ハワイと世界の桜事情

 04/06/2017 : 387 Views

 

ハワイでの桜の名所はワヒアワ

日本では桜の季節ですね。2017年は東京が全国でトップを切って3月21日に開花がスタート。続いて3月25日に福岡で開花。東北の開花予想日は4月中旬から後半と予想されています。

春の訪れを知らせる桜ですが、常夏のハワイでも、桜は咲きます。平均開花時期は、毎年1月の最終週から2月上旬にかけて。ローカルの日系人たちは、ここぞとばかりに桜を楽しみます。2000年からは、お花見も本格的に行われるようになりました。たとえば、ワイキキから「お花見トロリー」が期間限定で出るようになり、トロリーに乗りながら桜観賞をすることができるようになりました。さらにワヒアワの本願寺では、毎年、桜祭りが行われます。日系女性たちがエントリーする「ミスチェリーブロッサム(桜の女王)」コンテストのクイーンやプリンセスたちが参加し、カラオケ、太鼓、ダンスなどをして盛り上がります。

 

ハワイではワヒアワがサクラタウンとして知られています。1950年代にワイピオバレーに住んでいたチョロ・ナカノセさんが沖縄から桜の木を持って来て植えたのが、そのきっかけだと言われています。チョロさんが桜の苗を、ワイメアに住んでいたタスケ寺尾さんにプレゼントし、そのタスケさんが木を育て増やし、コミュニティに売ったりしていたそうです。なので、ワヒアワにある桜の木のほとんどは95%が沖縄の桜。ソメイヨシノなどと比べるとちょっと紫がかっています。残りの5%は、台湾の桜といわれています。

 

 

桜が元気に咲くためには、ある程度の寒さが必要です。ワヒアワでは12月頃になると、夜は8℃くらいまで気温が下がるので、桜が育つにはオアフの中では一番適しています。この寒さに加え、雨の多さや標高の高さも綺麗な桜を咲かせる条件なので、ワヒアワはすべてを満たしているのです。

この桜の管理を守っているのが、ワヒアワ日系公民協会のメンバー達。この協会は1953年に発足され、日本の文化を大切に守り継承していこうといろんな活動をしてきましたが、そのメインの活動が、この桜の管理です。代表のジャック・ツジハラさんはアメリカ中を転々として来た日系移民。日本人は、人が困っている時にお互いに助け合う人種。思いやりがあって情深く、優しくて、桜をありがたく観賞するお花見のような文化も、日本人ならではの文化なので、今後もずっと継承していきたいとのこと。

 

オアフ島の他にも、ハワイ島本願寺の裏のチャーチロウパークに、ワイメアライオンズクラブにより1972年に桜の木が植えられ、今も75本の桜が花を咲かせます。2012年には、新たにワイメア、ワヒアワ、そしてマノアに八丈島からの桜の木が届き、日米友好の一環として植えられました。ワイメアとワヒアワの木は花が咲きましたが、マノアの木は証拠写真を撮る前に、その年の花がすべて散ってしまったというエピソードがあります。

 

 

ハワイには、Cherry Alley Committeeという団体もあり、桜を通して日本との交流を深め、日本文化を継承していこうと日々活動しています。昨年の3月には、渋谷区ロータリークラブ、そして高知県牧野ボタニカルガーデンからのドネーションにより、オアフ島ワヒアワのヘレマノプランテーションに約100本の桜の木が新たに植えられました。ハワイと桜の関係はますます強くなっていきそう。ハワイの日系人が、遠い日本に思いを寄せて植えた桜。感謝の気持ちで観賞してみては? (参考文献:The Hawaii Herald)

 

桜と似ているハワイのフラワーツリーは?

シャワーツリー

まるで桜のように可愛いピンクの花を咲かせて、ひらひら舞い落ちてくるのがシャワーツリー。まるでシャワーのように咲き乱れるのでこの名が付けられました。ピンク、イエロー、オレンジ、レインボーカラーなど色とりどり。レインボーカラーのシャワーツリーは、ホノルル市の花に制定されており、ハワイでは街路樹としてあちこちに咲いています。原産地はインド・インドネシア、マメ科カッシア属の樹木です。注目したいのは、天皇皇后両陛下がハワイ訪問をされた時に自ら植樹された、カピオラニ公園の一角にあるレインボーシャワーツリー。木の根元にはベンチがあり、特別プレートや囲いはありませんが大木でとてもゴージャス。シャワーツリーは、樹高約10m程度の高木で、4月頃から花が咲き始め、11月頃まで咲き続けます。まるでハワイの春の訪れを告げるような、まさにハワイの桜なのです。

 

ピンクテコマツリー

2月〜3月から咲き出すピンクテコマツリーも、ピンク色で桜のように見える美しい花です。ノウゼンカズラ科タベブイア属の落葉高木で、花が咲いたあとは、インゲンのようなサヤが垂れ下がります。アラモアナ公園や、チャイナタウン、ワヒアワなど、こちらも色々なエリアでみられる花で、シャワーツリーよりも若干、繊細な感じがするお花です。南米原産で、ハワイ、そして沖縄など暖かいところに咲きます。こちらもハワイの日系人には「南洋桜」として知られていて、ハワイの桜とも呼ばれています。

 

 

世界の桜事情

 

オーストラリア

1971年に日本とオーストラリアの友好目的で、カウラという街にジャパニーズガーデンを作ろうと提案。回遊式庭園が、Ken Nakajimaという日本人によってデザインされ、1979年に開園しました。カウラは第二次世界大戦の時に連合軍の捕獲収容所にいた日本兵500人以上が脱走した『カウラ事件』でも知られている場所。多くの日本兵が命を落としましたが、脱走した日本人捕虜に現地の住民が食べ物を振る舞ったというエピソードもあり、2度とこのようなことが起きないよう平和を提唱するためにこの庭園が作られました。オーストラリア国内有数の日本庭園でもあるこのジャパニーズガーデンに桜が植えられており、毎年チェリーブロッサムフェスティバルが開催されています。

 

ブラジル

日系移民の多いブラジルですから、ハワイと同様、桜の木の種を持ってくる移民が1930年前後から、たくさんいました。サンパウロは海外で一番大きな日本人コミュニティ。南ブラジルのパラナ、アプカラナ、マリンガ、カスカベル、クリティバにも桜の木があり、クリティバのボタニカルガーデンなど、国のあちこちに桜の木があります。有名なのは、サンパウロのカルモ公園の桜。市の東部に暮らす日系人によって70年代に植えられ、4000本の桜の木があるそう。地域によって開花時期が違いますが、サンパウロ一帯では7〜8月に開花します。

 

カナダ

バンクーバーは桜が有名で、特にクイーンエリザベスパーク、スタンレーパークが人気です。もとはといえば1930年代、神戸市と横浜市がスタンレーパークにある、日系カナダ人戦没者慰霊碑に追悼の意を込めて500本もの桜の木を寄贈したのがきっかけ。トロントのハイパークのソメイヨシノも、1958年に日本政府によってプレゼントされたもので、さらに2001年には日本領事館の桜プロジェクトによって、さらに34本の桜が植えられました。他にも大学のキャンパスや、ナイアガラの滝の近くに桜の木が植えられています。バーリントンのロイヤルボタニカルガーデンでも美しいソメイヨシノを鑑賞することができます。ロイヤルボタニカルガーデンの桜の開花時期は少し遅くて4月後半から5月の1週目にかけてです。

 

中国

中国では、海の近く、特に北部と南部に桜が咲きます。とくに有名なのは、江蘇省に存在する桜観賞スポット「無錫太湖𥧄頭渚」。ここは3万本以上もの桜の木があり、玉淵潭桜花園、青島中山公園、百万葵園などにも。中国人は日本で桜を見ることに憧れを抱いていて、日本イコール桜というイメージを持っている人たちが多いそうです。

 

フランス

パリの郊外、パークドソーの公園の中央に100本ほどのピンクの八重桜が植えられています。開花時期は4月中旬から下旬で、多くの人たちが桜の鑑賞に訪れます。

 

トルコ

2005年にイスタンブールのNezahat Gokyogit Botanical Garden(ナザハット・ゴキョギット・ボタニカルガーデン)に日本の桜がお目見えしました。エルトゥールル号遭難事故から120年、日本とトルコの友好120周年記念として、日本から運ばれた3千本の桜が植樹されました。

 

ドイツ

ドイツのアルタス ランド オーチャードは桜が名物で観光スポットになっています。最大のドイツのお花見イベントはハンブルグで行われ、チェリーブロッアムアソシエーションという団体が日本文化を伝えるイベントを行います。さらにテレビ朝日のキャンペーンで、ベルリンの壁跡地に桜を植えるプロジェクトがあり、集まった募金でベルリンに9100本の桜が植えられました。そのほか、ライプツィヒのグラッシイ博物館、ハノーファー、ボンのへーア通り、シュヴェツインゲン城、ハンブルグのアルトナ市庁舎、ホーフハイムのウンタートーア広場、オーヴェンのテック城壁、マグデブルクのホルツ通り、ベルヒテスガーデンのクアガーデンなど、ドイツには桜スポットが満載です。

 

インド

インドでは桜の野生種の一つであるヒマラヤンチェリーが主流です。インドのヒマーチャル・プラデーシュから中国南西部、ビルマなどに見られる。海抜1200〜2400mの高山の森に生えます。サクラ自体もヒマラヤンチェリーも、ヒマラヤ近辺が原産と考えられています。

 

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