日刊サン特別編集【気鋭のレストラン 海外進出、躍進への決断】活美登利

 07/12/2017

沖野 司(Okino Tsukasa) 店長 

 

昨年の12月、初の海外進出店としてプリンスワイキキにオープンした、「KATSUMIDORI SUSHI TOKYO」。築地直送のグレードの高いマグロや、迫力満点のデカネタ、明朗会計という独自の3本柱で、開店とともにたちまちリピーターのハートをつかみ、一週間に2度行ったなんてフィーバーを巻き起こした。

「上ネタも寿司職人の腕も、良いのは初めの数カ月だけ」なんてハワイにありがちな日本食のジンクスをよそに、半年経った現在も、究極の味とコストパフォーマンスでお客様を喜ばせ、ローカルの間にもKATSUMIDORIの名を定着。その躍進の原動力を、ハワイ店の切り盛り全てを任されている、沖野司店長に聞いた。

 

マグロは築地から直送。赤身2ドル、中トロ4ドル、大トロ5ドルと原価率度外視の安さ。ネタのサイズも日本以上の大きさなんだとか。

 

 

首都圏で大人気のグルメ系回転寿司、 海外初進出のハワイ店店長は弱冠36歳。

日本での活美登利は現在、首都圏に7店舗のグルメ系回転寿司と、2店舗のテイクアウト店を展開。オフィスや自宅に出向く“出張回転寿司”の事業も好調だ。  

2003年当時4億円だった年商は、2016年に40億円近くまで急成長。右肩上がりの増収増益を続ける気鋭の躍進企業だ。  

そんな行列の絶えない寿司店の初の海外進出を指揮するのは米国法人、KATSUMIDORI U.S.AのCEOである土屋秀仁氏。沖野店長は弱冠36歳で土屋氏からハワイ店を任されたことになる。

「寿司職人でもある土屋社長はものすごく前向きなチャレンジャーで、やる気があるなら新しいことをどんどんやっていこうという考えです。僕は19歳から寿司を握っています。年齢に関係なく、フレキシブルに現場を任せてくれる環境です」  

沖野さんは横浜店の店長に抜擢され、武蔵小杉の新店舗の立ち上げなども任されてきた。

「ハワイ進出の話は去年の春頃に聞きました。寿司は世界的にも将来性のあるフードですから、海外で経験を積んでみたいと思って」  

立ち上げ店長として単身赴任した。オープンまでのスケジュールの組み立てや、日本から食器などを船便で送る手配など、なんでもした。シャリに使う米も10種類以上試し、ハワイの水で炊くとどうなるのか、土屋社長や活美登利全店の総料理長も日本からやって来て、何度もテストを繰り返したという。

「すし酢も醤油も海苔も日本と同じものを使いたい。となるとどのくらいの量をどのくらいの頻度で送ればいいのかシュミレーション繰り返しました。米を炊く窯の状態や厨房の道具も、いろいろ調整が必要でした。ハワイに来てから休みはほとんどないけれど、やりがいのある仕事だから苦になりません」  

2カ月に1度は東京から総料理長や営業本部長がハワイ入りし、東京水準をチェックして、現地スタッフにも指導をしているという。

「ネタの質、お客様サービス、安心安全の衛生面などのチェックは徹底して、これからも続けていきます」  

ハワイ店は日本の本社とKATSUMIDORI U.S.Aあげての一大プロジェクトであるから期待も高い。土屋社長は「常により良い試行錯誤を繰り返し、上を目ざして進化し続けたい」とコメントしている。

 

ハワイ店だけのセットメニュー、 一番人気の“横綱”は、超高級デカネタ。

日本の店が回転寿司なのに対し、ハワイの活美登利は個別注文制。カウンター8席に、テーブル席や個室など、ゆったり全54席。カウンターには常時3人の寿司職人が立ち、寿司を握っている。ボックス席の脇にはレールが敷かれ、オーダー用端末のipadから注文すると、料理が特急レーンに乗って運ばれてくる。この演出、子どもだけでなく大人も大喜びだ。

「ハワイ店は、メニューからしてエンターテイメントなんです。お好みの単品注文もありますが、セットメニューはハワイ店だけのオリジナルで、お得な上に楽しく欲ばりな組み合わせになっています」  

なんといっても一番人気なのが、握り寿司13個と手巻き寿司1本の“横綱”セットメニュー。築地直送の中トロ、大トロを始め、イクラ、ウニ、カニ、ローカルのアワビと甘エビなど、高級ネタが全員集合。デカネタの代表格である一匹アナゴもドーン。ネタのグレードが高い上、どの切り身も大きくて厚みがある。それで35ドルというのは驚きの安さだ。

「日本の店全店でのネタの扱い量が群を抜く多さなので、築地の仲卸と培った信頼関係ができている。使う量が多いからどこよりも安く仕入れさせてくれるんです」

 

ロール寿司も、すきやきロールやマヒマヒしゃぶしゃぶロール、ガーリックシュリンプロールなどバラエティで9〜12ドル。手頃なハーフサイズもオーダーできる。

 

フード業界の常識を破り、原価率は50%越え。 究極の商品力で、お客様が喜べばすべてよし。

 

原価率を聞いてさらに驚いた。ふつう外食産業は、原価率が高くて30%止まりといわれるが、活美登利の原価率は50%越えというから驚異的。競合他社が真似しようにも真似のできない商品力だ。

「お客様に喜んでもらう、究極の原価率でお客様に還元するのが全社レベルの経営方針ですから。土屋社長もハワイでいっぱい利益を出すことより、いろんな国から来たお客様に活美登利の寿司を楽しんでもらえればそれでいいって言います。ミシュランで星がつくようなハイエンドな寿司店ではなく、日常生活の延長の、安くておいしい寿司店でありたいわけですから」  

ウニ、イクラ、ネギトロがこれでもかとこぼれる軍艦巻きセットの大盤振る舞いや、ウナギやエビフライ、マグロやアボカドが豪勢に巻き込まれ、龍の頭が迫力満点のドラゴンロールなど、ビジュアル的にも楽しい感動が満載。 「ドラゴンロールは総料理長の発案です。縁起物なので誕生日などのお祝いの席に喜んでいただいています」  

握り寿しは1貫単位で頼めるから、ネタの種類を多く楽しめる。巻物もハーフサイズが用意されていて、あくまでお客様本位だ。 「安いけどサービスいいよねとか、次はあの人を誘って行こうとか、使い勝手のいい店でありたいですね。日本から来た観光客の方には、ハワイならではの活美登利のメニューを楽しんでもらって旅の思い出にしていただきたいです」

 

ハワイ店オリジナルのドカンとどデカいドラゴンロールは、ウナギ、エビフライ、マグロ、アボカド、サーモンポキなど具沢山で食べ応えたっぷり。30ドル。

 

 

活美登利寿司 KATSU MIDORI SUSHI TOKYO

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