ハワイのビール特集

 06/05/2017 : 3015 Views

彼の更なる転機は2012年のこと。政府のバックアップによる巨額の資金ローンが降りたのです。そこで更に大きな施設を購入。そのキャパシティは、1万9千バレルから、4万バレルへとなりました。翌年の2013年には、なんと1千万ドルの売り上げを記録したのです。

現在は400名の従業員を雇い、2019年までには4つのレストランをオープン(ワイキキにも店舗をオープンしたばかり)、従業員の数を700名までにも増やす予定。昨年の売り上げは、約1200万ドル〜1600万ドルを記録し、今年の予想は2000万ドルを超えると予測されています。  マウイブリューイングカンパニーの企業発展、成長などを讃えて、ワシントンDCで表彰式が行われました。『クラフトビールが未来のビジネスの鍵を握っている』と語ったマウイブリューイングのオーナー。ハワイのローカルビール市場はまだまだ発展していきそうです。

(cnbc.com、mauinews.com参照)

 

  

ビールの基礎知識

ビールの種類と用語

【エール (ALE)】

クラフトビールの代表格です。ペール(黄色)、アンバー(赤)ブラウン(茶)IPA(インディアペールエール、明るい琥珀色)などがあリます。

【ポーター(PORTER)】

焙煎した麦芽を使った、ダークブラウンのビール。クリーミーで、香ばしく、リッチな味が好きな人向け。黒ビール、スタウトとも呼ばれています。

【ヴァイツェン(WEIZEN)】

小麦を使ったビール。白く、ライトで、フルーティな味です。

【ヘファヴァイツェン(HEFEWEIZEN)】

濾過されていない小麦ビール。

【IPA】

インディア・ペールエールのこと。香りと苦味が特徴で、ホップも強いです。アルコール度数は他の種類に比べると高めです。

【IBU】

苦味のレベル。苦いほど、その数字が大きくなります。

【ABV】

アルコール度数。高いほどアルコール度数が強いです。 ビールの製造工程

 

ビールの製造工程

大麦がビールに生まれ変わるまでには、製麦・焙燥・仕込・発酵・熟成・ろ過・殺菌という、長い道のりが待っています。それぞれの工程に工夫をすることで、無限の味が生まれてきます。ハワイのビールの場合は、この工程の途中に、ハワイ産のコーヒー、ハニー、チョコレート、フルーツなどのフレーバーをつける工夫をして、ハワイらしさを出しているのです。

 

1.製麦(4日~1週間) 

まずは原料の大麦を発芽させます。大麦を40~60時間程度水につけ、芽が出かけてきたら水から出して4日~1週間くらい芽を伸ばします。麦には長い冬を越すための栄養であるデンプンがたくさん含まれています。春になり芽を出すときに、デンプンからエネルギーを生み出すアミラーゼという酵素がつくられ、このアミラーゼがデンプンを糖に分解します。このように、大麦の中のデンプンを糖に変える準備、つまり[糖化]が、ビールの発酵には重要です。  

 2.焙燥

芽の長さが、一定の長さになったら成長を止めます。それ以上成長するとビールになる原料が少なくなってしまいます。そこで、麦芽を高温で乾燥させます。これを「焙燥」といいます。ちなみに、焙乾の温度が高ければ色の濃いビールができあがります。

3.仕込(1日程度)

焙燥させた麦芽を今度は粉末にして、50℃位のお湯につけます。その液体をろ過し、デンプンや酵素を抽出します。これを[麦汁]と呼びます。次に麦汁を50℃くらいに温め、1時間ほど待ちます。ここで麦芽の中に含まれる蛋白を分解させます。さらに温度を67℃くらいまで上げ、また1時間ほど待ちます。アミラーゼが一番活発になる温度なので、アミラーゼに思う存分デンプンを糖に変えてもらいます。アミラーゼの活躍が終わったら、温度を78℃まで上げ、アミラーゼの働きを止めます。このあと麦汁を煮沸釜に入れ、1~2時間のあいだ、100℃の高温で煮沸します。そのときに苦味成分である[苦味ホップ]を入れます。ここで、苦味を十分に引き出すのと同時に、蛋白を固まらせて完全に取り除きます。煮沸が終わったら、香り成分であるアロマホップを入れます。

4.1次発酵(1週間程度)

いよいよビールになるためのアルコール発酵の段階です。麦汁を発酵タンクに移し、酵母を入れます。ラガービールなら5~10℃、エールビールなら18~22℃の温度で発酵させます。アルコール発酵は半日の間で酵母が増殖し、1日後には二酸化炭素の気泡が表面を覆います。やがて1週間もたてばクリーム状の泡が多い尽くします。1週間が過ぎ、1次発酵が終わったら、温度を下げ、酵母の働きを止めます。ラガー酵母なら下に沈み、エール酵母なら上に浮かんできます。役目を終えた酵母を残して、できたばかりのビールを2次発酵させるためのタンクに移します。

5.2次発酵

ここからは熟成期間に移ります。この期間にはタンクから二酸化炭素が排出されるのを止め、ビール内部に炭酸ガスが溶け込むようにします。この炭酸ガスがまさにビールの泡になります。十分に熟成させたら、まだ残っている酵母をろ過で取り除き、低温殺菌をして出来上がりです!

 

brewing-japan.com

 

ハワイとアルコールの歴史

ハワイでは約2世紀前からアルコールの存在が文献などに記録されています。ネイティヴハワイアンたちは、その昔、カヴァの根っこを乾燥させ、水と混ぜて飲んでいましたが、それはリラックス効果よりも麻薬的なものだったと言われています。  

ハワイに持ち込まれた最初のアルコールは、1790年頃のこと。ヨーロッパの人たちが持ち込んだ、ラムやグロッグ(ラム酒を水で割ったもの)で、ハワイでも1802年頃にはラムを作るようになりました。

 

ビール製造の始まりと挫折  

1812年頃に、少しずつビールが醸造されるようになり、1815年頃からワインを作る工場が登場しました。醸造主としてハワイで一番古い記録に残っているのが、フランシスコ・デ・ポーラ・マリン。1793年か1794年にホノルルに定住しはじめたスペイン人で、『樽いっぱいのビールをキャプテンのために作った』という文献記録が残っているそうです。  

1854年の4月15日、ハワイの政府が発行していた新聞『ザ・ポリネシアン』に『ホノルルブリューワリー:ダウンタウンのフレンチホテルの向かい側に、醸造所が誕生した』という記事が掲載。初の醸造所の存在が確認されましたが、ほとんどが輸入されたものでした。  

地元で製造されるようになったのは、その8年後のこと。トーマス・ウォーレン、そしてウィラード・フランシスの二人が『ハワイアンビール』という名前のラガービールを売っていたことが記録されています。しかし、この二人の関係は4カ月と持たず、喧嘩別れし、別々の醸造所を運営するようになります(ヌウアヌにあったハワイアンブリューワリー、もう一つはオアフブリューワリー《場所の明記はなし》)。しかし、ウォーレンさんの運営していたオアフブリューワリーは、『パートナーに裏切られたのでビジネスが上手くいかず続けることができない』と、クローズしてしまいました。

この一件があってからハワイにはローカルビールがなかなか登場しませんでした。1888年の1月、『パシフィックコマーシャルアドバタイザー』という当時の新聞に、『カリヒバレーのナショナルブリューイングカンパニーから5ガロンのビールが届いた』という記事が掲載され、このナショナルブリューイングカンパニーという会社が、地ビールを多くの人たちに提供していたようですが、このビジネスも数年でクローズしてしまいます。

 

プリモビールの登場  

そして、ハワイの地ビールとして一番長くサバイバルしたのが、『プリモビール』です。クイーンストリートとパンチボウルの間に、大きな醸造所がありました。多くの人たちに愛されたビールでしたが、第一次世界大戦の流れで、ビジネスは危うくなります。ところが1933年にはアメリカンブリューインカンパニーという会社がプリモビールの醸造所をテイクオーバー。ハワイブリューイングコーポレーションという会社が製造を担当するようになります。場所は、カピオラニブルバードとクックストリートの間のビルでした。その後、アンブリュー(Ambrew),ロイヤル(Royal)という種類のビールも発表。アンブリューはあまり人気がなく、1937年に発売停止になり、ロイヤルがそれにとってかわるブランドとなりました。  

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