広がりかねないと話す。「私達は農業用地に囲まれてますから」と同氏。

 

ウォレス氏は彼の計画する土地は市の都市化が進む区域内であるため他とは異なると話す。さらに、扱いの難しい土壌や高価な水道代、洪水、カタツムリ被害を理由にラオス人の農家が農業をあきらめたと加える。

 

一方、五世代にわたりその土地で農業を営んできたT.J.クアレズマさんは農地としての生産性について言及し、ウォレス氏の土壌が悪いという主張について「この土地が良くないと言う人の言葉は全て怪しいです。農地は農地として残すべきです」と述べた。

 

ウォレス氏は交通について、既に観光客によって広範囲に渋滞が起きている現状に29軒の住宅が増えても影響はほとんどないと語る。反対派はウォレス氏の主張が一軒の車所有数を1.2台と仮定した非現実的な数字に基づいていると指摘した。他にも、ウォレス氏の計画にある排水処理施設は処理した水を井戸へ流す内容である事と、土地に洪水が起きた場合にあふれた水を抑制する技術者の能力が争点となった。

 

州の上院議員ジル・リビエラ氏と、下院議員のショーン・クインラン氏を含めた45人が反対派として発言し、対して支持派は10人が主張を述べた。支持派の多くは新しい低価格住宅を歓迎すると話す。ウォレス氏はおよそ5000スクエアフィートの区画を17万5000ドル~22万5000ドルの価格で販売すると約束し、うち9軒は市の低価格住宅要件を満たすため「ハビタット・フォー・ヒューマニティ」の協力を得て無利子の40~50年ローンで自宅を建てる事ができると話す。さらに、地元住民の購入を優先し、3年か5年の再販売禁止期間を設け、Airbnbとしての使用も禁止すると加えた。

 

ノースショアで生まれ育ったチャド・ヴェンチュラさんはウォレス氏の計画を自宅を所有する良い機会になると捉えている。長くノースショアに住むマーク・ロビンソンさんも値段が高すぎて自身の子供達が住宅を持てないため、計画に賛成。ノースショア住民で開発業者でもあるサイモン・ベブさんは車に「田舎は田舎のままで」というステッカーを貼っているが、ウォレス氏の計画する土地はハレイワタウンのため、低価格住宅を支持している。

 

ノースショア代表の市議会議員アーニー・マーティン氏は、都市化開発は都会のホノルルと第2の都市カポレイをターゲットにするべきだと表明している。同氏は都市計画委員会の提言には驚いたが、ウォレス氏の計画を承認する票は投じないと語った。

 

イカイカ・アンダーソン市議会議員は、低価格住宅のメリットはあるが、計画を否認するよう提言したキンバリー・パイン都市計画委員長を支持するとした。ブランドン・エレファンテ市議会議員は「常に『田舎は田舎のままで』を支持しています。今回もこの姿勢は崩しません」と述べた。ロン・メナー市議会議員は、投票結果は市議会が民意を組んだ結果だと話す。他の市議会議員トレバー・オザワ氏、アン・コバヤシ氏、キャロル・フクナガ氏、ジョーイ・モナハン氏は臨時議会を欠席していた。


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