ホテル開発業者が、低価格賃貸住宅の提供を発表

 08/30/2017 : 1098 Views

ホノルル市議会からの許可を必要とするアラモアナ-カピオラニ・エリアの高層ビル開発業者が、高齢者向け低価格賃貸住宅を建設すると発表した。セーラム・パートナーズ社は、ヘラルド・カレッジ・ビルディングのあったアラモアナセンター向かいの1500カピオラニ・ブルバードに、高さ400フィートのコンドミニアムホテルの建設を希望している。

 

同社は18日、その隣に建つウォルグリーンズの3階建て駐車場の上に高層の低価格賃貸住宅を建設する予定であり、ホノルルエリアの中間年間収入額の80%以下の世帯に提供すると発表した。同社はコンドミニアムホテル建設に際し、鉄道完成後に要所となるエリアの開発を促すため設けられた鉄道関連暫定計画(IPD-T)の適用を求めている。適用の認可を申請した決議案17-221は、24日に開かれるゾーニングと住宅委員会の会議よりも前に市議会で審議される。許可申請の内容には高さ約156フィート440ユニットの高齢者向け低価格賃貸住宅の建設も盛り込まれた。

 

コンドミニアムホテル建設予定地の本来のゾーンは『コミュニティ・ビジネス』であり、建築物の高さと容積率においてゾーニング規制を超えるため、ホテル建設のためには特別地域許可が必要となる。しかしIPD-Tとして許可が下りれば、高さと広さの面で境界線からのセットバックが少なくて済み、必要とされる駐車台数も減る。セーラム社は現在の250フィートの建物を400フィートまで高くし、敷地面積に対する延べ床面積を表す容積率も2.5から9.215に増加させたいとしている。さらに現状のゾーニングでは805台の駐車スペースを設ける必要があるが、IPD-Tとして許可を受け517台に減らす狙い。IPD-Tは計画中の鉄道の要所となる、駅周辺の開発を促す目的で設立されており、対象になるには建築予定地が鉄道プロジェクトの駅から1.5マイル以内でなければならない。

 

しかし市議会はアラモアナの公共交通指向型開発(TOD)地域における駅の規則を未承認であり、規則が定まるまではIPD-Tの許可は個々に判断される。ホテル開発業者に低価格住宅の提供を義務付けるような法令は何も無いが、建設計画許可局も市議会議員達も、低価格住宅への貢献を明確に要望している。

 

市議会のゾーニング委員会委員長のキンバリー・パイン氏は444室のコンドミニアムホテルにはその15%に相当する68戸の高齢者向け賃貸ユニットを用意して欲しいと話す。これは通常、新規住宅開発時に開発業者に求められる低価格住宅戸数よりも少ない。しかし市当局は、需要が高いエリアで最低30年間エリアの中間年間収入80%以下の世帯に、自発的に低価格住宅を提供するセーラム社の姿勢を考慮して課した数字だと話す。連邦の住宅ガイドラインによれば4人家族の場合、中間年間収入の80%は約8万ドル。

 

セイラム社は18日の報道会見で非営利の低価格住宅開発業者EAHハウジングと高齢者向け低価格賃貸住宅プロジェクトの提携について交渉中と発表。「必要としている方々、特に高齢者の方を支援する一役を担いたいと考えています」と、セーラム・パートナーズ代表のジム・ラトコヴィッチ氏。EAHハワイの副社長であるケヴィン・カーニー氏は「通常高齢者は、多くの利便性を持つこのエリアに住む機会がありません」と述べ、高齢者に低価格住宅が提供されることに感謝すると語った。

 

セーラム社はマナオラナ・タワーを建設中の、マナオラナ・パートナーズとも提携を結んでいる。このタワーは、セーラム社の建設予定地から0.5マイルも離れていないカピオラニとアトキンソン・ドライブの角に位置し、109戸の住宅と125室のホテルを備えた建物で高さは400フィート。同タワーには市議会が10月にIPD-Tを適用しており、開発業者にはアラモアナTODエリア1マイル以内に20戸以上の賃貸ユニットを提供するか、市の住宅開発特別基金に最大300万ドルを寄付する必要がある。

 

低価格住宅はこれ以上必要ないと主張する声が上がって以来、市議会には低価格住宅増加に努める動きに批判も届いていた。しかし住宅問題に関して言論活動を行っているジョージ・マッセンゲイル氏は18日、68室の高齢者向け低価格住宅の要求を支持すると表明。ハワイの急速な高齢者人口の増加について言及した。同氏はセーラム社が提供するユニットが中間年間収入の80%世帯のみがターゲットとなる事を懸念していたが、カーニー氏とEAHの参入で、より収入の低い層への提供も期待できると述べた。

 

ホテルに勤務する労働者の組合ユナイト・ヒア・ローカル5は、コンドミニアムホテル開発には反対している。十分な労働者を雇用せずにサービスの質が低下する結果に陥るという意見があるからだ。ローカル5のベン・サドウスキ氏は、セーラム社が開発費用の支払いを保証せず早期に低価格住宅の空中権を求めていたこともあり、組合としては約束したユニットを提供する確約を求めていると語った。

 

 

(日刊サン 2017.8.26)


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