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デジタル版・新聞

インタビュー

国境を越えたピアニスト、 赤津ストヤーノフ樹里亜さん

「ハワイに一目惚れ、もっと音楽活動をしたいです!」

 

ハワイ州立美術館の 1stフライデー・コンサートで演奏

ハワイ州立美術館(HiSAM)の“ファースト・フライデー・コンサート”をご存知だろうか。

毎月第一金曜日、夕方の6時から夜9時まで開催される、美術と音楽を一緒に楽しめる催しで、HiSAMの展示アートと演奏家によるライブコンサートを無料で鑑賞できる人気イベントだ。

HiSAMの建物の前身は、王室のゲストハウスとして1972年に建てられた初代、ロイヤル・ハワイアン・ホテル。美しいアーチのエントランスはコロニアル風で、大広間の雰囲気も趣があり、米国の歴史建造物に指定されている。館内は常設展示と企画展示があり、古典作品からモダンアートまで、毎月バラエティ豊かなアートが楽しめる。入館はいつもフリー、ライブコンサートが開かれるファースト・フライデーも無料とあって、心待ちにしているファンも多い。アルコールやソフトドリンクも販売され、飲み物を片手に、芸術空間で自由に寛いだひと時を過ごすことができる。

そこで先月、ピアニスト、赤津ストヤーノフ樹里亜さんのファースト・フライデー・コンサートが開かれた。クラシックからオリジナル曲、現代音楽までを幅広くカバーした親しみやすいプログラムで、大広間には400人もの観客が集まり、スタンディングオベーションが起こるほどの盛況だった。

コンサートのタイトルは、“A composer pianist crossing over borders”、国境を越えた作曲家ピアニスト。福島、ブルガリア、ブラジル、ハワイと国境を越えて活動する、樹里亜さんの前向きで躍動的な人生が垣間見られるような内容だった。

後日、樹里亜さんは日刊サンの取材に応じてくれた。

 

 

父はブルガリア人、生まれは福島、 ブラジルでピアニストに!

私の生まれは福島県のいわき市です。指揮者でブルガリア人の父と、ピアニストで日本人の母のもとに生まれました。3歳からピアノを始め、ショパン・コンクールの審査委員長に認められて、12歳でショパンの生家で演奏をしたこともあります。

 

高校からブルガリアで音楽の勉強を始めましたが、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の影響でミサイルが飛んできて危険な状況になり、一旦日本に帰りました。

 

でも日本にいると、音楽家の娘として見られてばかりで、私自身を、樹里亜としてだけをなかなか見てもらえない。だから親の影響のない外国で音楽の勉強をしたかった。反抗期、だったんですかね(笑)。

 

その頃、家にあった音楽家辞典を見ていたら、クラシックの有名な作曲家が、顔写真入りで紹介されていました。みんな真面目な顔をしているのに、一人だけ笑顔で写っている作曲家がいて、それがブラジルのヴィラ・ロボスだったんです。

 

20世紀を代表する大作曲家とあり、家にもCDがあったので聴いてみました。もう、それは素晴らしくて、たちまちブラジルで音楽の勉強をしたい!って燃えました(笑)。

 

両親から音楽に壁はない、クラシックも民謡もボーダレスだと言って育てられたので、ラテンな文化の国で音楽の勉強をするのもいいなあって。

 

受験まで2ヶ月しかなかったので、必死にガリ勉しました。私、頑固で負けず嫌いなんです(笑)。

 

樹里亜さんはポルトガル語もよくわからないのに、ブラジルのサルバドールに行き、現地の学生に混ざって受験勉強をした。そしてミラクル合格。 現地の生活に溶け込んでサンバも踊り、青春を謳歌した。 2005年、ブラジルバイーア連邦大学音楽院ピアノ科を首席で卒業。ブラジル音楽最高表現者の表彰や、ヤングソリストコンクール優勝など数々の栄誉に輝いた。ヴィラ・ロボス生誕120年記念のソリストにも抜擢された。 そして2008年帰国。現在は日本を拠点に、ヨーロッパやアメリカ、南米、中国などで演奏活動を続けている。

 

ハワイとの不思議な縁、 ジュリアの名前つながり

一昨年、毎年ハワイに行く、日本での私のホストファミリーが、私のCDをHiSAMに届けてくれたんです。そうしたらすぐ、HiSAMからコンサートをしませんかとオファーがあって。ハワイのことは何も知らなかったけれど、喜んでお受けしました。

 

ハワイに来て、私の大好きな広告の、「この〜木なんの木、気になる木♪」が、ハワイのポンキーポットだと初めて知って感激しました。それに気候も、たくさんのフルーツも、海も朗らかな人たちも、ブラジルによく似ているのでびっくり。ブラジルに置いてきてしまった私に再会できたようで、ものすごく嬉しかったです。

 

HiSAMでのコンサートを観た人から、YWCAのカフェジュリアで女性の自立を支援するイベントがあるので、そこでも弾いてほしいと、私の名前の樹里亜つながりのご縁もできたんです!

 

さらに、YWCAでの演奏を観ていたカフェジュリアのオーナー夫妻が、樹里亜さんのことをたいそう気に入り、ハワイでのホストファミリーになってくれたのだ。今回、2回目となるHiSAMでのコンサートを始め、樹里亜さんのハワイでの3ヶ月の滞在は、そのホストファミリーの住まいにステイしている。 明るくて素直で陽気な樹里亜さん、世界各地にホストファミリーがいて、幸せですね!

 

はい感謝しています! 私、9歳の時に母を亡くしているので、ホストファミリーのお母さん達には本当によくしていただいています。母は亡くなる時、枕元に聖書を置いていたので、父と共に聖書を読み、洗礼を受けてクリスチャンになりました。

 

今、私がピアノの練習をさせてもらっているところは、ハワイ最古のカワイアハオ教会です。あの教会にはベーゼンドルファーの、フルコンサートサイズのグランドピアノがあるよって教えてもらって、頼みに行ったら快く弾かしてくださっているんです。日曜礼拝にも参加しています。ハワイ語の礼拝もあるんですよ。

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