私たちは100年後のことではなく、1000年後のことを考えているのです

 09/12/2015 : 262 Views

 

また、私たちの伝統文化では、家族が亡くなると、山に埋葬するという風習がありました。つまり、たくさんの先祖が山に埋葬されてきたのです。私たちが山に行くのは、私たちの祖先とつながることであり、最も高い場所で天井の神々(アウマクア)とつながることでもあるのです。ハワイ全体では、家系や地域によって山で行われるセレモニーの種類は異なります。へその緒を埋めるのはそのひとつであり、先祖を埋葬するのもそのひとつです。現在でも一部のセレモニーは行われています。しかし、先祖の骨を山に埋葬することは、法律で禁止されてしまい、現在はできなくなってしまいました。それでも、たくさんの家族が、今でも灰などを山に持っていって埋めています。山は先祖たちの場所なのです。  

 

その他、今でも行われている伝統的なセレモニーには、水のセレモニーがあり、これにはたくさんの種類があります。ワイアウ湖では、たくさんの水のセレモニーが行われてきました。ワイアウ湖は、世界で最も標高の高い位置にある湖のひとつで、標高約13,000フィート(約3970メートル)に位置しています。標高の高い湖として、ハワイでは唯一のものです。かつてワイアウ湖は、天上の世界を見るための鏡として使われていました。伝統的なセレモニーでは、人々は自分の住んでいる場所から水を持ってきて、ワイアウ湖に水を捧げます。自分の住んでいる場所の水を山頂の湖に捧げることで、水のサイクルをつなげるためです。現在も失われないように私たちが保存に努めているセレモニーのひとつに、お葬式の行列があります。これは、海から歩いて山の上の湖まで登り、そこで水を捧げて、また歩いて山を下って海に戻るというもので、そこには生命の神カネのすべての姿が現れています。生命の源である水(=カネ神)の旅は、海から始まって、はるばる歩いて山頂に登り、そこからまた山を下り、大地を横切って海まで水を運ぶというものです。  

 

現在も、たくさんのファミリーが、雲の上という高い場所で天とつながるために、水のセレモニーを行っています。しかし、山の上に行くということは、ハワイアンにとって日常的なことではありませんでした。森林限界より上のエリアは、「ヴァオ・アクア(wao akua)」と呼ばれ、神の住む領域だったからです。人間(カナカ)は、神の領域には含まれていないので、山頂にとどまることはできなかったのです。人間は、セレモニーのときだけ山に登り、セレモニーが終わったらすぐに山を下りなければなりませんでした。人間が神の領域にとどまってうろうろすることはできません。山の上というのは、人間の場所ではなかったのです。最近、私たちは今まで以上に山の上に行っていますが、これは山を守るための一環です。マウナケアはすでに大きなダメージを受けています。いま、この瞬間にも、山はダメージを受けているのです。山にダメージを与えている人たちは、山を守るという観点で仕事に従事しているわけではないけれども、私たちは、現在も山の上で定期的にセレモニーを行い、祈りを捧げています。

 

TMT(30メートル望遠鏡)

TMTとは、マウナケア山頂に建設中の超大型光学赤外線望遠鏡。口径30メートルの主鏡(すばるは8.2メートル)を持つ、史上最大の地上望遠鏡である。従来の望遠鏡の限界を超える解像度・集光力・感度を実現し、新たな天文学の謎を解明することが期待されている。  アメリカ・カナダ・中国・インド・日本の5か国共同の14億ドル(約1500億円)のプロジェクトとして、2021年完成、2024年の観測開始を目指している。 国立天文台TMT推進室 http://tmt.nao.ac.jp/(日本語)

TMTってどれくらい大きいの?

●高さ約56メートル、地下6メートルで、地上18階建てに相当する。(※ハワイ島には18階建ての建物はありません)

●オフィススペースと駐車場は、約195平方メートル。

プロテクト・マウナケア/ アロハ・アイナ

ハワイアンにとって極めて神聖な場所であるマウナケアを保護する活動。活動に参加している人たちは、自分たちは開発への反対者「プロテスター」ではなく、山を守る「プロテクター」であると名のっている。基本的に「TMT反対!」ではなく、「アロハ・アイナ=愛のエネルギーで聖地マウナケアを守ろう!」というスタンスで活動をおこなってる。 ネイティブ・ハワイアンを中心に、さまざまな団体が共同で活動している。

 

(※天文台開発への反対自体は、最初の天文台が建設された1960年代からずっと続いてきた)

 

 

主な団体のHP

http://www.protectmaunakea.org/

http://kahea.org/

http://freehawaii.org/

 

日本語のコミュニティ

https://www.facebook.com/standformaunakea

 

(日刊サン 2015.09.12)

 

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