マウイで広東住血線虫症、野菜の生食には警戒を 2017年4月5日(水)

 04/05/2017 : 1762 Views

広東住血線虫(かんとんじゅうけつせんちゅう)やネズミ肺線虫として知られる『ラット・ラングワーム』の感染報告がマウイ島で6件も続いている。

広東住血線虫症は、寄生幼虫が人の脳に感染して発症する。寄生虫はネズミを宿主としており、ネズミの排泄物を摂取したナメクジやカタツムリが中間宿主として寄生虫を媒介する。

医療従事者によると、感染した場合の症状はさまざま。寄生虫に浸食された脳の箇所によって深刻さが異なり、頭痛から脳炎までの髄膜炎症状を引き起こすという。

アメリカ疾病予防管理センターによれば、ほとんどの患者は完治するが現段階で有効な医療処置はないという。2007年以降ハワイで50人以上が熱帯病に罹患し、うち2人が死亡したと保健局は発表している。

ハワイ州内の2007年以降の広東住血線虫症発症数は毎年1桁が続いていたが、2016年には11件の発症が報告された。2017年に入ってからは、既にハワイ島で3件マウイ島で6件の発症が確認されている。過去9年間のマウイ島での発症数は3件に過ぎない。

感染原因は、ナメクジやカタツムリによって広東住血線虫が寄生した野菜を生で摂取した事だと考えられている。

 

 

 

州の伝染病学者であるサラ・パーク医師は、最近のマウイ島の連続発症は感染の流行とまでは言えないが、注意が必要な段階だと話す。同医師は「マウイ島には、感染リスクを増加させている原因が何かあると考えられます」と述べ、保健局は感染原因を調査中だと答えた。

パーク医師は、葉菜類には小さなナメクジが固着している傾向があり、消費者はよく観察して1枚ずつていねいに洗う必要があると話す。水道の流水で洗うだけでは不十分だという。良く火を通して調理すれば、感染リスクはない。

新種のカタツムリ『セミ・スラッグ』が原因だと主張する環境保護活動家もいる。2004年に米国農業研究事業団がハワイ島で行った調査によると、キューバン・スラッグと呼ばれるナメクジに広東住血線虫が寄生している確率が25%なのに対し、同時期のセミ・スラッグは75%以上が寄生されていた。

マウイ外来種委員会のアダム・ラッドフォード氏は、ハナの住民がここ数年でセミ・スラッグの増加を訴えていると話す。

ハナで6日に行われた会議では、カタツムリやナメクジを発見したらトングや手袋で取り除き塩水に入れて駆除するよう住民に伝えられた。

ウィンドワードオアフ在住のシャウジー・カーンさんは、ハワイ島で生野菜のスムージーを摂取し広東住血線虫症に感染した。

2年以上広東住血線虫症と戦っているカーンさんは、歩行は可能になったがまだ完治には至っていない。MRIには寄生虫に穴を開けられた脳が映っていたという。「この病気で私の人生は破壊されました」と語った。


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