梅八流江戸文字職人 鶯春亭梅八さん 落語と江戸文字パフォーマンス開催

 08/14/2018 : 222 Views

江戸の文化のひとつである「江戸文字」、梅八流江戸文字職人鶯春(おうしゅん)亭梅八さんが5日、ホノルル妙法寺文化会館にて落語と江戸文字のパフォーマンスを催した。  

 

 

日本の古美術の鑑定・売買などを営み、今回のイベントのオーガナイザーである、工芸美術おかもと株式会社の岡本国裕さんが挨拶し、「1968年、私の祖父がハワイの日本移民史100周年に関連したプロジェクトで、カネオヘの平等院鳳凰堂の仏像の製造と納品に携わりました。以来、日本文化発信に力を注いでおり、ハワイを始め台湾、パリ、ドバイなどでもこういったイベントを行なっています」と語った。舞台には高座が設えられ、拍手とともに和服姿で登場した梅八さんは、 「落語には必ず『落ち』があります。頭を柔らかくして、この落ちを楽しみましょう」と、落語の楽しみの基本でもある日本語の言葉遊びの奥深さを、短い「小話」を紹介しながらわかりやすく解説した。続いて落語「ちりとてちん」。これは腐った豆腐が出てくることから夏に演じられることが多いという古典落語で、ある旦那の近所に住む、知ったかぶりが鼻につくという男に一杯食わせようと企む話。キレの良い「落ち」に会場は笑いの渦が巻き起こった。休憩の後、作務衣に着替えた梅八さんは江戸文字のパフォーマンスを披露する。濃い墨を使い、極太の線で書かれる江戸文字は元々は看板のための文字で、寄席、高座のめくり、提灯、賽銭箱の文字、印半纏の背などのデザインにも欠かせない、江戸庶民の生活に密着したアートとして発展してきた。余白の部分を部屋の畳に見立て、黒い墨は人の頭、店を人でいっぱいにする「商売繁盛」の縁起を担いで隙間のない字体になったという。 

 

 

 

 

芸達者な梅八さんは軽やかな語りで来場者を楽しませながら、リクエストを受けて次々と色紙に文字を書き上げていく。英語の名前などカタカナ文字は、縁起の良い文字を当て字にして漢字で表現すると、喜びの声が上がった。梅八さんは大学時代に落語研究会に所属し、18歳の時に江戸文字と出会った。卒業後に仕事に就いてからはしばらく江戸文字から離れていたが、47歳で江戸文字職人として独立する。人前で話をしながら書く独自のスタイルが、ハワイでも人気のようだ。 「“一斗 二升 五合”、これでなんと読むかわかりますか? 一斗は五升の倍、二升は“ます”がふたつ、五合は一升の半分…“ご商売 益々繁盛”になります。昔は当然テレビもスマホもない。そんな中で江戸の庶民は言葉や文字を使って様々な遊びを見出してきました。江戸の人々の、知恵とユーモアに興味を持ってくださればと思います」

 

 

 

(取材・文 村田祐子)

 

(日刊サン 2018.08.14)

 

 


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