日本と世界の温泉事情

 05/11/2019

『広辞苑』では、温泉は「地熱のために平均気温以上に熱せられて湧き出る泉。多少の鉱物質を含み、浴用または飲用として医療効果を示す」と定義されています。昔の日本では、温泉は怪我や病気などに不思議な効能がある湯が沸く聖地と考えられ、寺社の管理下にあったり、地元住民の共有財産として扱われていました。現代の日本では、温泉は観光を兼ねた娯楽として広く親しまれ、文化の1つとして各地に根付いています。今回のエキストラ特集では、日本の温泉の種類、歴史や豆知識、そして世界各地の温泉についてご紹介したいと思います。

 

温泉の種類

熱源による違い

 

火山性温泉  

火山地帯の地下10数キロメートルまでの部分には、さらに深いところから上昇してきたマグマによる「マグマ溜まり」があります。マグマ溜まりの温度は実に1,000℃以上。地上に降った雨や雪の一部は地中に浸み込み地下水となりますが、これがマグマ溜まりの熱で温められたものが火山性温泉です。お湯には、火山ガスやマグマガスが起源の成分が含まれていますが、ガス成分の違いや、地下水が岩石の成分を溶かすことなどにより、場所によって異なる泉質の温泉が形成されています。

 

雲仙温泉(長崎県)の噴気帯

 

非火山性温泉  

主に盆地にある非火山性の温泉は、地熱を熱源とする地下水をボーリングで掘り出したものが一般的です。

【深層熱水型】 雨や雪の浸透によってできた地下水が地熱で温められるタイプの温泉です。

【化石海水型】 地殻変動などの影響で、古代の海水が地中に閉じこめられている「化石海水」が水源で、それが地熱で温められるタイプの温泉です。海に近い場所では、今現在の海水や地下水が化石海水に混入している場合もあります。

【モール泉型】 珍しい例として、古代に堆積した植物が亜炭(石炭に変化し始めの状態)に変わる際に出る熱が熱源の温泉もあります。「モール泉」と呼ばれるこのタイプの温泉は、今のところ、世界中で北海道の十勝川温泉とドイツの有名な温泉地バーデン・バーデンの2カ所しかありません。

 

 

地獄谷温泉(長野県)の入浴する猿

 

 

Memo

地熱とは

地熱とは、地球内部から発せられる熱のことです。地熱は地下深度が深くなるほど上昇し、100メートル毎に約3℃上がるといわれています。大陸の地殻の底は約400℃、海洋の地殻の底は約200℃、マントルと核の境目周辺は約4000℃。最深部にある内核の温度は約6,000℃に及ぶと言われています。内核から地表に上がってくる熱で温められた地下水が、非火山性温泉の源になります。

 

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