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デジタル版・新聞

インタビュー

【インタビュー 輝く人】書家 角川 爽流 さん

「海外で書道を教えてみたい!」そんな漠然とした夢を、実現してしまった書家がいます。ひょんなことからハワイ行きを決行し、偶然出会った人々 からの支援を得ながら、ついに通信制の書道教室をスタートさせました。 ハワイに住む子どもから大人、また英語圏の生徒まで、 「書」の楽しみを 伝えて今年で6年。今では未来の指導者がハワイで育つことが、新たな目標 となりました。

ライター :下吉陽子

 

子どものときの書道教室から始まった書道との縁

-書道を志されたきっかけは何だった のでしょうか。

たまたま小学2年生の時からずっと書道をやっていて、そのまま自然に書道を教え るようになりました。当たり前のようにやっていたのですが、そのうち、書の魅力に取り憑かれてしまったのです。 師匠は、毎日書道会の審査会員で、名誉会員でもある笠原和爽先生です。自宅から 先生のところに週1回通っていました 。その後、父を亡くして、経済的な事情があって、中学高校時代は、しばらくはお稽古をしていなかったのです。 でも、高校の選択科目では、もちろん書道を取っていました。そして、高校を卒業して働き出してから、また同じ先生のところで書道を習うようになったのです。私の名前の「爽流」は、先生のお名前の爽という字を頂いているのです。

 

-お仕事はどんなことをされていたの ですか。

商社では一般事務をしていましたが、学業も続けて、通信教育で大学を卒業しました。専攻は東洋史でした。中国の歴史です ね。最初は英文科だったのですが、東洋史に変えたのです。 書道に直結していることもありましたが、たまたま就職した会社が、中国との貿易をしていたことも理由の一つです。

 

-いつ頃から書道教室を始められたのでしょう。

25オの時に師範の資格をとって、教え 始めました。お勤めをしながらでしたが、結婚した時に会社はやめました。その後妊娠したので、書道教室も辞めたのですが、看板は出してあったのです。 そして、子どもを産んでから3か月ぐらいした時に、教えてほしいというお弟子さんが来られたので、また教え始めました。赤ん坊を背負ったままで教えていました。大分たってからですが、下の息子が大きくなってから、国文科に進んで、高校の書道教師の資格も取りました。

 

 

-どんな文字がご専門ですか。

書道にも色々とありますが、私は仮名が専門です。仮名では、和歌や俳句を書くことが多いです。 通常は、お手本を見ながら書く「臨書」をやったあとで、創作を始めます。 書道にのめり込むほどになったのは、弟子がつくようになってからです。多少でも収入が得られるものは書道だったこともあり、それまでは、たまたま書道しか続けるものがなかったからやっていたのですが、そのうちだんだん魅力が分かってきました。

 

-仮名というのは、女性のものというイメージがあります。

確かに、仮名は女性のものというイメー ジが強いかもしれませんが、男性が書いたものも沢山あります。 今でもプロとなるのは男性が多いです訊裾野は圧倒的に女性が多いです。 仮名のできた経緯は、漢字を草書体にしたものを一音一語にしたものが仮名となったわけです。草書体で意味のない音だけをとって並べたものです。 でも、ひとくちに仮名といっても、ひらがなは48文字ですが、実際にはひらがなだ けでなく、膨大な量の変体仮名があります。 ですから、結構奥行きも深く、難しくもあります。

 

 

白黒の世界でありながら、絵画的表現ができることが書道の魅力

書道の魅力って何ですか。

筆で文字を書くだけの白黒の世界なのですが、それでありながら、そこに絵画的 な景色が見えることです。それに感動して、もっといいものを書きたいという欲求が出てきます。そして、書き続けることでうまくなってくると、それが活力となります。 私自身、先輩の先生方の作品を見た時に感動して、いつかこういうのを書けるよう になりたいという気持ちを持つようになりました。 また、書を教えることで、その魅力を分かってくれる人が少しでも増えるのは嬉しいです。書道を教えることで嬉しいのは、弟子がずっと続けてくれて、どんどん上達するのを目にすることです。その継続に少しでも力になれたと感じるのは、とても幸 せです。

 

文字に人柄が表れるといいますが、 如何でしょう。

文字に人柄が表れるというのは、必ずしもそうではないと思います。私自身、もともと字が上手だったわけではないと思います。通信教育を受けていた時に、よく文字をきれいに書きなさいと書かれていました。だから、私の字は、上手な字というよりも訓練された字なのだと思います。

 

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