ハワイで食育を考える

 04/06/2019 : 64 Views

一般的に味覚は3か月頃から10歳までに発達すると言われています。そのため、家庭でも10歳ごろまでにいろいろな食材や料理を経験させることが、将来的な偏食を防ぐことになるそうですが、そもそも、味にはどのような種類と意味があるのでしょうか?

 

 

味は、口内全体や舌や喉などにある“味蕾(みらい)”という器官で感じとります。

代表的なのは「甘味」「旨味」「塩味」「酸味」「苦味」の5つ。

「甘味」は白米など、エネルギー源となる炭水化物に感じる味。「旨味」は肉類や魚類に含まれるアミノ酸=タンパク質に感じる味。「塩味」はミネラル成分に感じる味。この3つは、体に必要な栄養素と直結するため、本能的に人が好む味とされています。

一方「酸味」は腐敗物、「苦味」は毒物などに感じることのある危険察知の味でもあるので、最初はなかなか体が受け付けないことが多いのです。したがって、子どものうちは「酸味」と「苦味」の経験値が少なく、この2つの味を感じる食べ物が苦手になりがちです。

 

さて、それではどうやってこの5つの味(特に「酸味」「苦味」)を経験させていけばよいのでしょうか。 多くの方はすりつぶしたり、刻んだりして食べさせているのではありませんか? 実はこれ、将来的には逆効果。「騙された!」という意識が残ると、かえって母親との信頼関係に問題が生じたりすることも。

苦手なものだとわかっていても、「食べられたね、すごいね」という達成感を経験させることで、子どもの自発性を育てることにも繋がります。

例えばトマトであれば、ミートソースに。ピーマンなどは繊維に沿って細く切って青椒肉絲などに。ほうれん草はクリームソースと一緒にしてみたり。

とはいえ、母親の努力が実らないこともしばしば…。せっかく作っても一口も食べてもらえないなんて日も少なくありません。

しかし、子どもは「新奇性恐怖」(初見のものに恐怖を感じること)もあるため、食べてくれない=嫌いなのではなく、何度も食卓に出すことで「食べてみても大丈夫かな?」とある日突然食べだすこともあるのです。あとは褒めて励まして、なるべく楽しい食卓を意識することで、子どもの食への意欲も変わってくるはずです。

肥満大国アメリカにいるからこそ、子どもの食事には気を付けていきたいですね。 (監修 ディラング真由子)

 


 

ディラング真由子

神戸大学大学院人文学研究科博士課程修了。学術博士。2011年にハワイに移住。2児(1男1女)の母。日本在住中は小学生から大学生・留学生に国語を教えていた経験を活かし、2018年より学習塾「こども学習教室」の教室長に就任。

 

(日刊サン 2019.04.05)


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