Wine at home vol.11 知っておきたい、 赤ワインの基本的な造られ方

 05/29/2017 : 664 Views

 

「赤ワインって一体、どうやって造られているのだろう」こんな疑問を持ったことはないでしょうか。ふだん、多くの方が何気なく楽しまれている赤ワインですが、実は複雑な工程を経てから市場へ出回っているのです。今回、ここでは赤ワインの醸造工程の要点を紹介します。

 

収穫から除梗(じょこう)、破砕

赤ワインの液体を赤くするためには、黒ブドウの果皮に含まれるアントシアニンという成分が必要です。そのため、赤ワインは黒ブドウが使用されています。黒ブドウを収穫した後、雑味を与える梗(枝など)を取り除き(除梗)、その後皮と種子、果肉を分ける破砕(はさい)が行われます。

 

発酵からMFL

除梗、破砕が終わったブドウは、果皮と種子と一緒にタンクへと投入されます。ブドウに含まれる糖をアルコールへ変化させるため、タンク内のもろみにワイン用の酵母が投入されます。発酵は、微生物的に非常に複雑なプロセスを経て行われるため、異臭などが発生する恐れがあります。そのため、多くの場合は安定的に発酵が進むよう、ここで亜硫酸が添加されます。酵母によるアルコール発酵が終了したら、タンクの底から発酵果汁を引き抜いた果汁と、残りの果皮と種子をプレスして搾り出した果汁が合わせられ、別の容器に移されます。

ここから、MLF(マロラティック発酵)の工程へと進みますが、これは乳酸菌がワイン中のリンゴ酸を乳酸に変化させる工程です。リンゴ酸はシャープな味わいを生み出す有機酸ですが、赤ワインの場合は渋みが必要不可欠であるため、強過ぎる酸が残ると全体の味わいのバランスが損ねられてしまいます。そのため、ほとんどの赤ワインはリンゴ酸をまろやかな乳酸へと変化させるMLFという工程を経てから、次の段階へと進められます。

 

樽熟成

ワインはめざすスタイルによって樽熟成かステンレスタンク熟成の工程へと進められます。樽熟成は適度な酸素供給があるために、色調の安定、味わいのマイルド化を狙って行われます。ステンレスタンクはフルーティーな香りを強調し、スッキリとした味わいのワインを造る場合に用いられます。はや飲みワインで2~3ヶ月、通常のワインで1~2年、高級ワインで3年以上の熟成が行われます。

 

オリ引き・清澄・ろ過

熟成を経た赤ワインは、酒母、酵母の死骸、酒石などがオリとなって残っています。人体に影響はありませんが、見た目が良くないため、オリ引き、清澄、ろ過といった工程が用いられます。この工程を徹底的に行うことで、濁りのない澄み切った液体となります。

 

ビン詰め・出荷

最終的に、濾過などを経た赤ワインはビン詰めされ、市場へと出回ります。高級ワインの場合、ここからビンの中で熟成させる場合もありますが、カジュアルなワインはおおむねこの時点で出荷されていきます。

 

今回、お伝えした赤ワインの製造工程は基本的なものですが、基本を知ることで、さまざまな赤ワインがどんな工程でどのようなテクニックが使われていのるかが理解できます。ぜひ、覚えておいてください。

 

ナカゴミコウイチ

東京都在住。ワイン好きの裾野を広げるため、WEBサイトを中心にワインコラムを執筆しています。


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