ボジョレー・ヌーボーって?

 12/15/2017 : 831 Views

なぜ解禁日がある?

 

 ボジョレー・ヌーボーが世界で出回り始めた頃、ワインの売り手たちはいち早くこのボジョレー・ヌーボーを出荷しようと競い始めました。その結果、質の悪いワインが出回るようになり、せっかく世界で認められ出したボジョレーの評判を落としかねないところでした。そこでフランス政府が、ボジョレー・ヌーボーの品質を下げないために、1967年に解禁日を定めたのです。それが11月15日でした。ボジョレー・ヌーボーは、解禁されるまでは販売も飲むことも禁じられていました。

 ところが、この11月15日がその年によって土日や、祝日になると、フランスは土日祝祭日は仕事をしないので、運送がストップして出荷が延びてしまうという問題が起きました。

 そこで、1985年になると、解禁日を改めて定め直し、それが11月の第3木曜日の午前0時と定められたのです。また、日本で盛り上がる理由は、日本では日付変更線の関係上、本国のフランスよりも一早く解禁されるからとも言われています。今年の解禁日は11月16日でした。

 

ボジョレー・ヌーボーの解禁日、世界の対応は?

 世界各国の現地時間で、11月の第3木曜日の午前0時にボジョレー・ヌーボーは一般への販売が解禁されますが、これはフランスの時間に基づいたものではありません。ですから、特に日本は時差の関係で、先進国の中でも、最も早く解禁を迎えます。また、同じく先進国のニュージーランドや、オーストラリアの一部では日本よりも進んだ標準時間を採用しているので、ここも早く解禁を迎えます。

 解禁時間が異なったりタイミングが重要になることから、ワインとしては例外的に、ボジョレー・ヌーボーは世界各国へ空輸されます。24時間営業のスーパーマーケットやレストラン、バーなどでは、解禁日当日午前0時になった瞬間に販売を始めるところもあります。

 梱包箱には「○○年11月○○日午前0時以前の販売および消費 厳禁」と通常書かれていますが、フランスのAOC法というフランスの法律による規制のため、その日より前に販売・消費しても、日本国内で法的に罰せられることはありません。

 ただ、間にあわせるために、税関の『特別措置』として、販売解禁日より早く通税し店舗に卸されているため、解禁日前に「フライング販売」をしている店舗があり、規則を守らない場合、配送を受けることが禁止される可能性もあります。

 『早く飲めるよ!』なんてお誘いには乗らないように。

 

ボジョレー・ヌーボーの帝王と言われる ジョルジュ・デュブッフさんとは?

 ボジョレー・ヌーボーにもいろんな種類があるのですが、このボジョレー・ヌーボーの帝王と称されている人がいます。その帝王とは、ジョルジュ・デュブッフ社の創業者であるジョルジュ・デュブッフさん。ブーイイ・フュイッセというボジョレー地区近郊のぶどう生産農家に生まれました。

 ジョルジュさんは青年時代、自分で作った白ワインを瓶詰めし、自転車でその白ワインを売りにレストランを回っていました。そのうちリヨンの3つ星レストランのシェフたちからも認められるようになり、今度は赤ワインの生産に取り組むことにしました。ボジョレーの生産者の元を訪れ、自ら味を確認し、香りを嗅ぎ分け、優秀な生産者を確保。そして1951年に自分のボジョレー赤ワインを売るようになったのです。

 このジョルジュ・デュブッフのボジョレーのクオリティの高さはあっという間に評判となり、1964には自らの会社を設立。そしてこの年にもっとボジョレー・ヌーボーを人々に知ってもらおうと、ボジョレー解禁をイベントに仕立て上げ、あちこちでポスターを貼っては広告活動を行いました。その地道な活動が大ヒットし、1970年代にはこのボジョレー・ヌーボーが世界的に知られるようになったのです。

 現在も1日に300種類以上のキュベの試飲をしているというジョルジュ・デュブッフ。同じ製品でも国によって好みが違うので、彼自らが微妙な味の違いを嗅ぎ分けて選んで輸出しているというのも彼のワインならではの特徴です。

 また、ワインコンクールの受賞歴も最高金賞受賞回数は過去に20回、通算の受賞回数が146回という驚異的な受賞歴を誇っています。

 

解禁日はフランスより日本の方が盛り上がる?

 

 ボジョレーワインの生産者組合によると、日本のボジョレー・ヌーボーの輸入量は世界でナンバーワン。2位のアメリカに数百万本という差でトップです。フランス国内の販売量にはもちろん及びませんが、それでもフランスの半分にあたる量を輸入しています。

 日本に住むフランス人から見ても不思議なのが、日本の方が本国よりも盛り上がり方がすごいという実情。クリスマスのケーキやバレンタインデーのチョコレートと同様、日本は売り手側のPR作戦が過激なのかもしれません。

 日本人はこのような初物が昔から大好き。そもそも日本への輸入は1976年から始まりました。1980年代後半、まさにバブルの時代に大きなブームになったこともあって、一気に広まり、当時は、解禁日未明に成田空港まで行って、試飲をするという人まで現れたほどでした。

 バブル崩壊とともに、そのようなクレージーなブームは終わりましたが、1997年頃から今度は赤ワインブームに乗って再び脚光を浴び、なんと2004年にはバブル時代を上回る市場規模となり、過去最大の販売数を記録しました。

 2009年以降は、ボジョレー・ヌーボーは消費不況や製造&輸送コストの軽減のために、ペットボトル型が販売されるようになり、なんと1000円を切るような激安のものも登場するようになりました。しかし、質が落ちることを懸念し、フランス政府から2011年にはペットボトル型の販売禁止が発表されました。

 確かに、この期間中に、一部で、ボジョレー・ヌーボーはそれほど美味しくないという印象や噂が広まってしまったようです。飲む場合は、なるべく良い銘柄のものを選んで飲んでみてください。

 

 

美味しい飲み方&よく合う料理

 

 普通、赤ワインは冷やすと酸味が増して飲みにくくなってしまいますが、ボジョレー・ヌーボーの場合は、渋みがもともと少ないので冷やして飲んでも美味しく、食事の前に1時間くらい冷やして摂氏12度〜14度くらいで飲むのがオススメです。

 また長期保存には向いていないので、購入後は2〜3カ月の間で飲みきるのが良いでしょう。品質を落とさないために、室温のあまり上がらない冷暗所で冷やし、保管しておきます。ただ、できるだけすぐに飲んだ方が美味しくいただけます。

 ボジョレー・ヌーボーはクセがなくて、フルーティなワインなので、肉料理やパスタなどはもちろん、魚料理やサラダなどさっぱりしたお料理にも合います。実はお刺身など、和食にもぴったり合うので、日本で大ブレイクしたのでは? とも言われているほどです。

 また、チーズとワインの組み合わせですと、ボジョレー・ヌーボーに合わせるときは、クセのあるものだとチーズの香りがワインに強すぎて負けてしまうかもしれないので、食べやすいチーズが合います。簡単にいうと、赤ワインよりも白ワインにあうと言われているお料理がマッチするのがボジョレー・ヌーボーなのです。

@shutterstock

 

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