HAWAII! OISHII! ハワイイ! オイシイイ! Vol.63 コラム@ココナッツラバー

 08/25/2017 : 603 Views

親友のムスメの、ハタチのお祝い旅行で、京都に行ってきた。行く前に、私のお茶の先生のところでムスメは初めて、茶道のお点前体験をした。京都で抹茶をいただく時のための予行演習だ。当初、お薄でも苦いと言っていたのに、何度目かの稽古で濃茶も嗜み、すっかり抹茶ラバーに変身した。

 

ワラビのデンプンだけで作る、 本わらび餅を求めて京都へ。

京都では抹茶に加え、“本わらび餅”を食べるのも楽しみだった。抹茶も空前のブームだけど、わらび餅も大人気。マツコさんが絶賛した高級なのや、コンビニでも買える気楽なわらび餅までさまざまだ。

わらび餅は、山菜のワラビの根茎から採ったデンプンを練って作る、和製ゼリーのこと。本物のワラビ粉だけを使って練ると、驚くほどの弾力が出る。プルンプルンを超えて、むっちり艶やかな軟体となるのだ。口に含むと、飲み込むのがもったいないほどの心地よさ。

デンプンには、小麦粉、片栗粉、クズ粉、レンコン粉、タピオカ粉などがあるが、弾力ときめ細かさではワラビ粉がダントツだ。

しかし本物のワラビ粉は希少で高価。ワラビの根っこ1kgからわずか7〜8gのデンプンしか取れず、デンプンにするまでの作業は時間と根気が必要。江戸時代のワラビ粉に関する書物にも、「ワラビ粉作りは労苦の連続」と書かれているほどだ。

現在日本で流通している品質の良い本ワラビ粉は、年間200kg程度と少なく、100g1,500円ほど。

 

さらにわらび餅は、お菓子に仕立てるのも難儀。ワラビ粉と水と砂糖を混ぜ、火にかけて練っていくのだが、中火で始終かき混ぜ、透明になってきたら弱火で練りこみ、力仕事で片時も離れずにじっくり練りこみながら、ワラビ粉独特の濃い琥珀の色合いと、艶と弾力を職人技で見極めて仕上げる。

ワラビ粉100%だと日持ちしないし、冷蔵庫に長く入れると弾力がなくなるので、できたてをなるべく早く食べるのみ。京都で食べた本ワラビ粉100%のわらび餅も、できたて作りたてを即サーブされた。

だからわらび餅と表示されていても、他のデンプンで作られているお菓子がほとんどなのだ。

 

上サロン・デ・ムゲは京都菊乃井のサロン・デ・ムゲ、下は俵屋旅館の遊形サロン・ド・テの、練りたてわらび餅の両雄。

正真正銘、100%ワラビ粉を使用。

マノアのWARABI生育地で、 わらびの根っこを探してみたい。

ハワイにもワラビはあり、日系スーパーでは日本の2倍くらいのサイズの健康優良児的なWARABIが売られている。

アクが少ないので茹でるのも簡単で、お浸しなどにするとおいしい。

友人の話しによると、マノアによく自生していて、ワラビ摘みに出かけるという。ってことは根茎が広がっているだろうから、ハワイ産のワラビ粉作りも可能なのではないだろうか? 労苦さえ厭わなければ。どなたか、有志求ム!

 

 

(日刊サン 2017/7/28)

 

 

 

奥山夏実 おくやまなつみ●フリーランスライター


『クロワッサン』の特約記者を25年続け、東京を拠点にハワイは毎年、半年ほど滞在。近著に『ココナッツオイルバイブル1、2』、『HAWAII 住むように暮らす』(ホノルルの博文堂でも発売中)など。


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