納豆、味噌、キムチなど、発酵食品の雑学と健康効果

 12/03/2017 : 2051 Views

 

【由来と歴史】  

 日本では、縄文時代(紀元前131〜紀元前10世紀)から製塩が行われており、穀物などの食品を塩漬けにして保存していました。それを原型として、弥生時代に「醤」がつくられるようになりました。古墳時代(3世紀半ば〜7世紀末)に入ると、醤を作るときに麹発酵のプロセスが加わりました。現在の味噌に最も近いものが作られるようになったのは奈良時代です。『大宝律令』の中の「大膳職」の項では、豆粒が残っている醤という意味の「末醤(みしょう)」と呼ばれる食べ物のことが記されています。この末醤が、味醤、味曽と変化し、味噌という名前になりました。

味噌蔵の木桶(wikipedia.org)

 

キムチ

【健康効果】

①代謝の促進:生姜に含まれるジンゲロール、塩辛に含まれるタウリン、アスパラギン酸が代謝を促進し、ダイエットや美肌生成を助けます。

②疲労回復:ニンニクに含まれるアリシン、ビタミンB1、アリチアミン、塩辛に含まれるタウリン、魚介の唐辛子に含まれるカプサイシン、白菜と塩辛に含まれるナイアシンには、疲労回復効果があります。

③抗菌作用:ニンニクに含まれるアリシンには、抗菌作用があります。

④抵抗力を高める:唐辛子に含まれるカプサイシンには、抵抗力を高める効果があります。

⑤整腸効果:ラクトバチルスなどの乳酸菌(プロバイオティクス)が、胃酸におかされず生きたまま腸内に届いて善玉菌を増やします。キムチに含まれる乳酸菌は、100種類以上にも及びます。

 

【由来と歴史】  

 昔、冬の寒さが厳しい朝鮮半島では野菜や魚などを塩漬けにして保存食が作られていました。この塩漬けに、山椒やニンニクなどの香辛料を加えたものがキムチの原型です。キムチの原型について記された最古の文献は、13世紀初頭の詩人、李奎報(1168〜1241)が記した詩集『東國李相國集』です。その中の「家圃六詠」という詩に「得醬尤宜三夏食 漬鹽堪備九冬支(醤漬けして夏に食べるのがよく、また塩漬けして冬支度に備える)」という意味の一文があります。  16世紀、栽培や加工が簡単な唐辛子が日本から朝鮮に伝えられ、山椒の代わりに使われるようになり、現在のキムチに近いものとなりました。

いろいろなキムチ(wikipedia.org)

 

<MEMO>日本のチーズ史

 チーズには、骨や歯を形成するカルシウム、肝機能の改善に役立つアミノ酸、疲労回復を促すビタミンB群、体内で素早くエネルギーになる良質の脂質が豊富に含まれています。  

 4世紀頃に成立した仏教経典の1つ『大般涅槃経(だいはつねはんぎょう)』には、「牛より乳を出し、乳より酪を出し、酪より生酥を出し、塾酥より醍醐を出すが如し。醍醐最上にして、もし服者あれば衆病みな除かる」と記されています。「酪とは乳を煮たもの、煮詰めて熟成させたものが醍醐(チーズ)。醍醐の味は最上で、万病を取り除く」という意味で、この頃からチーズの健康効果が認知されていたことが伺えます。飛鳥時代の6世紀末頃、中国や朝鮮からモンゴルのチーズに似た「酥(そ)」という乳製品が伝えられたことが、日本におけるチーズ史の始まりです。平安時代、チーズには不老長寿と強精に効果があるとされ、上流階級の人々が珍重していました。  

 鎌倉時代から江戸時代にかけて、チーズは日本史上から一旦姿を消します。再び登場するのは江戸時代中頃。5代将軍、徳川綱吉(1646〜1709)が、現在のようなチーズを日本で初めて食べたと言われています。8代将軍吉宗(1684〜1751)は、現在の千葉県にある嶺岡牧場で、インドから贈られた乳牛3頭を飼育し、バターやチーズを作りました。9代将軍家重(1712〜1761)の時代には、オランダからチーズが輸入されるようになり、明治時代に入ると、国内で本格的にチーズが作られるようになりました。

モンゴルのチーズ「ビャスラク」(mongol-info.com/post-507)

 

その他の発酵食品

●豆板醤 中国の発酵調味料。ソラマメと唐辛子が主原料。

●塩麹 塩、麹、水を混ぜて発酵させた調味料。

●醤油麹 醤油と麹を混ぜて発酵させた調味料。旨味成分のグルタミン酸が多く含まれます。

●臭豆腐 豆腐を植物性の発酵液に漬けたもので、中国南部や台湾で食べられています。大便臭を発散することで有名ですが、これは「インドール」という有機化合物によるものです。

中国・湖南省の臭豆腐(wikipedia.org)

 

●鰹節 カツオの身を加熱してから乾燥させ、カツオブシカビを噴射して密室に入れ、発酵、熟成させます。

●イカの塩辛 イカを生のまま塩漬けにして酵素と微生物を発生させ、発酵させたもの。

●なれ鮨 塩と炊いた米で魚を発酵させたもの。タンパク質を含んだ食品を保存するため、弥生時代から作られていたと考えられています。

●アンチョビ イワシなどの小魚を三枚におろし、塩漬けにして発酵、熟成させたもの。

●パン 小麦粉、水、酵母、塩などで作った生地を発酵させ、焼いたもの。古代エジプトでは、給料や税金をパンで支払っていた。

●ビール 紀元前4世紀、メソポタミアで人類が農耕を始めた頃に、放置していた麦のおかゆに酵母が入り、自然と発酵したのがビールの始まりと言われています。パンと同じ主材料を使うため「液体のパン」とも呼ばれていました。

●みりん 蒸したもち米に米麹を混ぜる→焼酎を加える→室温で2カ月ほど発酵、熟成→圧搾、濾過 という手順で造られます。

●酢 穀物や果物から醸造酒を作り、そこに酢酸菌を加えて発酵させたもの。

●テンペ 大豆をテンペ菌(クモノスカビ)で発酵させたインドネシアの食べ物です。見た目は油揚げに似ています。味は納豆のようですが、あまり臭みがなく、糸を引きません。

バナナの葉で包まれたテンペ (wikipedia.org)

 

●サラミ 豚ひき肉に、塩、ラード、スパイス、ハーブなどを混ぜてソーセージにし、約10℃の温度、約75%の湿度に保った部屋で2〜3カ月乾燥、発酵させたもの。

●紅茶 乾燥させ、揉み込んで完全に発酵させた茶葉で作るお茶。

●コンブチャ 紅茶や緑茶に砂糖を加え、そこにスコービーと呼ばれるセルロースゲルを2週間ほど漬け込んで作る飲み物。

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